2025年天皇賞(秋)(G1)特集

東京11R/芝2000m/(国際)(指)
2024天皇賞(秋)_ドウデュース

出走予定注目馬

共同通信杯を完勝して挑んだ春二冠は皐月賞3着、日本ダービー2着と一歩届かず、父ドゥラメンテとの親子制覇はいずれもかなわなかったが、3歳牡馬最上位クラスの実力を証明した。母マスクオフの産駒はマスクトディーヴァを筆頭にトゥーフェイス、ルイジアナママと東京のスペシャリストばかりで、引き続きの府中、そして2ハロン短縮は絶好の条件。G1初制覇のチャンスだ。

皐月賞では道中のペースアップをやり過ごして直線鋭く伸び、1分57秒0の好時計で大本命クロワデュノールを撃破。二冠がかかった日本ダービーでは差しが利きにくいトラックバイアスと距離適性の壁に敗れ6着に沈んだが、秋初戦のセントライト記念は役者の違いを見せる貫禄勝ちを決めた。同じ皐月賞馬・イスラボニータをなぞるローテで伝統の盾獲りに挑む。

3歳時から毎日杯、神戸新聞杯の勝ちっぷりで打点の高さは証明していたものの、操縦性が極端に低く不完全燃焼の競馬が続いていたが、武豊騎手に手替わりとなったドバイターフでレースぶりに成長が見え、宝塚記念では他馬が道悪に苦しむ中スイスイと好ラップを刻み、2着ベラジオオペラに0秒5差をつける文句なしの走りでG1初制覇を飾った。府中の2000でも逃げで真っ向勝負。

牡5 美浦・堀宣行 厩舎
タスティエーラ

ベラジオオペラとともに2023年クラシック世代を引っ張るダービー馬。昨年の同レースはスローの流れに3番手で取り付き、50倍を超える単勝オッズに反発する2着に激走。香港カップではロマンチックウォリアー、リバティアイランドに続く3着、春のクイーンエリザベス2世カップでは古豪プログノーシスを退けてG1・2勝目を飾った。今年はメイショウタバルの存在が最大のカギとなる。

牝5 栗東・牧浦充徳 厩舎
シランケド

3歳7月に単勝万馬券で初勝利を挙げ、ここから11戦連続馬券圏内と抜群の安定感を誇るデクラレーションオブウォー産駒。名久々の重賞挑戦となった中山牝馬ステークスを鮮やかに差し切ると、キャリア初のマイル戦となったヴィクトリアマイルも勝ちに等しい3着に健闘。続く新潟記念も上がり3ハロン32秒4を計時しての勝利と充実一途で、牡馬相手でも楽しみがある。

その他ヴィクトリアマイル2着馬クイーンズウォーク、秋古馬三冠で現役を退くことが決まっている古豪ジャスティンパレス、プーシャン騎手との新コンビが発表された菊花賞馬アーバンシックなど、各世代からタレントが集結。締まったペースでのピュアな力勝負が期待できる。
重賞AI予想公開中

天皇賞(秋)(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1コスモキュランダ牡458津村明秀
2アーバンシック牡458A.プーシャン
3ジャスティンパレス牡658団野大成
4ソールオリエンス牡558丹内祐次
5タスティエーラ牡558D.レーン
6ブレイディヴェーグ牝556戸崎圭太
7マスカレードボール牡356C.ルメール
8ホウオウビスケッツ牡558岩田康誠
9ミュージアムマイル牡356C.デムーロ
10エコロヴァルツ牡458三浦皇成
11シランケド牝556横山武史
12セイウンハーデス牡658菅原明良
13メイショウタバル牡458武豊
14クイーンズウォーク牝456川田将雅

