【2024年最新】JRA(中央競馬)牝馬三冠馬(桜花賞・オークス・秋華賞)の一覧 メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクト、リバティアイランドの7頭が達成

JRA(中央競馬)における牝馬三冠(桜花賞・オークス・秋華賞(エリザベス女王杯))馬の一覧です。1986年、メジロラモーヌが史上初の三冠を達成して以降、日本競馬では7頭の牝馬三冠馬が誕生しています。このうち無敗で三冠を達成したのはデアリングタクト(2020年)1頭のみです。
1. 1986年 史上唯一、全トライアルをも含めた「完全三冠」
日本競馬史に燦然と輝く史上初の牝馬三冠は1986年に達成されました。半弟にメジロアルダン(1989年高松宮杯)がいる良血で、フランス・モンブラン山系にある峰のひとつ「ラモーヌ針峰(しんぽう)」からその名がついたメジロラモーヌは、東京ダート1400mの新馬戦を大差勝ちして鮮烈なデビューを果たします。旧3歳シーズンを4戦3勝で終え最優秀3歳牝馬のタイトルを獲得、明け4歳は初戦のクイーンCこそ落とすものの、桜花賞、オークスを快勝するとラスト一冠・エリザベス女王杯(当時は2400m)も2着スーパーショットに半馬身差をつけて勝ち切りました。メジロラモーヌの特筆すべき点は桜花賞、オークス、エリザベス女王杯のそれぞれのトライアルレース、4歳牝馬特別(西)、4歳牝馬特別(東)、ローズSを全勝している点。同馬以降数々の名馬が牝馬三冠をクリアしますが、前哨戦を含めた「完全三冠」はいまだに続く馬が現れていません。現役引退後は繁殖入りし、直子からは重賞ウィナーが出なかったものの、3代母にメジロラモーヌを持つグローリーヴェイズが2019年、2021年の香港ヴァーズでG1・2勝をマークするなど、その血は活力を保ち続けています。
2. 2003年 ライバル・アドマイヤグルーヴとの名勝負数え歌
メジロラモーヌから17年、21世紀最初の三冠牝馬は2003年のスティルインラブです。全16戦で幸英明騎手が手綱を取ったことから、ジョッキーとセットで記憶に残る名牝でした。2003年の牝馬クラシックはサンデーサイレンス×エアグルーヴの超良血、アドマイヤグルーヴという才能に注目が集まりましたが、スティルインラブは桜花賞、オークス、秋華賞いずれも2番人気に甘んじながら(1番人気はアドマイヤグルーヴ)、中団から伸ばす切れ味鋭い差し脚を武器に一度も先頭を譲らず偉業を成し遂げました。同年のエリザベス女王杯でアドマイヤグルーヴにリベンジを許す2着に敗れると、その後は本来の走りを取り戻すことなく、2005年の府中牝馬Sを最後に引退。繁殖入り後2007年に腸重積で急死したことで、残念ながら現在スティルインラブの血は残っていません。
3. 2010年 2歳女王が一気の三冠獲り
2歳女王決定戦・阪神JFを勝ち、翌年も牝馬三冠をクリアしたのは2010年のアパパネ。仕上がり早のスプリンターだったソルティビッドが産んだキングカメハメハ産駒は未勝利戦から3連勝で阪神JFを制し、前哨戦のチューリップ賞、ローズSをともに落としながら本番はきっちりと結果を残しました。オークスではサンテミリオンと史上初の同着制覇を達成し、蛯名正義騎手・横山典弘騎手が揃って勝利ジョッキーインタビューを受ける珍しいシーンも演出しています。翌2011年には1歳上の女傑・ブエナビスタとヴィクトリアマイルで激突し、クビ差しのぎきって5つ目のG1タイトルを獲得、繁殖入り後はディープインパクトとの間にアカイトリノムスメを出し、同馬は2021年の秋華賞を制して同レース母子制覇の記録を樹立しています。
4. 2012年 肉弾戦をいとわない「貴婦人」
イギリスで芝6ハロンのG1を勝ったドナブリーニを母に持つジェンティルドンナは、馬名意味「貴婦人」から醸し出されるイメージを超える豪快なレース運びで続々と強敵をなぎ倒しました。スティルインラブにアドマイヤグルーヴがいたように、ジェンティルドンナにはヴィルシーナが追いすがりますが、牝馬三冠+ローズSで4度とも2着に下して栄冠を勝ち取ると、同年のジャパンCでは先輩の三冠馬・オルフェーヴルを弾いて伸び、3歳牝馬として史上初めて同レースを制覇。その後は連覇を果たしたジャパンC、アクロバティックな進路変更で前を捉えたドバイシーマC、引退レース、初の中山で好枠を生かし、有終の美を飾った有馬記念と7つのG1タイトルを獲得しています。現役引退後はモーリスとの間の産駒ジェラルディーナがエリザベス女王杯を勝ち、あっさりとG1馬の母に仲間入りしています。
