2024年天皇賞(秋)(G1)特集

東京11R/芝2000m/(国際)(指)
2023天皇賞(秋)_イクイノックス

出走予定注目馬

昨年の牝馬三冠馬。今季初戦となったドバイシーマクラシックでは、スローの逃げを打ったレベルスロマンスのレースプランにハマり、後方から猛然と追い込むも3着、キャリア8戦目にして初めて連対を外した。右前脚の種子骨靭帯炎症で夏をじっくりと休養に充て、仕切り直しの秋初戦となる。

牡5 栗東・友道康夫 厩舎
ドウデュース

昨年の有馬記念覇者。内で詰まってレースが終わったドバイターフ、道悪に苦しめられて本来の脚を使えなかった宝塚記念と、今季2戦はともに不完全燃焼での敗戦を喫している。その後は凱旋門賞の不出走を表明し、引退の花道を飾るべく秋古馬三冠へ照準を合わせてきた。府中への相性はむろん抜群、一戦一戦必勝の構えで挑む。

天皇賞(春)を制して伝統の盾を勝ち取ったステイヤー。昨年の同レースは2着に好走も、ジャックドールが演出したハイペースを前で受け、先行勢を軒並み潰したイクイノックスのレース運びで漁夫の利を受けた面があった。本質的に東京芝2000mがドンピシャではない点は覚えておきたい。

母父にトウカイテイオーの名がみえる4歳牡馬。香港ヴァーズ、新潟大賞典の思わぬ大敗でリズムを崩したが、エプソムカップ、オールカマーの重賞連勝ですぐさま立て直してきたあたりは陣営の腕を感じる。雄大なフットワークはいかにも府中向きで、初の国内G1挑戦でも楽しみはある。

現4歳世代最強の一角。大阪杯で見せた操縦性、宝塚記念で見せた極端な馬場への対応力、どのような条件にも対応する懐の深さは特筆ものだ。位置取りでほぼノーチャンスだったダービーでは上がり3ハロン33秒0の豪脚で4着とキレる末脚も兼備、ここも大崩れはないだろう。

その他宝塚記念で久々に結果を出したソールオリエンス、捲土重来を期すダービー馬タスティエーラ、ドバイターフ3着馬ダノンベルーガ、札幌記念を勝ったノースブリッジなど伏兵勢も多士済々。3歳馬の参戦は立ち消えになったが、十分に興趣ある一戦が予想される。

天皇賞(秋)(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1ベラジオオペラ牡458横山和生
2マテンロウスカイセ558横山典弘
3ステラヴェローチェ牡658佐々木大輔
4タスティエーラ牡458松山弘平
5ノースブリッジ牡658岩田康誠
6ソールオリエンス牡458横山武史
7ドウデュース牡558武豊
8キングズパレス牡558A.シュタルケ
9ホウオウビスケッツ牡458岩田望来
10ダノンベルーガ牡558C.デムーロ
11ジャスティンパレス牡558坂井瑠星
12リバティアイランド牝456川田将雅
13シルトホルン牡458大野拓弥
14レーベンスティール牡458C.ルメール
15ニシノレヴナントセ458田辺裕信

前哨戦・重賞結果

2024.06.23 京都11R 芝2200m 13頭 曇 重
宝塚記念

1着 ブローザホーン (3人気)
2着 ソールオリエンス (7人気)
3着 ベラジオオペラ (5人気)
2024宝塚記念_ブローザホーン

2024.08.18 札幌11R 芝2000m 12頭 晴 良
札幌記念

1着 ノースブリッジ (5人気)
2着 ジオグリフ (3人気)
3着 ステラヴェローチェ (4人気)
2024札幌記念_ノースブリッジ

2024.09.22 中山11R 芝2200m 15頭 曇 良
オールカマー1着優先出走

1着 レーベンスティール (1人気)
2着 アウスヴァール (10人気)
3着 リカンカブール (12人気)
2024オールカマー_レーベンスティール

2024.10.06 東京11R 芝1800m 14頭 曇 良
毎日王冠1着優先出走

1着 シックスペンス (1人気)
2着 ホウオウビスケッツ (4人気)
3着 エルトンバローズ (5人気)
2024毎日王冠_シックスペンス

2024.10.06 京都11R 芝2400m 11頭 晴 良
京都大賞典1着優先出走

1着 シュヴァリエローズ (8人気)
2着 ディープボンド (4人気)
3着 メイショウブレゲ (11人気)
2024京都大賞典_シュヴァリエローズ

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
ベラジオオペラ52810/24(木)栗東518
マテンロウスカイ48610/24(木)栗東474
ステラヴェローチェ52010/24(木)栗東508
タスティエーラ50410/23(水)美浦488
ノースブリッジ51410/24(木)美浦502
ソールオリエンス47410/24(木)美浦460
ドウデュース52210/24(木)栗東508
キングズパレス51210/23(水)美浦494
ホウオウビスケッツ51510/24(木)美浦502
ダノンベルーガ50210/23(水)美浦海外
ジャスティンパレス47210/23(水)栗東472
リバティアイランド49610/23(水)栗東海外
シルトホルン47610/24(木)美浦464
レーベンスティール49410/23(水)美浦484
ニシノレヴナント49210/24(木)美浦490
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