前哨戦・重賞結果

2025.06.15 阪神11R 芝2200m 17頭 晴 稍重
宝塚記念

1着 メイショウタバル (7人気)
2着 ベラジオオペラ (1人気)
3着 ジャスティンパレス (10人気)
2025宝塚記念_メイショウタバル

2025.08.17 札幌11R 芝2000m 16頭 曇 稍重
札幌記念

1着 トップナイフ (10人気)
2着 ココナッツブラウン (2人気)
3着 アラタ (13人気)
2025札幌記念_トップナイフ

2025.08.31 新潟11R 芝2000m 17頭 晴 良
新潟記念

1着 シランケド (2人気)
2着 エネルジコ (1人気)
3着 ディープモンスター (7人気)
2025新潟記念_トシランケド

2025.09.15 中山11R 芝2200m 12頭 曇 良
セントライト記念

1着 ミュージアムマイル (1人気)
2着 ヤマニンブークリエ (8人気)
3着 レッドバンデ (2人気)
2025セントライト記念_ミュージアムマイル

2025.09.21 中山11R 芝2200m 11頭 曇 良
オールカマー1着優先出走

1着 レガレイラ (1人気)
2着 ドゥラドーレス (2人気)
3着 ヨーホーレイク (4人気)
2025オールカマー_レガレイラ

2025.10.05 東京11R 芝1800m 11頭 曇 良
毎日王冠1着優先出走

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
コスモキュランダ52010/29(水)美浦502
アーバンシック52910/30(木)美浦512
ジャスティンパレス48010/30(木)栗東470
ソールオリエンス48210/30(木)美浦468
タスティエーラ51310/29(水)美浦498
ブレイディヴェーグ47810/29(水)美浦476
マスカレードボール47010/30(木)美浦466
ホウオウビスケッツ51810/30(木)美浦508
ミュージアムマイル51010/29(水)栗東500
エコロヴァルツ49810/29(水)栗東486
シランケド52010/29(水)栗東514
セイウンハーデス48810/30(木)栗東482
メイショウタバル51410/29(水)栗東504
クイーンズウォーク54510/29(水)栗東536
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

特別登録 日本馬のレーティング順位

レーティング順位の上位5頭は他の日本馬より優先して出走できます。

順位馬名レーティング備考
1タスティエーラ120
2メイショウタバル120
3ミュージアムマイル119
4ジャスティンパレス119
5マスカレードボール118
6クイーンズウォーク113牝馬
7ホウオウビスケッツ117
8アーバンシック117
9ロードデルレイ116
10シランケド111牝馬
11ブレイディヴェーグ111牝馬
12エコロヴァルツ114
13コスモキュランダ114
14セイウンハーデス111
15ソールオリエンス111
  • 10/20(月)JRA発表。
    10/28(火)までに他のレースに出走した場合、レーティング順位は変更となる場合があります。詳細については、JRAのHPをご確認ください。

天皇賞(秋)プレレーティング

馬名2025年度
レーティング
最高値
2025年
レーティング該当レース
アーバンシック115 L日経賞3着
エコロヴァルツ114 M,I中山記念2着
大阪杯4着
クイーンズウォーク113 I金鯱賞1着
コスモキュランダ114 LアメリカJCC3着
ジャスティンパレス115 L宝塚記念3着
シランケド111 MヴィクトリアM3着
セイウンハーデス111 MエプソムC1着
ソールオリエンス111 L宝塚記念6着
タスティエーラ120 IQエリザベス2世C1着
ブレイディヴェーグ111 M安田記念4着
ホウオウビスケッツ116 I金鯱賞2着
マスカレードボール118 L東京優駿2着
ミュージアムマイル119 I皐月賞1着
メイショウタバル120 L宝塚記念1着
ロードデルレイ116 I,L日経新春杯1着
大阪杯2着

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)を掲載しています。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
(4)レーティングに付随するアルファベット(SMILE)は、そのレーティングを獲得したレースの競走距離を示すもので、区分は以下のとおりです。
S 【Sprint】 1,000m-1,300m [1,000m-1,599m(CAN/USA)]
M 【Mile】 1,301m-1,899m [1,600m-1,899m(CAN/USA)]
I 【Intermediate】 1,900m-2,100m
L 【Long】 2,101m-2,700m
E 【Extended】 2,701m-
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

天皇賞(秋)(G1)歴代優勝馬

2024.10.27 東京11R 芝2000m 15頭 曇 良
天皇賞(秋)

ドウデュース
単勝 3.8倍 (2人気)
1:57.3 (32.5)
武豊騎手
牡5 栗東・友道康夫厩舎
2024天皇賞(秋)_ドウデュース

2023.10.29 東京11R 芝2000m 11頭 晴 良
天皇賞(秋)

イクイノックス
単勝 1.3倍 (1人気)
R1:55.2 (34.2)
C.ルメール騎手
牡4 美浦・木村哲也厩舎
2023天皇賞(秋)_イクイノックス

2022.10.30 東京11R 芝2000m 15頭 晴 良
天皇賞(秋)

イクイノックス
単勝 2.6倍 (1人気)
1:57.5 (32.7)
C.ルメール騎手
牡3 美浦・木村哲也厩舎
2022天皇賞(秋)_イクイノックス

2021.10.31 東京11R 芝2000m 16頭 曇 良
天皇賞(秋)

エフフォーリア
単勝 3.4倍 (3人気)
1:57.9 (33.2)
横山武史騎手
牡3 美浦・鹿戸雄一厩舎
2021天皇賞(秋)_エフフォーリア

2020.11.01 東京11R 芝2000m 12頭 曇 良
天皇賞(秋)

