2024年日本ダービー(G1)特集

東京11R/芝2400m/(国際) 牡・牝 (指)
2023日本ダービー_タスティエーラ

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出走予定注目馬

皐月賞までスローの展開からの切れ味勝負で勝ち上がってきた馬が、一冠目のハイラップを先行して制したことを重くとらえたい。ダービーで求められる末脚は既に共同通信杯で証明しているだけに無敗二冠へ向け評価を下げる材料がなく、戸崎圭太騎手にとってはダービー初制覇へ最大のチャンスといえる。

アルアイン産駒の出世頭。自ら動いていける機動力を武器に弥生賞を制し、皐月賞では中段待機からジャスティンミラノにクビ差まで迫った。中山でのパフォーマンスが優れていただけに東京替わりは若干のマイナスだろうが、能力は一級品。初のG1タイトルをつかんで世代の頂点に立てるか。

牝3 美浦・木村哲也 厩舎
レガレイラ

牝馬ながら阪神JFをスキップし、ホープフルSに挑戦して勝ち切った女傑候補。引き続き牡馬路線を選択した皐月賞では1番人気の支持を受けたものの6着に敗戦、しかし上がり3F33秒9を使って届かなければ仕方ない。ここでもオークスを選ばずこちらに駒を進め、今年のクラシックを盛り上げる。何とか結果で報われてほしい。

セレクトセールで4億9500万円の値がついたモーリス×モシーンの超良血。弥生賞は+18キロの影響があったか、勝負所で動ききれずの9着も、前走のプリンシパルSではまさに余裕綽々といったレースぶりでダービーへの切符をつかんだ。血統的に2400mは強気になれないが、展開がハマれば。

牡3 美浦・武井亮 厩舎
アーバンシック

3代母ウインドインハーヘアからつながる由緒正しい牝系に、ハービンジャーのタフネスとスワーヴリチャードのキレを受け継いだ逸材。皐月賞では横山武史騎手が100点に近い騎乗で4着、上がり3F33秒9はレガレイラと並び最速タイムだった。父の無念を晴らす格好の舞台、末脚の爆発を期待したい。

その他ホープフルS2着で皐月賞5着馬シンエンペラー、青葉賞を勝ったキタサンブラックの弟・シュガークン、同2着で権利を得たショウナンラプンタ、スプリングS覇者シックスペンス、京都新聞杯を勝ったジューンテイクらがエントリー。競馬の祭典、3歳クラシック世代最強馬を決める2分20秒が今年もやってくる。

日本ダービー(G1)出馬表

枠順は5月23日(木) 14時すぎに確定。

トライアル他結果

2024.04.14 中山11R 芝2000m 18頭 晴 良
皐月賞5着以内優先出走

1着 ジャスティンミラノ (2人気)
2着 コスモキュランダ (7人気)
3着 ジャンタルマンタル (3人気)
4着 アーバンシック (6人気)
5着 シンエンペラー (5人気)
2024皐月賞_ジャスティンミラノ

