2025年菊花賞(G1)特集

京都11R/芝3000m/(国際) 牡・牝 (指)
2024菊花賞_アーバンシック

出走予定注目馬

牡3 美浦・高柳瑞樹 厩舎
エネルジコ

父は二冠馬ドゥラメンテ、母はドイツオークス馬エノラと明確にクラシックディスタンスを意識した血統構成で、類まれな爆発力を武器に新馬戦、セントポーリア賞、青葉賞と3連勝。日本ダービーは態勢整わず見送ったものの、新潟記念では古馬相手に2着と結果を出した。ここまでのキャリア4戦はいずれも左回りで、初の右回りと一気の5ハロン延長に対応できれば。

牡3 栗東・中内田充正 厩舎舎
エリキング

緩さを残しながら新馬戦、野路菊ステークス、京都2歳ステークスを制し、骨折の影響でぶっつけとなった皐月賞は11着に大敗したが、日本ダービーでは後方勢が極めて厳しい馬場ながら追い込んで5着と掲示板入り。秋初戦となった神戸新聞杯では上がり3ハロン32秒3の豪脚でショウヘイを撫で切った。春二冠の悔しさを晴らすビッグタイトルが欲しいところ。

牡3 栗東・友道康夫 厩舎
ショウヘイ

2歳12月の未勝利戦で見どころのあるラップをマークして勝ち上がりを決め、東上最終便・京都新聞杯を勝ってダービー出走、本番では1枠2番の絶好枠を利したルメール騎手の好騎乗でクロワデュノール、マスカレードボールに続く3着に好走した。神戸新聞杯はかかる面が響いて最後に差されての2着に終わり、3000mの長丁場に向けて折り合いが最大のカギとなる。

牡3 栗東・杉山晴紀 厩舎
ジョバンニ

2歳7月の小倉新馬が出色の内容で、エリキングの後塵を2度拝して迎えたホープフルSではクロワデュノールの2着に好走。神戸新聞杯3着は最初の1000m通過タイムが62秒6、ラスト3ハロンのレースラップが33秒1とドスロー瞬発力勝負で後れを取ったもので、操縦性がモノをいう体力勝負の展開になれば前2頭との逆転も十分あり得る。決着はまだついていない。

牡3 美浦・国枝栄 厩舎
アマキヒ

三冠牝馬アパパネの7番子。新馬戦勝利から挑んだホープフルSはG1の壁に跳ね返される形で17着と大敗したが、中山の1勝クラスを勝ち、前走では阿賀野川特別を快勝して3勝目を挙げた。近年の菊花賞では新潟芝2200mの条件戦経由で結果を残す馬が多く(ヘデントール、ドゥレッツァ、ユーキャンスマイル、ポポカテペトルなど)、好走の十分条件は満たしている。

その他東のトライアル・セントライト記念で権利獲りに成功したヤマニンブークリエレッドバンデ、ラジオNIKKEI賞覇者エキサイトバイオ、中山の2勝クラスを大楽勝したマイユニバースらがエントリー。皐月賞馬、ダービー馬がともに不在、伏兵勢も多士済々とあって”乱菊”の予感がする。
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菊花賞(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1コーチェラバレー牡357西村淳也
2アマキヒ牡357戸崎圭太
3ライトトラック牡357和田竜二
4ヤマニンブークリエ牡357横山典弘
5ジョバンニ牡357松山弘平
6ミラージュナイト牡357藤岡佑介
7ショウヘイ牡357岩田望来
8レクスノヴァス牡357横山和生
9エネルジコ牡357C.ルメール
10ジーティーアダマン牡357北村友一
11マイユニバース牡357武豊
12ゲルチュタール牡357坂井瑠星
13アロンディ牡357団野大成
14エキサイトバイオ牡357荻野極
15エリキング牡357川田将雅
16ラーシャローム牡357岩田康誠
17レイヤードレッド牡357嶋田純次
18レッドバンデ牡357佐々木大輔