特別登録 日本馬のレーティング順位

レーティング順位の上位5頭は他の日本馬より優先して出走できます。

順位馬名レーティング備考
1リバティアイランド121牝馬
2ドウデュース124
3ジャスティンパレス121
4ダノンベルーガ119
5タスティエーラ118
6ベラジオオペラ117
7ソールオリエンス117
8ノースブリッジ116
9レーベンスティール115
10ステラヴェローチェ115
11ホウオウビスケッツ114
12マテンロウスカイ114
  • 10/15(火)JRA発表。
    10/22(火)までに他のレースに出走した場合、レーティング順位は変更となる場合があります。詳細については、JRAのHPをご確認ください。

天皇賞(秋)プレレーティング

馬名2024年度
レーティング
最高値
2024年
レーティング該当レース
キングズパレス108 I新潟記念3着
サトノエルドール101 IオクトーバーS3着
ジャスティンパレス118 Lドバイシーマ4着
シルトホルン105 MメイS3着
ステラヴェローチェ115 I大阪杯4着
ソールオリエンス117 L宝塚記念2着
タスティエーラ
ダノンベルーガ118 Mドバイターフ3着
ドウデュース115 Mドバイターフ5着
ニシノレヴナント
ノースブリッジ116 I札幌記念1着
ベラジオオペラ117 I大阪杯1着
ホウオウビスケッツ114 I函館記念1着
マテンロウスカイ114 M中山記念1着
リバティアイランド115 Lドバイシーマ3着
リフレーミング108 I小倉記念1着
レーベンスティール115 MエプソムC1着

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)を掲載しています。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
(4)レーティングに付随するアルファベット(SMILE)は、そのレーティングを獲得したレースの競走距離を示すもので、区分は以下のとおりです。
S 【Sprint】 1,000m-1,300m [1,000m-1,599m(CAN/USA)]
M 【Mile】 1,301m-1,899m [1,600m-1,899m(CAN/USA)]
I 【Intermediate】 1,900m-2,100m
L 【Long】 2,101m-2,700m
E 【Extended】 2,701m-
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

天皇賞(秋)(G1)歴代優勝馬

2023.10.29 東京11R 芝2000m 11頭 晴 良
天皇賞(秋)

イクイノックス
単勝 1.3倍 (1人気)
R1:55.2 (34.2)
C.ルメール騎手
牡4 美浦・木村哲也厩舎
2023天皇賞(秋)_イクイノックス

2022.10.30 東京11R 芝2000m 15頭 晴 良
天皇賞(秋)

イクイノックス
単勝 2.6倍 (1人気)
1:57.5 (32.7)
C.ルメール騎手
牡3 美浦・木村哲也厩舎
2022天皇賞(秋)_イクイノックス

2021.10.31 東京11R 芝2000m 16頭 曇 良
天皇賞(秋)

エフフォーリア
単勝 3.4倍 (3人気)
1:57.9 (33.2)
横山武史騎手
牡3 美浦・鹿戸雄一厩舎
2021天皇賞(秋)_エフフォーリア

2020.11.01 東京11R 芝2000m 12頭 曇 良
天皇賞(秋)

アーモンドアイ
単勝 1.4倍 (1人気)
1:57.8 (33.1)
C.ルメール騎手
牝5 美浦・国枝栄厩舎
2020天皇賞(秋)_アーモンドアイ

2019.10.27 東京11R 芝2000m 16頭 晴 良
天皇賞(秋)

