2025年オークス(G1)特集

東京11R/芝2400m/(国際)牝(指)
2024オークス_チェルヴィニア

出走予定注目馬

阪神JFを制した昨年の2歳女王。直行で挑んだ桜花賞では後方待機から直線鋭く伸び、上がり3ハロン最速となる33秒9をマークしてエンブロイダリーの僅差2着に好走した。母ラクアミは現役時代短距離路線を主戦場とした馬だが、本馬は重馬場の札幌2歳SでNHKマイルC2着マジックサンズに迫った実績があり、2400mへの距離延長もこなすだろう。

クイーンCで衝撃の1分32秒2を記録し、返す刀で挑んだ桜花賞では中団から堅実な末脚を披露してアルマヴェローチェの猛追を振り切って一冠目をつかんだ。アドマイヤマーズ産駒かつ1400m戦を経験した馬だけに一気の4ハロン延長は人気馬の中で最もシビアな条件替わりになりそうで、鞍上には乗り方の工夫が求められる。

キタサンブラック産駒の本格派。年明け初戦のきさらぎ賞ではサトノシャイニングにこそ千切られたものの、のちのチャーチルダウンズC勝ち馬ランスオブカオスを下して2着を確保し、桜花賞では道中最後方から3着まで押し上げた。半兄には昨年の青葉賞で僅差3着だったデュアルウィルダー(父Yoshida)がおり、距離は全く問題ない。上位評価が妥当。

牝3 栗東・友道康夫 厩舎
カムニャック

マイルの重賞戦線を沸かせているキープカルムの半妹ながら、こちらは父がブラックタイドに替わったことで中長距離にシフト。中京芝2000mの新馬戦を鮮やかに制して以降、アルテミスS、エルフィンSでは1600mの流れに乗り切れず弾けなかったが、待望の大箱左回り中距離に戻ったフローラSでは7番人気の低評価を覆して上昇初制覇を決めた。高速傾向のある府中ながら1分58秒6の時計も優秀で、楽しみがある。

フェアリーSは素質馬ティラトーレに0秒5差をつけ、中山芝1600m戦としてはハイレベルな1分32秒8でタイトルを獲得。強い内容から桜花賞では1番人気の支持を受けたが、前に壁を作れず逃げる形となって5着、しかし先行勢が軒並みつぶれる中で掲示板確保は地力の証明だろう。距離延長に良績のあるエピファネイア産駒で、マークが薄くなった今回が要警戒。

その他フラワーCを早め先頭から押し切ったレーゼドラマ、同レースで凄まじい末脚を見せて2着だったパラディレーヌ、阪神JF2着馬ビップデイジー、スイートピーS覇者ルージュソリテールなどが参戦予定。3歳牝馬には過酷なチャンピオンコースで行われる一戦、体力負けせず最後まで脚を使える馬を狙いたいところ。

オークス(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1アルマヴェローチェ牝355岩田望来
2レーヴドロペラ牝355大野拓弥
3パラディレーヌ牝355丹内祐次
4アイサンサン牝355北村宏司
5リンクスティップ牝355M.デムーロ
6ビップデイジー牝355幸英明
7レーゼドラマ牝355坂井瑠星
8サタデーサンライズ牝355田辺裕信
9エンブロイダリー牝355C.ルメール
10タイセイプランセス牝355石橋脩
11ウィルサヴァイブ牝355団野大成
12ブラウンラチェット牝355D.レーン
13タガノアビー牝355藤岡佑介
14サヴォンリンナ牝355北村友一
15カムニャック牝355A.シュタルケ
16ゴーソーファー牝355津村明秀
17ケリフレッドアスク牝355M.ディー
18エリカエクスプレス牝355戸崎圭太

