2024年秋華賞(G1)特集

京都11R/芝2000m/(国際)牝(指)
2023秋華賞_リバティアイランド

出走予定注目馬

阪神ジュベナイルフィリーズ2着から直行で臨んだ桜花賞を鮮やかに差し切り、オークスでは王道の中段差し切りを図るもチェルヴィニアに半馬身届かず、二冠はならなかった。キャリア6戦で連対を外していない安定感は特筆もので、操縦性の高さから淀の内回り2000もあっさり対応するだろう。

桜花賞は8枠18番に泣き初の大敗を喫したものの、二冠目のオークスでは桜花賞馬ステレンボッシュに真っ向勝負を挑んで堂々と初G1タイトルを獲得。母チェッキーノがクビ差で敗れた舞台でリベンジを果たした。絶対能力は当然世代上位、初の内回りコースへの対応が最大のカギとなる。

前哨戦のローズステークスでは2番枠を生かした川田騎手の好騎乗もあり、2着チェレスタに1馬身半差をつける快勝、重賞2勝目を挙げた。桜花賞8着、オークス4着と春二冠は馬券圏内に届かなかったが、最後のチャンスで意地を見せたいところ。

牝3 美浦・菊沢隆徳 厩舎
コガネノソラ

未勝利脱出に4戦を要したものの、初勝利から一気の3連勝でスイートピーSを勝利。加速ラップと好時計で内容あるリステッド勝ちだった。オークス大敗から続戦で臨んだクイーンSは51kgの軽量を追い風に歴戦の古馬をなぎ倒して初重賞制覇を果たした。春から一皮むけた姿を期待したい。

紫苑ステークスは番手からしぶとく脚を伸ばし、1分56秒6のコースレコードで勝利。開幕週の馬場らしく時計の出るコンディションという前提は頭に入れておきたいが、先行力と持続力は本番でも強みになるだろう。状態面でお釣りがあれば依然警戒が必要だ。

その他チェレスタセキトバイーストミアネーロボンドガールがトライアルで優先出走権を獲得。ボンドガールはダイワメジャー産駒だけに2000mの壁が再度立ちはだかるが、紫苑ステークスの乗り方をヒントに活路を見出したい。

秋華賞(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1ホーエリート牝355北村友一
2ミアネーロ牝355津村明秀
3クイーンズウォーク牝355川田将雅
4タガノエルピーダ牝355団野大成
5チェルヴィニア牝355C.ルメール
6ラビットアイ牝355横山典弘
7チルカーノ牝355鮫島克駿
8コガネノソラ牝355丹内祐次
9アドマイヤベル牝355横山武史
10ボンドガール牝355武豊
11ランスオブクイーン牝355松山弘平
12ラヴァンダ牝355岩田望来
13クリスマスパレード牝355石川裕紀人
14ステレンボッシュ牝355戸崎圭太
15セキトバイースト牝355藤岡佑介

トライアル他結果

2024.05.19 東京11R 芝2400m 18頭 曇 良
オークス

1着 チェルヴィニア (2人気)
2着 ステレンボッシュ (1人気)
3着 ライトバック (3人気)
2024オークス_チェルヴィニア

2024.07.28 札幌11R 芝1800m 14頭 晴 稍重
クイーンS

1着 コガネノソラ (5人気)
2着 ボンドガール (2人気)
2024クイーンS_コガネノソラ

2024.09.07 中山11R 芝2000m 13頭 晴 良
紫苑S3着以内優先出走

1着 クリスマスパレード (5人気)
2着 ミアネーロ (3人気)
3着 ボンドガール (1人気)
2024紫苑S_クリスマスパレード

2024.09.15 中京11R 芝2000m 15頭 曇 稍重
ローズS3着以内優先出走

1着 クイーンズウォーク (2人気)
2着 チェレスタ (7人気)
3着 セキトバイースト (11人気)
2024ローズS_クイーンズウォーク

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
アドマイヤベル50410/10(木)美浦484
クイーンズウォーク53010/9(水)栗東522
クリスマスパレード46610/9(水)栗東460
コガネノソラ45210/10(木)美浦454
ステレンボッシュ47810/10(木)栗東458
セキトバイースト45610/9(水)栗東452
タガノエルピーダ46410/9(水)栗東452
チェルヴィニア49810/10(木)美浦482
チルカーノ46810/10(木)栗東456
ボンドガール45410/10(木)美浦448
ホーエリート47510/10(木)美浦466
ミアネーロ48010/10(木)栗東480
ラヴァンダ48410/9(水)栗東476
ラビットアイ49810/10(木)栗東488
ランスオブクイーン45210/10(木)栗東438
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