アーモンドアイ
単勝 1.6倍 (1人気)
1:56.2 (33.8)
C.ルメール騎手
牝4 美浦・国枝栄厩舎
2019天皇賞(秋)_アーモンドアイ

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ0-1-2-70.0%10.0%30.0%
先行5-3-2-3012.5%20.0%25.0%
差し5-4-2-488.5%15.3%18.6%
追込0-2-4-360.0%4.8%14.3%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気7-1-1-170.0%80.0%90.0%
2番人気1-2-2-510.0%30.0%50.0%
3番人気1-1-1-710.0%20.0%30.0%
4番人気0-1-1-80.0%10.0%20.0%
5番人気1-1-0-810.0%20.0%20.0%
6-9番人気0-3-4-330.0%7.5%17.5%
10番人気以下0-1-1-590.0%1.6%3.3%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠1-3-0-116.7%26.7%26.7%
2枠1-1-0-155.9%11.8%11.8%
3枠1-0-2-145.9%5.9%17.6%
4枠4-0-1-1322.2%22.2%27.8%
5枠1-2-1-155.3%15.8%21.1%
6枠1-2-1-155.3%15.8%21.1%
7枠1-2-3-174.3%13.0%26.1%
8枠0-0-2-210.0%0.0%8.7%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着3-3-3-2110.0%20.0%30.0%
2着4-1-2-1221.1%26.3%36.8%
3着2-2-2-1310.5%21.1%31.6%
4着0-0-1-170.0%0.0%5.6%
5着0-0-2-80.0%0.0%20.0%
6-9着1-2-0-322.9%8.6%8.6%
10着以下0-2-0-180.0%10.0%10.0%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
日本ダービー2-0-1-240.0%40.0%60.0%
安田記念2-2-1-325.0%50.0%62.5%
宝塚記念2-3-2-1111.1%27.8%38.9%
札幌記念1-2-1-174.8%14.3%19.0%
オールカマー1-0-0-175.6%5.6%5.6%
京都大賞典1-0-0-118.3%8.3%8.3%
毎日王冠1-1-4-342.5%5.0%15.0%
その他0-2-1-260.0%6.9%10.3%

年齢

年齢成績勝率連対率3着内率
3歳馬2-0-2-718.2%18.2%36.4%
4歳馬3-6-4-316.8%20.5%29.5%
5歳馬5-4-4-3610.2%18.4%26.5%
6歳馬0-0-0-260.0%0.0%0.0%
7歳上0-0-0-210.0%0.0%0.0%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬8-2-5-3914.8%18.5%27.8%
関西馬2-8-5-822.1%10.3%15.5%

性別

性別成績勝率連対率3着内率
牡馬・セン馬8-9-7-1115.9%12.6%17.8%
牝馬2-1-3-1012.5%18.8%37.5%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール5-0-2-350.0%50.0%70.0%
2横山武史1-1-0-050.0%100.0%100.0%
3武豊1-0-0-614.3%14.3%14.3%
4北村宏司1-0-0-233.3%33.3%33.3%
5浜中俊1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6ムーア1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7戸崎圭太0-2-1-50.0%25.0%37.5%
8福永祐一0-2-0-60.0%25.0%25.0%
9M.デムーロ0-2-0-50.0%28.6%28.6%
10川田将雅0-1-4-40.0%11.1%55.6%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1藤沢和雄2-0-1-622.2%22.2%33.3%
2国枝栄2-0-0-166.7%66.7%66.7%
2木村哲也2-0-0-166.7%66.7%66.7%
4堀宣行1-1-1-89.1%18.2%27.3%
5池江泰寿1-0-0-910.0%10.0%10.0%
6清水久詞1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6鹿戸雄一1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8矢作芳人0-3-0-20.0%60.0%60.0%
9藤原英昭0-1-1-30.0%20.0%40.0%
10中内田充正0-1-1-10.0%33.3%66.7%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1シルクR4-0-0-266.7%66.7%66.7%
2キャロット2-1-1-816.7%25.0%33.3%
3金子真人HD1-0-0-137.1%7.1%7.1%
4山本英俊1-0-0-420.0%20.0%20.0%
5吉田和美1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6大野商事1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7サンデーR0-3-3-60.0%25.0%50.0%
8ダノックス0-1-1-30.0%20.0%40.0%
9前田晋二0-1-0-30.0%25.0%25.0%
10G1レーシング0-1-0-10.0%50.0%50.0%
10サトミホースC0-1-0-10.0%50.0%50.0%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF7-6-6-4610.8%20.0%29.2%
2社台F1-0-1-127.1%7.1%14.3%
3ヤナガワ牧場1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
3戸川牧場1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5ノースヒルズ0-1-0-40.0%20.0%20.0%
6追分F0-1-0-30.0%25.0%25.0%
7ケイアイF0-1-0-20.0%33.3%33.3%
8木村秀則0-1-0-00.0%100.0%100.0%
9社台C白老F0-0-2-50.0%0.0%28.6%
10下河辺牧場0-0-1-20.0%0.0%33.3%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ロードカナロア2-1-0-428.6%42.9%42.9%
2キングカメハメハ2-0-0-1214.3%14.3%14.3%
3キタサンブラック2-0-0-166.7%66.7%66.7%
4ディープインパクト1-8-3-431.8%16.4%21.8%
5エピファネイア1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5スクリーンヒーロー1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5ブラックタイド1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8Marju0-1-0-20.0%33.3%33.3%
9フジキセキ0-0-2-00.0%0.0%100.0%
10ハーツクライ0-0-1-100.0%0.0%9.1%