トライアル他結果

2025.06.01 東京11R 芝2400m 18頭 晴 良
日本ダービー

1着 クロワデュノール (1人気)
2着 マスカレードボール (3人気)
3着 ショウヘイ (6人気)
2025日本ダービー_クロワデュノール

2025.09.15 中山11R 芝2200m 12頭 曇 良
セントライト記念3着以内優先出走

1着 ミュージアムマイル (1人気)
2着 ヤマニンブークリエ (8人気)
3着 レッドバンデ (2人気)
2025セントライト記念_ミュージアムマイル

2025.09.21 阪神11R 芝2400m 10頭 曇 良
神戸新聞杯3着以内優先出走

1着 エリキング (2人気)
2着 ショウヘイ (1人気)
3着 ジョバンニ (3人気)
2025神戸新聞杯_エリキング

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
コーチェラバレー44610/23(木)栗東442
アマキヒ49210/23(木)美浦492
ライトトラック47810/23(木)栗東478
ヤマニンブークリエ53210/23(木)栗東516
ジョバンニ48210/22(水)栗東476
ミラージュナイト50010/23(木)栗東486
ショウヘイ47410/23(木)栗東464
レクスノヴァス48810/23(木)栗東490
エネルジコ46010/23(木)栗東468
ジーティーアダマン50410/23(木)栗東492
マイユニバース48010/22(水)栗東466
ゲルチュタール53010/22(水)栗東516
アロンディ45610/23(木)栗東452
エキサイトバイオ49010/23(木)栗東472
エリキング51210/22(水)栗東510
ラーシャローム49010/23(木)美浦478
レイヤードレッド48510/23(木)美浦476
レッドバンデ49610/22(水)美浦486
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

菊花賞プレレーティング

馬名2025年度
レーティング
最高値
2025年
レーティング該当レース
アマキヒ
アロンディ
エキサイトバイオ101 MラジオNIKKEI賞1着
エコロディノス
エネルジコ114 I新潟記念2着
エリキング116 L神戸新聞杯1着
キングスコール108 MスプリングS3着
ゲルチュタール112 L青葉賞3着
コーチェラバレー
ショウヘイ116 L東京優駿3着
ジョバンニ114 I皐月賞4着
ジーティーアダマン109 LすみれS1着
マイユニバース
ミラージュナイト107 I,L若駒S3着
すみれS2着
ヤマニンブークリエ113 Lセントライト記念2着
ライトトラック104 M白百合S1着
ラーシャローム
レイヤードレッド
レクスノヴァス
レッドバンデ113 Lセントライト記念3着

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)を掲載しています。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
(4)レーティングに付随するアルファベット(SMILE)は、そのレーティングを獲得したレースの競走距離を示すもので、区分は以下のとおりです。
S 【Sprint】 1,000m-1,300m [1,000m-1,599m(CAN/USA)]
M 【Mile】 1,301m-1,899m [1,600m-1,899m(CAN/USA)]
I 【Intermediate】 1,900m-2,100m
L 【Long】 2,101m-2,700m
E 【Extended】 2,701m-
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