5. 2018年 ルドルフの壁を超えるG1・9勝
ジェンティルドンナから6年、「美人とされる顔の目の形」を意味する「アーモンドアイ」と命名されたフサイチパンドラの子が日本競馬史を塗り替えます。暴力的なまでの末脚、ルメール騎手の巧みなレースプラン、豊かな基礎スピード、全てを身につけていた同馬は、牝馬三冠すら序章にすぎない競走馬生活を送ります。2018年のジャパンCは2分20秒6というアンタッチャブルレコードで勝利、翌年のドバイターフを楽勝、安田記念はトラックバイアス、ローテーション、出遅れなどで未勝利に終わったものの、ヴィクトリアマイル、天皇賞(秋)連覇でG1・8勝をマークし、引退レースとなった2020年ジャパンCでは、無敗三冠馬・コントレイル、無敗牝馬三冠馬・デアリングタクトと東京芝2400mで激突するという空前絶後の決戦を制し、後輩たちに初めての敗北を味わせ、G1・9勝馬として最強のままターフを去りました。
6. 2020年 史上初の無敗牝馬三冠馬
史上初めて無敗で牝馬三冠を達成したのが2020年のデアリングタクトです。エルフィンSでの勝ちっぷりで競馬ファンに大器の印象を与え、桜花賞では重馬場を苦にせず力強く伸び、1番人気レシステンシアを捉えて一冠、オークスでは進路取りに手こずるシーンがありながら上がり3ハロン33秒1の末脚で二冠、秋華賞は危なげないレース運びで大記録を打ち立てました。次走、アーモンドアイ・コントレイルとの空前の決戦では3着に敗れ、翌年の香港・クイーンエリザベス2世C3着以降は繋靭帯炎を発症して長い休養に入りますが、翌年のヴィクトリアマイルで復帰すると(6着)、明け2戦目の宝塚記念ではタイトルホルダーの大レコード決着の中で意地の3着を確保。晩年は足元と常に戦いながらの競走生活ながら印象深いレースを展開しました。
7. 2023年 桁違いのスケール感「お嬢さん」のたどる道は
現時点で直近の牝馬三冠馬であるリバティアイランドは、新馬戦で上がり3ハロン31秒4という驚愕の末脚を披露。アルテミスSではラヴェルを捉え切れずの2着に終わるも、阪神JFは一頭だけスケールが違うレース運びで2歳女王の座に就きました。3歳シーズンもハープスターのごとき暴力的撫で切りを演じた桜花賞、ワンサイドゲームだったオークス、安全策を取る余裕で悠々と三冠を達成した秋華賞、計り知れない才能の目撃に見るものを慄かせ続けました。ジャパンCでは日本競馬史上最強といえるイクイノックスの2着に終わるも、この経験を糧に日本のエースとして成長していくことでしょう。
参考. 1943年 日本競馬史上ただ1頭の「変則三冠」馬
以上まで紹介してきた「牝馬三冠馬」とは趣を異にするのがクリフジです。戦時中の1943年、キャリア3戦目で牝馬ながらダービーを制覇すると、オークスを10馬身差で圧勝、さらに菊花賞を大差勝ち。空前絶後の「ダービー⇒オークス⇒菊花賞」という「変則三冠」を達成しました。キャリア11戦全勝、ダービー後、息が全く乱れていなかったというエピソードなど、伝説級の戦績と強さを後世まで伝えています。同馬の牝系は細々ながら現代まで受け継がれており、血脈が絶えないことを祈るばかりです。
関連ページ

『ウマ娘』に出走した競走馬一覧 マルゼンスキーからデアリングタクトまで元ネタ一挙紹介

中央競馬(JRA)歴代最高配当ランキング 3000万級の高配当も

JRA・G1単勝最高配当ランキングベスト10 サンドピアリス、ビートブラック、コパノリッキー、ダイユウサクなどが万馬券を演出

JRA(中央競馬)最大馬体重勝利ランキング 巨漢馬ショーグンが貫禄のレコード

JRA(中央競馬)最小馬体重勝利ランキング アイドルホース・メロディーレーンが堂々の首位

新潟芝1000m歴代好タイムベスト10 レコードはカルストンライトオの53秒7

芝1200m歴代好タイムベスト10 日本レコードはテイエムスパーダの1分5秒8

芝1400m歴代好タイムベスト10 日本レコードはマグナーテンの1分19秒0

芝1600m歴代好タイムベスト10 日本レコードはトロワゼトワルの1分30秒3

ダート1200m歴代好タイムベスト10 日本レコードはハコダテブショウの1分8秒4

ダート1400m歴代好タイムベスト10 日本レコードはマテラスカイの1分20秒3

ダート1600m歴代好タイムベスト10 JRAレコードはクロフネの1分33秒3