秋華賞プレレーティング

馬名2024年度
レーティング
最高値
2024年
レーティング該当レース
アドマイヤベル106 IフローラS1着
キャットファイト104 MアネモネS1着
クイーンズウォーク111 I,L優駿牝馬4着
ローズS1着
クリスマスパレード109 I紫苑S1着
コガネノソラ107 MクイーンS1着
ステレンボッシュ114 M,L桜花賞1着
優駿牝馬2着
セキトバイースト108 IローズS3着
タガノエルピーダ107 IローズS4着
チェルヴィニア115 L優駿牝馬1着
チェレスタ108 IローズS2着
チルカーノ
ボンドガール106 M,IクイーンS2着
紫苑S3着
ホーエリート104 MフラワーC2着
ミアネーロ108 I紫苑S2着
ラヴァンダ104 IフローラS2着
ラビットアイ103 MフラワーC4着
ランスオブクイーン111 L優駿牝馬5着

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、GⅠ・JpnⅠ競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)を掲載しています。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
(4)レーティングに付随するアルファベット(SMILE)は、そのレーティングを獲得したレースの競走距離を示すもので、区分は以下のとおりです。
S 【Sprint】 1,000m-1,300m [1,000m-1,599m(CAN/USA)]
M 【Mile】 1,301m-1,899m [1,600m-1,899m(CAN/USA)]
I 【Intermediate】 1,900m-2,100m
L 【Long】 2,101m-2,700m
E 【Extended】 2,701m-
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