アーモンドアイ
単勝 1.4倍 (1人気)
1:57.8 (33.1)
C.ルメール騎手
牝5 美浦・国枝栄厩舎
2020天皇賞(秋)_アーモンドアイ

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ0-1-3-60.0%10.0%40.0%
先行5-2-1-3212.5%17.5%20.0%
差し4-5-2-447.3%16.4%20.0%
追込1-2-4-362.3%7.0%16.3%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気7-1-0-270.0%80.0%80.0%
2番人気2-1-2-520.0%30.0%50.0%
3番人気1-1-1-710.0%20.0%30.0%
4番人気0-1-1-80.0%10.0%20.0%
5番人気0-1-0-90.0%10.0%10.0%
6-9番人気0-4-5-310.0%10.0%22.5%
10番人気以下0-1-1-560.0%1.7%3.4%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠1-2-0-117.1%21.4%21.4%
2枠0-1-0-160.0%5.9%5.9%
3枠1-1-2-135.9%11.8%23.5%
4枠5-0-1-1227.8%27.8%33.3%
5枠1-2-2-145.3%15.8%26.3%
6枠1-2-1-155.3%15.8%21.1%
7枠1-2-2-174.5%13.6%22.7%
8枠0-0-2-200.0%0.0%9.1%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着3-3-2-2010.7%21.4%28.6%
2着4-1-3-1319.0%23.8%38.1%
3着1-2-2-174.5%13.6%22.7%
4着0-0-1-120.0%0.0%7.7%
5着0-0-2-80.0%0.0%20.0%
6-9着2-2-0-335.4%10.8%10.8%
10着以下0-2-0-150.0%11.8%11.8%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
日本ダービー2-0-1-240.0%40.0%60.0%
安田記念2-2-1-325.0%50.0%62.5%
宝塚記念3-2-2-1215.8%26.3%36.8%
札幌記念1-2-1-174.8%14.3%19.0%
オールカマー1-0-0-156.3%6.3%6.3%
京都大賞典1-0-0-109.1%9.1%9.1%
毎日王冠0-1-5-330.0%2.6%15.4%
その他0-3-0-260.0%10.3%10.3%

年齢

年齢成績勝率連対率3着内率
3歳馬2-0-1-720.0%20.0%30.0%
4歳馬3-7-5-346.1%20.4%30.6%
5歳馬5-3-4-3510.6%17.0%25.5%
6歳馬0-0-0-260.0%0.0%0.0%
7歳上0-0-0-160.0%0.0%0.0%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬7-3-5-4112.5%17.9%26.8%
関西馬3-7-5-773.3%10.9%16.3%

性別

性別成績勝率連対率3着内率
牡馬・セン馬8-10-7-1086.0%13.5%18.8%
牝馬2-0-3-1013.3%13.3%33.3%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール5-0-1-450.0%50.0%60.0%
2武豊2-0-0-528.6%28.6%28.6%
3横山武史1-1-0-133.3%66.7%66.7%
4ムーア1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
4浜中俊1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6福永祐一0-2-0-50.0%28.6%28.6%
6M.デムーロ0-2-0-50.0%28.6%28.6%
8川田将雅0-1-4-40.0%11.1%55.6%
9戸崎圭太0-1-1-50.0%14.3%28.6%
10松山弘平0-1-0-30.0%25.0%25.0%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1国枝栄2-0-0-166.7%66.7%66.7%
1木村哲也2-0-0-166.7%66.7%66.7%
3堀宣行1-2-1-88.3%25.0%33.3%
4藤沢和雄1-0-1-514.3%14.3%28.6%
5友道康夫1-0-0-118.3%8.3%8.3%
6池江泰寿1-0-0-712.5%12.5%12.5%
7清水久詞1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7鹿戸雄一1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9矢作芳人0-3-0-20.0%60.0%60.0%
10藤原英昭0-1-1-30.0%20.0%40.0%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1シルクR4-0-0-266.7%66.7%66.7%
2キャロット2-2-1-716.7%33.3%41.7%
3金子真人HD1-0-0-127.7%7.7%7.7%
4キーファーズ1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5吉田和美1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5大野商事1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7サンデーR0-2-3-60.0%18.2%45.5%
8ダノックス0-1-1-40.0%16.7%33.3%
9前田晋二0-1-0-20.0%33.3%33.3%
10三木正浩0-1-0-10.0%50.0%50.0%
10G1レーシング0-1-0-10.0%50.0%50.0%
10サトミホースC0-1-0-10.0%50.0%50.0%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF8-6-6-4612.1%21.2%30.3%
2ヤナガワ牧場1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
2戸川牧場1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
4ノースヒルズ0-1-0-40.0%20.0%20.0%
5ケイアイF0-1-0-20.0%33.3%33.3%
5追分F0-1-0-20.0%33.3%33.3%
7木村秀則0-1-0-00.0%100.0%100.0%
8社台F0-0-1-130.0%0.0%7.1%
9社台C白老F0-0-1-40.0%0.0%20.0%
10下河辺牧場0-0-1-20.0%0.0%33.3%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ロードカナロア2-1-0-525.0%37.5%37.5%
2キングカメハメハ2-0-0-1214.3%14.3%14.3%
3キタサンブラック2-0-0-250.0%50.0%50.0%
4ハーツクライ1-0-1-117.7%7.7%15.4%
5スクリーンヒーロー1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6ブラックタイド1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6エピファネイア1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8ディープインパクト0-7-3-400.0%14.0%20.0%
9Marju0-1-0-20.0%33.3%33.3%
10サトノクラウン0-1-0-00.0%100.0%100.0%