※過去10年の天皇賞(秋)集計

レースガイド

■歴史と伝統を誇る古馬の国内最高峰レース

1905年(明治38年)5月6日に創設された「エンペラーズカップ」(横浜・日本レースクラブ)を前身とする。翌1906年からは東京、阪神、福島、札幌、函館、小倉の各競馬倶楽部で「帝室御賞典競走」の名称で施行されていた。1936年(昭和11年)に「日本競馬会」(JRAの前身)が創設され、翌1937年にそれぞれの競馬倶楽部が「日本競馬会」へ統合されたことにより年2回(春・阪神、秋・東京)の開催となった。なお同年12月3日の「第1回帝室御賞典競走」(東京・芝2600m)から施行回数が起算されている。

距離・出走条件に関しては、1938年の第2回(春)に芝2700m(3歳以上)に変更されて、第3回(秋)から芝3200m(4歳以上)となり、1944年に(春)の競走が京都競馬場へ変更となった。以後、長年この条件で施行されてきたが、1984年の番組改編に伴い(秋)の施行距離が2000mに短縮、更に1987年からは3歳以上に変更された。これにより、(春)は古馬による長距離No.1決定戦、(秋)は3歳以上馬の中距離No.1決定戦とする現在の体系が確立された。

レース名に関しては、第二次世界大戦の影響により中止となった1944年(秋)~46年(秋)の翌年(春)に「平和賞」に変更されて再開し、同年(秋)から現在の名称である「天皇賞」に改名された。なお、(春)は1957~89年の間、昭和天皇誕生日(4月29日)にて施行されており、レースの格があまりに偉大であることから、優勝馬はその名を汚さないように、以後の出走が制限されていた(いわゆる勝ち抜き制、1981年廃止)。

天皇賞(秋)の距離が短縮された1984年にグレード制導入によりG1に格付けされた後、1995年には地方所属馬が出走可能に。クラシック競走同様に優秀な繁殖馬の選定レースの意味合いが強かった為、内国産の牡馬・牝馬にしか出走資格が与えられなかったが、競馬の国際化に伴い、2000年からは外国産馬の出走が可能となり、2005年には国際G1競走に認定された。なお、国際競走として広く外国馬を受け入れる意味でも2008年からセン馬の出走も可能となっている。

また、「エンペラーズカップ」や「帝室御賞典競走」の名からもわかるとおり、当時の明治天皇より御賞典(菊花御紋付銀製花盛器)が下賜されてきた。しかし戦時中の貴金属不足により、以後1941年からは菊花御紋入りの木製楯に変更された。天皇賞を通称「盾」と呼ぶのはこの天皇盾に由来しており、春・秋合計で11勝を誇る武豊騎手が「平成の盾男」と呼ばれるのもこの為である。

京都の3200mで争われるステイヤー決定戦の天皇賞(春)に対し、上述の通り天皇賞(秋)は中距離の東京2000mにて行われる。しかし、この東京の2000mはスタート直後に第2コーナーを向かえ、外枠不利のコースと言われておりこれまでに物議を醸してきた。「競馬の神様」と呼ばれた大川慶次郎氏は「大レースは枠順による有利不利が起こらない条件で行うべき。2000メートルで施行するなら中山競馬場にすべきだ。」との発言を残している。それを示すかのように1991年第104回では、外枠発走だった圧倒的1番人気のメジロマックイーンがスタート直後に内側に斜行し、結果1位入線も18着に降着した。これは日本競馬史上、初の重賞1着馬の降着であり当時の大きな話題となったことは有名である。なお、2003年の東京競馬場コース改修によりスタート直後のカーブが緩やかになり、影響は少なくなったと言われている。

そのような中、この舞台で誕生した名馬やエピソードも多い。皇帝シンボリルドルフを差し切った後の安田記念馬ギャロップダイナ、「白い稲妻」タマモクロス、女帝エアグルーヴ、獲得賞金王テイエムオペラオー、連覇を果たしたシンボリクリスエス、ダービー馬ウオッカなど、過去には数々の時の名馬が名を連ねる。また、1998年第118回で悲運の最後を遂げた逃亡者サイレンススズカは、強烈にファンの心に残っているだろう。