菊花賞(G1)歴代優勝馬

2024.10.20 京都11R 芝3000m 18頭 晴 良
菊花賞

アーバンシック
単勝 3.7倍 (2人気)
3:04.1 (35.6)
C.ルメール騎手
牡3 美浦・武井亮厩舎
2024菊花賞_アーバンシック

2023.10.22 京都11R 芝3000m 17頭 晴 良
菊花賞

ドゥレッツァ
単勝 7.3倍 (4人気)
3:03.1 (34.6)
C.ルメール騎手
牡3 美浦・尾関知人厩舎
2023菊花賞_ドゥレッツァ

2022.10.23 阪神11R 芝3000m 18頭 晴 良
菊花賞

アスクビクターモア
単勝 4.1倍 (2人気)
R3:02.4 (36.9)
田辺裕信騎手
牡3 美浦・田村康仁厩舎
2022菊花賞_アスクビクターモア

2021.10.24 阪神11R 芝3000m 18頭 曇 良
菊花賞

タイトルホルダー
単勝 8.0倍 (4人気)
3:04.6 (35.1)
横山武史騎手
牡3 美浦・栗田徹厩舎
2021菊花賞_タイトルホルダー

2020.10.25 京都11R 芝3000m 18頭 晴 良
菊花賞

コントレイル
単勝 1.1倍 (1人気)
3:05.5 (35.2)
福永祐一騎手
牡3 栗東・矢作芳人厩舎
2020菊花賞_コントレイル

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ2-0-0-1115.4%15.4%15.4%
先行3-3-5-317.1%14.3%26.2%
差し5-7-4-596.7%16.0%21.3%
追込0-0-1-480.0%0.0%2.0%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気3-0-3-430.0%30.0%60.0%
2番人気2-3-0-520.0%50.0%50.0%
3番人気1-1-0-810.0%20.0%20.0%
4番人気2-2-1-520.0%40.0%50.0%
5番人気1-0-1-810.0%10.0%20.0%
6-9番人気1-3-3-332.5%10.0%17.5%
10番人気以下0-1-2-860.0%1.1%3.4%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠0-0-0-200.0%0.0%0.0%
2枠4-2-0-1420.0%30.0%30.0%
3枠1-0-0-195.0%5.0%5.0%
4枠0-1-1-180.0%5.0%10.0%
5枠0-2-1-170.0%10.0%15.0%
6枠1-2-1-165.0%15.0%20.0%
7枠3-1-4-2110.3%13.8%27.6%
8枠1-2-3-243.3%10.0%20.0%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着5-3-6-497.9%12.7%22.2%
2着3-3-3-1413.0%26.1%39.1%
3着1-3-0-165.0%20.0%20.0%
4着0-0-0-90.0%0.0%0.0%
5着0-0-1-130.0%0.0%7.1%
6-9着0-1-0-290.0%3.3%3.3%
10着以下1-0-0-195.0%5.0%5.0%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
日本ダービー0-1-0-20.0%33.3%33.3%
日本海S1-1-0-133.3%66.7%66.7%
阿賀野川特別0-0-2-40.0%0.0%33.3%
札幌記念0-1-0-30.0%25.0%25.0%
新潟記念0-0-0-40.0%0.0%0.0%
セントライト記念4-3-2-359.1%15.9%20.5%
九十九里特別0-0-0-50.0%0.0%0.0%
神戸新聞杯4-3-4-526.3%11.1%17.5%
その他1-1-2-432.1%4.3%8.5%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬5-3-2-488.6%13.8%17.2%
関西馬5-7-8-1014.1%9.9%16.5%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール4-2-1-244.4%66.7%77.8%
2福永祐一1-3-1-312.5%50.0%62.5%
3M.デムーロ1-1-0-711.1%22.2%22.2%
4武豊1-0-3-511.1%11.1%44.4%
5横山武史1-0-1-133.3%33.3%66.7%
6田辺裕信1-0-0-712.5%12.5%12.5%
7北村宏司1-0-0-325.0%25.0%25.0%
8戸崎圭太0-1-1-30.0%20.0%40.0%
9藤岡佑介0-1-0-50.0%16.7%16.7%
10吉田隼人0-1-0-10.0%50.0%50.0%
10モレイラ0-1-0-10.0%50.0%50.0%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1友道康夫1-1-3-87.7%15.4%38.5%
2池江泰寿1-1-0-810.0%20.0%20.0%
3矢作芳人1-1-0-612.5%25.0%25.0%
4手塚貴久1-0-1-133.3%33.3%66.7%
5尾関知人1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5田村康仁1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5武井亮1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5角居勝彦1-0-0-150.0%50.0%50.0%
9清水久詞1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9栗田徹1-0-0-0100.0%100.0%100.0%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1キャロット1-3-1-510.0%40.0%50.0%
2サンデーR1-1-0-117.7%15.4%15.4%
3シルクR1-0-0-712.5%12.5%12.5%
4里見治1-0-0-420.0%20.0%20.0%
5廣崎利洋HD1-0-0-233.3%33.3%33.3%
6前田晋二<1-0-0-150.0%50.0%50.0%
7山田弘1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7大塚亮一1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7石川達絵1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7大野商事1-0-0-0100.0%100.0%100.0%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF5-8-8-526.8%17.8%28.8%
2社台F1-1-2-145.6%11.1%22.2%
3ノースヒルズ1-0-0-325.0%25.0%25.0%
4岡田スタツド1-0-0-233.3%33.3%33.3%
4下河辺牧場1-0-0-233.3%33.3%33.3%
6ヤナガワ牧場1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7平山牧場0-1-0-00.0%100.0%100.0%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ディープインパクト5-2-3-1619.2%26.9%38.5%
2ドゥラメンテ2-0-0-528.6%28.6%28.6%
3ルーラーシップ1-1-0-612.5%25.0%25.0%
4ブラックタイド1-0-0-420.0%20.0%20.0%
5スワーヴリチャード1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6エピファネイア0-2-1-50.0%25.0%37.5%
7ステイゴールド0-2-0-90.0%18.2%18.2%
8スクリーンヒーロー0-1-0-20.0%33.3%33.3%
9ディープスカイ0-1-0-10.0%50.0%50.0%
10サトノクラウン0-1-0-00.0%100.0%100.0%