※過去10年の天皇賞(秋)集計

レースガイド

■歴史と伝統を誇る古馬の国内最高峰レース

1905年(明治38年)5月6日に創設された「エンペラーズカップ」(横浜・日本レースクラブ)を前身とする。翌1906年からは東京、阪神、福島、札幌、函館、小倉の各競馬倶楽部で「帝室御賞典競走」の名称で施行されていた。1936年(昭和11年)に「日本競馬会」(JRAの前身)が創設され、翌1937年にそれぞれの競馬倶楽部が「日本競馬会」へ統合されたことにより年2回(春・阪神、秋・東京)の開催となった。なお同年12月3日の「第1回帝室御賞典競走」(東京・芝2600m)から施行回数が起算されている。

距離・出走条件に関しては、1938年の第2回(春)に芝2700m(3歳以上)に変更されて、第3回(秋)から芝3200m(4歳以上)となり、1944年に(春)の競走が京都競馬場へ変更となった。以後、長年この条件で施行されてきたが、1984年の番組改編に伴い(秋)の施行距離が2000mに短縮、更に1987年からは3歳以上に変更された。これにより、(春)は古馬による長距離No.1決定戦、(秋)は3歳以上馬の中距離No.1決定戦とする現在の体系が確立された。

レース名に関しては、第二次世界大戦の影響により中止となった1944年(秋)~46年(秋)の翌年(春)に「平和賞」に変更されて再開し、同年(秋)から現在の名称である「天皇賞」に改名された。なお、(春)は1957~89年の間、昭和天皇誕生日(4月29日)にて施行されており、レースの格があまりに偉大であることから、優勝馬はその名を汚さないように、以後の出走が制限されていた(いわゆる勝ち抜き制、1981年廃止)。

天皇賞(秋)の距離が短縮された1984年にグレード制導入によりG1に格付けされた後、1995年には地方所属馬が出走可能に。クラシック競走同様に優秀な繁殖馬の選定レースの意味合いが強かった為、内国産の牡馬・牝馬にしか出走資格が与えられなかったが、競馬の国際化に伴い、2000年からは外国産馬の出走が可能となり、2005年には国際G1競走に認定された。なお、国際競走として広く外国馬を受け入れる意味でも2008年からセン馬の出走も可能となっている。

また、「エンペラーズカップ」や「帝室御賞典競走」の名からもわかるとおり、当時の明治天皇より御賞典(菊花御紋付銀製花盛器)が下賜されてきた。しかし戦時中の貴金属不足により、以後1941年からは菊花御紋入りの木製楯に変更された。天皇賞を通称「盾」と呼ぶのはこの天皇盾に由来しており、春・秋合計で11勝を誇る武豊騎手が「平成の盾男」と呼ばれるのもこの為である。

京都の3200mで争われるステイヤー決定戦の天皇賞(春)に対し、上述の通り天皇賞(秋)は中距離の東京2000mにて行われる。しかし、この東京の2000mはスタート直後に第2コーナーを向かえ、外枠不利のコースと言われておりこれまでに物議を醸してきた。「競馬の神様」と呼ばれた大川慶次郎氏は「大レースは枠順による有利不利が起こらない条件で行うべき。2000メートルで施行するなら中山競馬場にすべきだ。」との発言を残している。それを示すかのように1991年第104回では、外枠発走だった圧倒的1番人気のメジロマックイーンがスタート直後に内側に斜行し、結果1位入線も18着に降着した。これは日本競馬史上、初の重賞1着馬の降着であり当時の大きな話題となったことは有名である。なお、2003年の東京競馬場コース改修によりスタート直後のカーブが緩やかになり、影響は少なくなったと言われている。

そのような中、この舞台で誕生した名馬やエピソードも多い。皇帝シンボリルドルフを差し切った後の安田記念馬ギャロップダイナ、「白い稲妻」タマモクロス、女帝エアグルーヴ、獲得賞金王テイエムオペラオー、連覇を果たしたシンボリクリスエス、ダービー馬ウオッカなど、過去には数々の時の名馬が名を連ねる。また、1998年第118回で悲運の最後を遂げた逃亡者サイレンススズカは、強烈にファンの心に残っているだろう。