2024.04.27 東京11R 芝2400m 17頭 曇 良
青葉賞2着以内優先出走

1着 シュガークン (2人気)
2着 ショウナンラプンタ (7人気)
3着 デュアルウィルダー (4人気)
2024青葉賞_シュガークン

2024.05.04 東京11R 芝2000m 13頭 晴 良
プリンシパルSL1着優先出走

1着 ダノンエアズロック (1人気)
2着 メリオーレム (4人気)
3着 アスクカムオンモア (7人気)
2024プリンシパルS_ダノンエアズロッ

2024.05.04 京都11R 芝2200m 15頭 晴 良
京都新聞杯

1着 ジューンテイク (8人気)
2着 ウエストナウ (5人気)
3着 ヴェローチェエラ (2人気)
2024京都新聞杯_ジューンテイク

出走予定馬の「調教後の馬体重」

レース開催週の木曜日17時~発表予定。

日本ダービープレレーティング

馬名2023年度
JPN
ランキング
2024年度
レーティング
最高値
2024年
レーティング該当レース
(2023年該当レース)
アーバンシック114 I皐月賞4着
エコロヴァルツ112(朝日杯FS2着)
コスモキュランダ118 I皐月賞2着
ゴンバデカーブース112112 MNHKマイルC4着
(サウジRC1着)
サトノエピック108 I(D)ユニコーンS2着
サンライズアース108 LすみれS1着
サンライズジパング109109 I若駒S1着
(ホープフルS3着)
シックスペンス113 MスプリングS1着
ジャスティンミラノ119 I皐月賞1着
シュガークン112 L青葉賞1着
ジューンテイク111110 L京都新聞杯1着
(朝日杯FS4着)
ショウナンラプンタ106111 L青葉賞2着
(東スポ2歳S4着)
シンエンペラー113113 I皐月賞5着
(ホープフルS2着)
ダノンエアズロック108110 IプリンシパルS1着
(アイビーS1着)
ダノンデサイル109111 I京成杯1着
(京都2歳S4着)
ビザンチンドリーム109 Mきさらぎ賞1着
ミスタージーティー108108 I若葉S1着
(ホープフルS5着)
メイショウタバル113 M毎日杯1着
レガレイラ113109 I皐月賞6着
(ホープフルS1着)

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)と、昨年度のJPNサラブレッドランキングの数値を掲載しています。なお、(D)はダート競走のレーティングです。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
(4)レーティングに付随するアルファベット(SMILE)は、そのレーティングを獲得したレースの競走距離を示すもので、区分は以下のとおりです。
S 【Sprint】 1,000m-1,300m [1,000m-1,599m(CAN/USA)]
M 【Mile】 1,301m-1,899m [1,600m-1,899m(CAN/USA)]
I 【Intermediate】 1,900m-2,100m
L 【Long】 2,101m-2,700m
E 【Extended】 2,701m-
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