トライアル他結果

2025.03.22 中山11R 芝1800m 16頭 晴 良
フラワーC

1着 レーゼドラマ (5人気)
2着 パラディレーヌ (1人気)
3着 ゴーソーファー (4人気)
2025フラワーC_レーゼドラマ

2025.04.13 阪神9R 芝2000m 8頭 雨 稍重
忘れな草賞L

1着 サヴォンリンナ (3人気)
2着 サタデーサンライズ (5人気)
3着 ノクターン (1人気)
2025忘れな草賞_サヴォンリンナ

2025.04.13 阪神11R 芝1600m 18頭 雨 稍重
桜花賞5着以内優先出走

1着 エンブロイダリー (3人気)
2着 アルマヴェローチェ (2人気)
3着 リンクスティップ (4人気)
4着 マピュース (9人気)
5着 エリカエクスプレス (1人気)
2025桜花賞_エンブロイダリー

2025.04.27 東京11R 芝2000m 18頭 晴 良
フローラS2着以内優先出走

1着 カムニャック (7人気)
2着 ヴァルキリーバース (1人気)
3着 タイセイプランセス (18人気)
2025フローラS_カムニャック

2025.05.03 東京10R 芝1800m 13頭 晴 良
スイートピーSL1着優先出走

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
アルマヴェローチェ4965/22(木)栗東496
レーヴドロペラ4545/21(水)美浦446
パラディレーヌ4985/21(水)栗東498
アイサンサン4525/22(木)栗東446
リンクスティップ4785/22(木)栗東472
ビップデイジー4365/22(木)栗東440
レーゼドラマ4665/22(木)栗東464
サタデーサンライズ4425/22(木)栗東440
エンブロイダリー4875/22(木)美浦482
タイセイプランセス4135/21(水)美浦406
ウィルサヴァイブ4365/22(木)栗東430
ブラウンラチェット4405/22(木)美浦444
タガノアビー4965/21(水)栗東496
サヴォンリンナ4485/21(水)栗東444
カムニャック4825/22(木)栗東470
ゴーソーファー4595/22(木)美浦458
ケリフレッドアスク4465/22(木)栗東438
エリカエクスプレス4585/21(水)栗東456
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

オークスプレレーティング

馬名2024年度
JPN
ランキング
2025年度
レーティング
最高値
2025年
レーティング該当レース
(2024年該当レース)
アイサンサン
アルマヴェローチェ113113 M桜花賞2着
(阪神JF1着)
ウィルサヴァイブ
エストゥペンダ102 IフローラS4着
エリカエクスプレス107 MフェアリーS1着
エンブロイダリー114 M桜花賞1着
カムニャック106 IフローラS1着
ケリフレッドアスク100 MスイートピーS3着
ゴーソーファー101 MフラワーC3着
サヴォンリンナ103 I忘れな草賞1着
サタデーサンライズ100 I忘れな草賞2着
タイセイプランセス103 IフローラS3着
タガノアビー
パラディレーヌ102 MフラワーC2着
ビップデイジー110106 Mチューリップ賞3着
(阪神JF2着)
ブラウンラチェット108(アルテミスS1着)
リンクスティップ108 M桜花賞3着
ルージュソリテール103 MスイートピーS1着
レーヴドロペラ101(芙蓉S2着)
レーゼドラマ107 MフラワーC1着

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)と、昨年度のJPNサラブレッドランキングの数値を掲載しています。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
(4)レーティングに付随するアルファベット(SMILE)は、そのレーティングを獲得したレースの競走距離を示すもので、区分は以下のとおりです。
S 【Sprint】 1,000m-1,300m [1,000m-1,599m(CAN/USA)]
M 【Mile】 1,301m-1,899m [1,600m-1,899m(CAN/USA)]
I 【Intermediate】 1,900m-2,100m
L 【Long】 2,101m-2,700m
E 【Extended】 2,701m-
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