秋華賞(G1)歴代優勝馬

2023.10.15 京都11R 芝2000m 18頭 晴 稍重
秋華賞

リバティアイランド
単勝 1.1倍 (1人気)
2:01.1 (33.6)
川田将雅騎手
牝3 栗東・中内田充正厩舎
2022秋華賞_リバティアイランド

2022.10.16 阪神11R 芝2000m 16頭 晴 良
秋華賞

スタニングローズ
単勝 5.7倍 (3人気)
1:58.6 (34.3)
坂井瑠星騎手
牝3 栗東・高野友和厩舎
2022秋華賞_スタニングローズ

2021.10.17 阪神11R 芝2000m 16頭 晴 良
秋華賞

アカイトリノムスメ
単勝 8.9倍 (4人気)
2:01.2 (35.9)
戸崎圭太騎手
牝3 美浦・国枝栄厩舎
2021秋華賞_アカイトリノムスメ

2020.10.18 京都11R 芝2000m 18頭 晴 稍重
秋華賞

デアリングタクト
単勝 1.4倍 (1人気)
2:00.6 (35.8)
松山弘平騎手
牝3 栗東・杉山晴紀厩舎
2020秋華賞_デアリングタクト

2019.10.13 京都11R 芝2000m 18頭 晴 稍重
秋華賞

クロノジェネシス
単勝 6.9倍 (4人気)
1:59.9 (36.1)
北村友一騎手
牝3 栗東・斉藤崇史厩舎
2019秋華賞_クロノジェネシス

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ0-1-0-90.0%10.0%10.0%
先行3-0-2-279.4%9.4%15.6%
差し7-7-7-588.9%17.7%26.6%
追込0-2-1-490.0%3.8%5.8%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気4-1-1-440.0%50.0%60.0%
2番人気0-3-1-60.0%30.0%40.0%
3番人気4-1-2-340.0%50.0%70.0%
4番人気2-2-1-520.0%40.0%50.0%
5番人気0-2-1-70.0%20.0%30.0%
6-9番人気0-0-3-370.0%0.0%7.5%
10番人気以下0-1-1-810.0%1.2%2.4%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠0-0-2-170.0%0.0%10.5%
2枠0-2-1-160.0%10.5%15.8%
3枠3-0-1-1615.0%15.0%20.0%
4枠2-4-1-1310.0%30.0%35.0%
5枠0-1-2-170.0%5.0%15.0%
6枠2-1-1-1610.0%15.0%20.0%
7枠2-2-2-217.4%14.8%22.2%
8枠1-0-0-273.6%3.6%3.6%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着5-4-5-389.6%17.3%26.9%
2着4-0-2-1717.4%17.4%26.1%
3着1-3-1-155.0%20.0%25.0%
4着0-1-1-100.0%8.3%16.7%
5着0-2-0-90.0%18.2%18.2%
6-9着0-0-1-250.0%0.0%3.8%
10着以下0-0-0-290.0%0.0%0.0%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
オークス5-1-2-1620.8%25.0%33.3%
クイーンS0-0-0-50.0%0.0%0.0%
紫苑S4-4-0-418.2%16.3%16.3%
ローズS1-4-6-481.7%8.5%18.6%
夕月特別0-0-1-60.0%0.0%14.3%
その他0-1-1-270.0%3.4%6.9%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬2-4-1-593.0%9.1%10.6%
関西馬8-6-9-847.5%13.1%21.5%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール2-1-2-422.2%33.3%55.6%
2浜中俊2-0-0-433.3%33.3%33.3%
3川田将雅1-2-0-710.0%30.0%30.0%
4福永祐一1-0-1-612.5%12.5%25.0%
5松山弘平1-0-0-712.5%12.5%12.5%
6戸崎圭太1-0-0-516.7%16.7%16.7%
7北村友一1-0-0-420.0%20.0%20.0%
8坂井瑠星1-0-0-233.3%33.3%33.3%
9M.デムーロ0-1-1-70.0%11.1%22.2%
9武豊0-1-1-70.0%11.1%22.2%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1国枝栄2-2-0-425.0%50.0%50.0%
2高野友和2-1-0-333.3%50.0%50.0%
3中内田充正1-2-0-710.0%30.0%30.0%
4友道康夫1-0-1-416.7%16.7%33.3%
5杉山晴紀1-0-0-325.0%25.0%25.0%
6斉藤崇史1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6池江泰寿1-0-0-150.0%50.0%50.0%
8橋田満1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9矢作芳人0-1-0-50.0%16.7%16.7%
10斎藤誠0-1-0-10.0%50.0%50.0%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1サンデーR3-0-1-825.0%25.0%33.3%
2野田みづき1-1-0-050.0%100.0%100.0%
3シルクR1-0-0-811.1%11.1%11.1%
4金子真人HD1-0-0-516.7%16.7%16.7%
5森田藤治1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5ノルマンディー1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5佐々木主浩1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5国本哲秀1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9社台RH0-2-2-100.0%14.3%28.6%
10キャロット0-2-0-90.0%18.2%18.2%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF8-3-2-4713.3%18.3%21.7%
2社台C白老F1-0-1-416.7%16.7%33.3%
3長谷川牧場1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
4社台F0-6-3-230.0%18.8%28.1%
5三嶋牧場0-1-1-30.0%20.0%40.0%
6ダーレーJF0-0-1-10.0%0.0%50.0%
7天羽牧場0-0-1-00.0%0.0%100.0%
7目黒牧場0-0-1-00.0%0.0%100.0%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ディープインパクト4-3-2-2810.8%18.9%24.3%
2ハービンジャー1-1-1-220.0%40.0%60.0%
3キングカメハメハ1-0-3-610.0%10.0%40.0%
4ドゥラメンテ1-0-1-225.0%25.0%50.0%
5エピファネイア1-0-0-325.0%25.0%25.0%
6ロードカナロア1-0-0-150.0%50.0%50.0%
7バゴ1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8ハーツクライ0-2-1-70.0%20.0%30.0%
9キズナ0-1-0-90.0%10.0%10.0%
10ルーラーシップ0-1-0-60.0%14.3%14.3%

※過去10年の秋華賞集計

レースガイド

■3歳牝馬による秋の頂上決戦

1995年までの牝馬3冠最終レースであるエリザベス女王杯が古牝馬に解放されることとなったため、新たな3歳牝馬限定G1「秋華賞」(京都・芝2000m)として1996年に創設された。創設当初より混合・指定競走で外国産馬・地方所属馬も出走可能である。その後2003年に負担重量が定量から馬齢に変更され、2009年には国際競走となり現在に至る。なお、繁殖馬選定レースであるイギリスの5大クラシック競走には本競走のようなレースは存在せず牝馬3冠はないが、わが国では牡馬3冠に対して便宜的に牝馬3冠レースの1つとして扱われている。

NHKマイルCと同年に誕生した本競走はここまで20回を重ねており、その名は定着したと言える。また京都内回り2000mという小回りコースで開催されるため、基本的には立ち回りが上手い先行馬が有利。それ故実力馬が本来の力を発揮できず、時に大波乱が起きるレースとしても良く知られている。また2013年のメイショウマンボや2007年のダイワスカーレットはその後のエリザベス女王杯を制しており、近年はステップレースとしても注視されている。

その中において、本競走を制し牝馬三冠を達成した馬は、メジロラモーヌ(1986年・旧エリザベス女王杯)、スティルインラブ(2003年)、アパパネ(2010年)、ジェンティルドンナ(2012年)、アーモンドアイ(2018年)、デアリングタクト(2020年)、リバティアイランド(2023年)の7頭に留まる。桜花賞(阪神1600m)、オークス(東京2400m)、そして秋華賞と全く異なる距離・コースに適応するのは並大抵ではないことを物語っている。

京都内回り2000mという、小回りコースでの枠順、スタート、位置取り、仕掛けどころなど様々な要素を全てクリアしてこそ世代No1の秋華のヒロインと言えるだろう。