日本ダービー(G1)歴代優勝馬

2023.05.28 東京11R 芝2400m 18頭 晴 良
日本ダービー

タスティエーラ
単勝 8.3倍 (4人気)
2:25.2 (33.5)
D.レーン騎手
牡3 美浦・堀宣行厩舎
2022日本ダービー_タスティエーラ

2022.05.29 東京11R 芝2400m 18頭 晴 良
日本ダービー

ドウデュース
単勝 4.2倍 (3人気)
2:21.9 (33.7)
武豊騎手
牡3 栗東・友道康夫厩舎
2022日本ダービー_ドウデュース

2021.05.30 東京11R 芝2400m 17頭 晴 良
日本ダービー

シャフリヤール
単勝 11.7倍 (4人気)
2:22.5 (33.4)
福永祐一騎手
牡3 栗東・藤原英昭厩舎
2021日本ダービー_シャフリヤール

2020.05.31 東京11R 芝2400m 18頭 曇 良
日本ダービー

コントレイル
単勝 1.4倍 (1人気)
2:24.1 (34.0)
福永祐一騎手
牡3 栗東・矢作芳人厩舎
2020日本ダービー_コントレイル

2019.05.26 東京11R 芝2400m 18頭 晴 良
日本ダービー

ロジャーバローズ
単勝 93.1倍 (12人気)
2:22.6 (35.1)
浜中俊騎手
牡3 栗東・角居勝彦厩舎
2019日本ダービー_ロジャーバローズ

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ0-1-0-90.0%10.0%10.0%
先行5-2-2-2713.9%19.4%25.0%
差し4-6-7-714.5%11.4%19.3%
追込1-1-1-392.4%4.8%7.1%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気2-3-2-320.0%50.0%70.0%
2番人気1-3-1-510.0%40.0%50.0%
3番人気3-2-1-430.0%50.0%60.0%
4番人気2-1-0-720.0%30.0%30.0%
5番人気1-1-0-810.0%20.0%20.0%
6-9番人気0-0-3-370.0%0.0%7.5%
10番人気以下1-0-3-841.1%1.1%4.5%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠2-2-1-1510.0%20.0%25.0%
2枠1-1-2-165.0%10.0%20.0%
3枠1-1-1-175.0%10.0%15.0%
4枠0-2-1-160.0%10.5%15.8%
5枠1-0-0-195.0%5.0%5.0%
6枠2-2-3-1310.0%20.0%35.0%
7枠2-1-1-256.9%10.3%13.8%
8枠1-1-1-273.3%6.7%10.0%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着3-5-3-356.5%17.4%23.9%
2着3-2-2-288.6%14.3%20.0%
3着1-2-1-88.3%25.0%33.3%
4着1-0-0-910.0%10.0%10.0%
5着1-0-1-711.1%11.1%22.2%
6-9着1-1-3-292.9%5.9%14.7%
10着以下0-0-0-320.0%0.0%0.0%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
皐月賞8-9-6-708.6%18.3%24.7%
青葉賞0-0-3-190.0%0.0%13.6%
京都新聞杯1-1-0-185.0%10.0%10.0%
プリンシパルS0-0-1-80.0%0.0%11.1%
NHKマイルC0-0-0-150.0%0.0%0.0%
その他1-0-0-185.3%5.3%5.3%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬3-6-6-514.5%13.6%22.7%
関西馬7-4-4-976.3%9.8%13.4%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1福永祐一3-0-0-633.3%33.3%33.3%
2ルメール1-2-1-412.5%37.5%50.0%
3レーン1-1-0-225.0%50.0%50.0%
4川田将雅1-0-1-810.0%10.0%20.0%
5M.デムーロ1-0-1-711.1%11.1%22.2%
6武豊1-0-0-910.0%10.0%10.0%
7横山典弘1-0-0-811.1%11.1%11.1%
8浜中俊1-0-0-516.7%16.7%16.7%
9戸崎圭太0-2-0-50.0%28.6%28.6%
10横山武史0-2-0-20.0%50.0%50.0%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1友道康夫3-0-0-827.3%27.3%27.3%
2堀宣行2-1-1-425.0%37.5%50.0%
3藤原英昭1-1-0-225.0%50.0%50.0%
4矢作芳人1-0-0-420.0%20.0%20.0%
5角居勝彦1-0-0-325.0%25.0%25.0%
6藤沢和雄1-0-0-233.3%33.3%33.3%
7橋口弘次郎1-0-0-150.0%50.0%50.0%
8池江泰寿0-2-1-120.0%13.3%20.0%
9木村哲也0-1-0-50.0%16.7%16.7%
10手塚貴久0-1-0-20.0%33.3%33.3%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1キャロット2-1-0-916.7%25.0%25.0%
2サンデーR2-0-2-1212.5%12.5%25.0%
3金子真人HD2-0-1-720.0%20.0%30.0%
4前田幸治1-0-0-420.0%20.0%20.0%
5前田晋二1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5キーファーズ1-0-0-150.0%50.0%50.0%
7猪熊広次1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8里見治0-2-1-20.0%40.0%60.0%
9シルクR0-2-0-40.0%33.3%33.3%
10社台RH0-2-0-10.0%66.7%66.7%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF7-6-6-648.4%15.7%22.9%
2ノースヒルズ2-0-0-166.7%66.7%66.7%
3飛野牧場1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
4社台F0-1-1-170.0%5.3%10.5%
5社台C白老F0-1-0-30.0%25.0%25.0%
6三嶋牧場0-1-0-20.0%33.3%33.3%
7田上徹0-1-0-00.0%100.0%100.0%
8ハシモトF0-0-1-00.0%0.0%100.0%
8競優牧場0-0-1-00.0%0.0%100.0%
8服部牧場0-0-1-00.0%0.0%100.0%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ディープインパクト5-3-3-2912.5%20.0%27.5%
2ハーツクライ2-2-1-1311.1%22.2%27.8%
3キングカメハメハ2-0-1-1114.3%14.3%21.4%
4サトノクラウン1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5キタサンブラック0-2-0-10.0%66.7%66.7%
6オルフェーヴル0-1-0-30.0%25.0%25.0%
7エピファネイア0-1-0-00.0%100.0%100.0%
7フジキセキ0-1-0-00.0%100.0%100.0%
9ブラックタイド0-0-1-30.0%0.0%25.0%
10ジャスタウェイ0-0-1-10.0%0.0%50.0%

※過去10年の日本ダービー集計

レースガイド

■全てのホースマンの夢!クラシック最高峰レース!