オークス(G1)歴代優勝馬

2024.05.19 東京11R 芝2400m 18頭 曇 良
オークス

チェルヴィニア
単勝 4.6倍 (2人気)
2:24.0 (34.0)
C.ルメール騎手
牝3 美浦・木村哲也厩舎
2024オークス_チェルヴィニア

2023.05.21 東京11R 芝2400m 18頭 晴 良
オークス

リバティアイランド
単勝 1.4倍 (1人気)
2:23.1 (34.0)
川田将雅騎手
牝3 栗東・中内田充正厩舎
2023オークス_リバティアイランド

2022.05.22 東京11R 芝2400m 18頭 晴 良
オークス

スターズオンアース
単勝 6.5倍 (3人気)
2:23.9 (33.7)
C.ルメール騎手
牝3 美浦・高柳瑞樹厩舎
2022オークス_スターズオンアース

2021.05.23 東京11R 芝2400m 18頭 晴 良
オークス

ユーバーレーベン
単勝 8.9倍 (3人気)
2:24.5 (34.4)
M.デムーロ騎手
牝3 美浦・手塚貴久厩舎
2021オークス_ユーバーレーベン

2020.05.24 東京11R 芝2400m 18頭 晴 良
オークス

デアリングタクト
単勝 1.6倍 (1人気)
2:24.4 (33.1)
松山弘平騎手
牝3 栗東・杉山晴紀厩舎
2020オークス_デアリングタクト

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ0-0-0-100.0%0.0%0.0%
先行1-5-1-292.8%16.7%19.4%
差し7-4-7-648.5%13.4%22.0%
追込2-1-2-444.1%6.1%10.2%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気6-2-0-260.0%80.0%80.0%
2番人気1-3-3-310.0%40.0%70.0%
3番人気3-0-1-630.0%30.0%40.0%
4番人気0-1-1-80.0%10.0%20.0%
5番人気0-0-1-90.0%0.0%10.0%
6-9番人気0-2-1-370.0%5.0%7.5%
10番人気以下0-2-3-820.0%2.3%5.7%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠1-3-2-145.0%20.0%30.0%
2枠2-0-0-1611.1%11.1%11.1%
3枠1-0-0-185.3%5.3%5.3%
4枠0-2-3-150.0%10.0%25.0%
5枠2-1-0-1710.0%15.0%15.0%
6枠1-1-0-185.0%10.0%10.0%
7枠2-2-3-236.7%13.3%23.3%
8枠1-1-2-263.3%6.7%13.3%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着6-6-2-4210.7%21.4%25.0%
2着1-0-2-194.5%4.5%13.6%
3着2-1-2-1013.3%20.0%33.3%
4着0-2-0-90.0%18.2%18.2%
5着0-0-1-120.0%0.0%7.7%
6-9着0-1-0-290.0%3.3%3.3%
10着以下1-0-3-263.3%3.3%13.3%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
フラワーC0-1-0-80.0%11.1%11.1%
忘れな草賞2-0-1-916.7%16.7%25.0%
桜花賞7-5-7-638.5%14.6%23.2%
フローラS1-3-1-362.4%9.8%12.2%
スイートピーS0-1-0-100.0%9.1%9.1%
その他0-0-1-210.0%0.0%4.5%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬5-6-1-626.8%14.9%16.2%
関西馬5-4-9-854.9%8.7%17.5%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール4-2-0-344.4%66.7%66.7%
2M.デムーロ2-0-2-620.0%20.0%40.0%
3川田将雅1-1-0-711.1%22.2%22.2%
4池添謙一1-0-1-320.0%20.0%40.0%
5松山弘平1-0-0-325.0%25.0%25.0%
6浜中俊1-0-0-150.0%50.0%50.0%
7戸崎圭太0-3-0-60.0%33.3%33.3%
8和田竜二0-1-1-30.0%20.0%40.0%
9横山典弘0-1-0-40.0%20.0%20.0%
10レーン0-1-0-30.0%25.0%25.0%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1国枝栄1-3-0-412.5%50.0%50.0%
2手塚貴久1-1-0-320.0%40.0%40.0%
2藤沢和雄1-1-0-320.0%40.0%40.0%
4中内田充正1-0-0-614.3%14.3%14.3%
5矢作芳人1-0-0-420.0%20.0%20.0%
5木村哲也1-0-0-420.0%20.0%20.0%
7池江泰寿1-0-0-150.0%50.0%50.0%
8高柳瑞樹1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8杉山晴紀1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8石坂正1-0-0-0100.0%100.0%100.0%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1サンデーR2-3-2-714.3%35.7%50.0%
2社台RH2-0-0-1115.4%15.4%15.4%
3キャロット1-1-2-116.7%13.3%26.7%
4シルクR1-0-0-614.3%14.3%14.3%
5ラフィアン1-0-0-420.0%20.0%20.0%
6野田みづき1-0-0-150.0%50.0%50.0%
7ノルマンディー1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7DMM1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9ウイン0-1-1-40.0%16.7%33.3%
10金子真人HD0-1-0-40.0%20.0%20.0%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF6-7-6-459.4%20.3%29.7%
2社台F2-1-0-218.3%12.5%12.5%
3ビッグレッドF1-0-0-420.0%20.0%20.0%
4長谷川牧場1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5コスモヴューF0-1-1-30.0%20.0%40.0%
6目黒牧場0-1-0-00.0%100.0%100.0%
7レイクヴィラF0-0-1-10.0%0.0%50.0%
7村下明博0-0-1-10.0%0.0%50.0%
9グランデF0-0-1-00.0%0.0%100.0%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ディープインパクト3-2-2-288.6%14.3%20.0%
2ドゥラメンテ2-0-1-428.6%28.6%42.9%
3ハービンジャー1-1-1-89.1%18.2%27.3%
4エピファネイア1-1-0-320.0%40.0%40.0%
5ゴールドシップ1-0-1-320.0%20.0%40.0%
6ロードカナロア1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6Frankel1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8キングカメハメハ0-2-0-90.0%18.2%18.2%
9ハーツクライ0-1-1-160.0%5.6%11.1%
10ルーラーシップ0-1-0-70.0%12.5%12.5%