※過去10年の菊花賞集計

レースガイド

■全馬が未知の長距離レース!三冠最終戦!

繁殖馬選定レースとしての意味合いを持つイギリスのクラシック競走の中で、3歳牡馬・牝馬限定戦のセントレジャーステークス(ドンカスター・1マイル6ハロン132ヤード)を模範として1938年に「京都農林省賞典四歳呼馬」(京都・芝3000m)の名で創設された。1932年創設「東京優駿大競走(現在の日本ダービー)」と1939年創設「横浜農林省賞典四歳呼馬(現在の皐月賞)」と併せて日本のクラシック三冠が形成された。1948年第9回より名称を現在の「菊花賞」に変更。その後、1979年の京都競馬場のスタンド改修により阪神で開催された第40回を除き、全て京都の芝3000mで施行されている伝統の3歳長距離レースである。

1984年グレード制施行によりG1に格付、1995年に指定交流競走となり地方馬が出走可能に。2001年からは外国産馬の出走が可能となり、2010年には国際G1競走に認定され、ダービー・皐月賞と同様に外国産馬・海外調教馬をあわせて最大9頭まで出走可能となった。京都競馬場特有の2度の坂越えがある3000mを制するには、豊富なスタミナと併せてスピードも必須な為、三冠レースの格言では「最も強い馬が勝つ」との集大成を表す言葉が用いられる。なお、以前は本競走の前に3歳以上の嵐山ステークスという3000mのレースがあったが、現在は本競走の前に同距離のレースはなく、出走する全馬にとってまさに未知の距離を走ることとなる。

世界競馬の主流がミドルディスタンスに移行する中で、本競走は天皇賞(春)や阪神大賞典と並ぶ人気を誇る長距離レースの側面を持つと言える。春のクラシックシーズンを賑わした実績組と夏場から急成長を遂げた新興勢力が対戦する構図もその要因かもしれない。また本競走を制した馬には、天皇賞(春)を連覇した名ステイヤー・メジロマックイーン、最強の兄弟と言われるビワハヤヒデ・ナリタブライアン、変幻自在の脚質で賑わせたマヤノトップガン、もはや説明のいらない英雄ディープインパクトなどがいる。これからの時代を築く歴史的名馬が生まれる瞬間に立ち会えるのも本競走の魅力だろう。

どの馬にとってもの淀の3000mは未知の経験となるだけに、3分の間トップジョッキー達が繰り広げる駆け引きもまた見どころの一つである。俗に淀の坂は「じっくり登り」「じっくり下る」がセオリーと言われるが、それがG1の舞台で2度もあるだから一筋縄ではいかないのも事実。世代最後のクラシックホースの誕生の瞬間を腰を据えて「じっくり」と見守りたい。