繁殖馬選定レースとしての意味合いを持つイギリスのクラシック競走の中で、3歳牡馬・牝馬限定戦のダービーステークス(エプソム・12ハロン10ヤード)を模範として1932年に「東京優駿大競走」(芝2400m・目黒競馬場)の名で創設。日本のクラシック競走の中で一番初めに施行されたレースであり、歴史・伝統が最も深い。後の1939年創設「横浜農林省賞典四歳呼馬(現在の皐月賞)」および1938年創設「京都農林省賞典四歳呼馬(現在の菊花賞)」と併せて日本のクラシック三冠が形成された。

1934年第3回より開催を東京競馬場へ移し、1938年には名称を「東京優駿競走」に変更。その後、さらにレース名・負担重量がそれぞれ何度か変更され、1950年に現在の名称である「東京優駿」となり、同時に副称として「日本ダービー」が追加された。

1984年グレード制施行によりG1に格付けされ、1995年に地方馬、2001年からは外国産馬の出走が可能となり、2010年に国際G1競走に認定。現在は外国産馬・海外調教馬をあわせて最大9頭まで出走可能である。三冠レースの格言では皐月賞の「速い馬」、菊花賞の「強い馬」に対し、日本ダービーは「最も運のある馬が勝つ」と言われている。過去には出走頭数が30頭を超えたことがあり、勝利のためには第1コーナー10番手以内(通称ダービーポジション)が必須とされた。その時代には全てにおいて「運」が最も重要とされていたが、フルゲート18頭になってからは、多頭数による不利などが減少しており、現在は菊花賞に替わり「全てにおいて最も強い馬が勝つ」と言っても差し支えないだろう。

また、本競走は別名『競馬の祭典』とも呼ばれ、これは日本競馬に関わる全ての人々にとって最も特別なレースであることを表している。ダービーを制することが競馬サークルでは最高の名誉とされ、特に勝利した騎手は「ダービージョッキー」、調教師は「ダービートレーナー」、馬主は「ダービーオーナー」と呼ばれて賞賛を受ける。

それ故ダービーにまつわる名言は数多い。1977年当時無敗の外国産馬マルゼンスキーは持込馬のため出走制限があり、主戦の中野渡清一騎手は「枠順は大外で構わない。他馬の邪魔は一切しない。賞金もいらない。この馬の能力を確かめるだけでいい。」とダービー出走を懇願した。1993年にウイニングチケットで本競走を制した柴田政人騎手は、喜びをまず誰に伝えたいかと問われ「世界のホースマンに第60回の日本ダービーを獲った柴田ですと報告したい。」と語っており、その重みが伝わってくる。1997年に11番人気で皐月賞を制したサニーブライアンにはレース前にフロックであるとの声が上っていたが、その中で主戦の大西直宏騎手は「一番人気はいらない。一着が欲しい。」と発言をしており、並々ならぬダービーへの執念を見せた(結果二冠を達成している)。

血統を紡ぐという点からは「ダービー馬はダービー馬から」との言葉も良く知られている。過去1984年父シンボリルドルフ・1991年仔トウカイテイオーの親仔制覇はあまりに有名である。近年では、2002年父タニノギムレット<・2007年娘ウオッカ、2003年父ネオユニヴァース・2009年仔ロジユニヴァース、2005年父ディープインパクト・2012年仔ディープブリランテ・2013年仔キズナの例などが挙げられる。特に2007年のウオッカに関しては、64年ぶりの牝馬によるダービー制覇の偉業であり、当日レースを台覧した皇太子徳仁親王に対し、馬上から脱帽し最敬礼をした四位洋文騎手の姿は多くの競馬ファンの目に焼き付いている。

なお、クラシック第1弾の皐月賞および本競走を制し、後の三冠馬となった馬は日本競馬史上で僅かに8頭である(1941年セントライト、1964年シンザン、1983年ミスターシービー、1984年シンボリルドルフ、1994年ナリタブライアン、2005年ディープインパクト、2011年オルフェーヴル、2020年コントレイル)。