※過去10年のオークス集計

レースガイド

■3歳牝馬のクラシック競走第二弾!

繁殖馬選定レースとしての意味合いを持つイギリスのクラシック競走の中で、3歳牝馬限定戦のオークスステークス(エプソム・12ハロン10ヤード)を模範として1938年に「阪神優駿牝馬」(芝2700m)の名で創設された。1940~42年の間は芝2450mで施行され、1943年に芝2400mに変更、1946年に東京競馬場へ開催を移すと同時にレース名を「優駿牝馬」に改称し、現在までの伝統が作られた。なお、1965年より副称として「オークス」が加えられており、競馬ファンの間ではこちらの名称の方が馴染み深いと言える。

牝馬クラシック第一弾である桜花賞と同じく、1984年グレード制施行によりG1に格付けされ、1995年に地方馬、2003年からは外国産馬の出走が可能となり、2010年に国際G1競走に認定された。桜花賞の優勝馬を「桜の女王」と呼ぶのに対し、オークスの優勝馬は俗に「樫の女王」と呼ばれる。本場イギリスでは創設者である第12代ダービー卿が、樫の森の領地にて夫人の為に3歳牝馬限定のレースを1779年に開催し「オークス」と名づけたとされており、わが国でもレース名であるOaksの直訳の「樫の木」から「樫の女王」と呼ぶようになった。

過去に本競走と桜花賞を制し、牝馬クラシック二冠馬となった馬は12頭を数える(1986年メジロラモーヌ、1993年ベガ、2003年スティルインラブ、2009年ブエナビスタ、2010年アパパネ、2012年ジェンティルドンナ、2018年アーモンドアイなど)。さらに、1995年まで秋の3歳牝馬限定で施行されていたエリザベス女王杯、1996年から新たに創設された秋華賞とあわせて牝馬三冠を達成した馬は、メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクト、リバティアイランドの7頭であり、牡馬三冠(過去7頭)と同じく達成は難しいと言える。

また、本競走も繁殖馬選定レースの名の通りに、歴代優勝馬は脈々とその血を受け継いできた名牝が名を連ねる。1983年優勝馬のダイナカールは本競走および天皇賞(秋)などを制した女帝エアグルーヴの母であり、母娘2代でのオークス制覇はあまりにも有名。そのエアグルーヴもアドマイヤグルーヴ(エリザベス女王杯)やルーラーシップ(クイーンエリザベス2世カップ)などの活躍馬を輩出し、その血を後世に残している。近年では2005年の優勝馬シーザリオがアメリカンオークスを制し日米オークス馬となり、2014年ジャパンカップを制したエピファネイアを生んでいる。

競馬には様々なファクターが存在するが、ことクラシックレースに関しては、このように血統面だけ見ても楽しみは尽きず、本競走も目が離せない一戦なのである。