2023年秋華賞(G1)特集

京都11R/芝2000m/(国際)牝(指)
2022秋華賞_スタニングローズ

出走予定注目馬

夭逝が惜しまれるドゥラメンテの最高傑作。トラックバイアスを暴力でねじ伏せた桜花賞、直線で一頭だけ伸び続けたオークスは特A級の内容だった。史上7頭目の牝馬三冠達成へ、京都内回りのトリッキーなコース形態をどう克服するかが最大のカギとなりそうだ。

牝3 栗東・友道康夫 厩舎
ハーパー

クイーンC覇者。ハーツクライ×セレスタと重量級の血統構成通り、オークスではリバティアイランドにこそ6馬身差をつけられたものの2着を死守した。京都芝2000mへの舞台替わりは必ずしもプラスには働かないイメージだが、ライバル筆頭格としてどこまで女王に迫れるか。

6月の阪神芝1800m・1勝クラス戦で鮮やかな差し切りを決め、返す刀のローズSでは7番人気の低評価を覆して重賞初制覇を飾った。1分43秒0の走破時計は当日の超高速傾向から鵜呑みにはできないものの、激走の反動を最小限に留められれば再度の大物食いも。

牝3 美浦・武藤善則 厩舎
モリアーナ

紫苑Sでは初の2000m戦とあってゆったりと後方待機、4角14番手からノーブレーキでパワフルな末脚を爆発させ、遂に初タイトルをつかんだ。新馬戦のパフォーマンスから考えればここまでタイトルと縁がなかったのが不思議なほどの器。鞍上のレースプランを含め注視が必要だろう。

父は今をときめくキタサンブラック、母はフェアリーSを勝ったダンスファンタジア、母母は天才少女ダンスインザムード、3代母ダンシングキイの良血。前走の紫苑Sでは先行勢が崩れていく展開を最後まで粘り通して2着を死守した。レースセンスの高さが大きな武器になるこの舞台はまさに ピッタリだろう。

紫苑S3着馬シランケド、ローズS3着馬マラキナイアは優先出走権をつかんでの晴れ舞台。桜花賞2着馬コナコーストはオークスの大敗で評価を落とすなら狙い時だろう。そのオークスで15番人気ながら3着に激走し、クイーンSで役者の違いを見せたドゥーラも人気を集めそうだ。

秋華賞(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1フェステスバント牝355酒井学
2ハーパー牝355C.ルメール
3マラキナイア牝355池添謙一
4コナコースト牝355鮫島克駿
5ドゥーラ牝355斎藤新
6リバティアイランド牝355川田将雅
7マスクトディーヴァ牝355岩田望来
8モリアーナ牝355横山典弘
9ミシシッピテソーロ牝355石川裕紀人
10グランベルナデット牝355松山弘平
11キタウイング牝355江田照男
12ドゥアイズ牝355西村淳也
13ラヴェル牝355坂井瑠星
14コンクシェル牝355幸英明
15ヒップホップソウル牝355横山武史
16ピピオラ牝355藤岡康太
17ソレイユヴィータ牝355武豊
18エミュー牝355M.デムーロ

トライアル他結果

2023.05.21 東京11R 芝2400m 18頭 晴 良
オークス

1着 リバティアイランド (1人気)
2着 ハーパー (2人気)
3着 ドゥーラ (15人気)
2023オークス_リバティアイランド

2023.09.09 中山11R 芝2000m 17頭 晴 稍重
紫苑S3着以内優先出走

1着 モリアーナ (4人気)
2着 ヒップホップソウル (2人気)
3着 シランケド (9人気)
紫苑S_ゴーモリアーナ

2023.09.17 阪神11R 芝1800m 17頭 晴 良
ローズS3着以内優先出走

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
エミュー42210/12(木)美浦426
キタウイング43610/12(木)栗東426
グランベルナデット51010/11(水)美浦500
コナコースト46810/12(木)栗東458
コンクシェル47410/12(木)栗東470
ソレイユヴィータ46410/11(水)栗東456
ドゥアイズ46010/12(木)栗東456
ドゥーラ48610/11(水)栗東458
ハーパー49410/12(木)栗東468
ヒップホップソウル50410/11(水)美浦490
ピピオラ48210/11(水)栗東484
フェステスバント42610/12(木)栗東418
マスクトディーヴァ45210/12(木)栗東444
マラキナイア44010/12(木)栗東442
ミシシッピテソーロ44610/11(水)美浦438
モリアーナ48810/12(木)美浦474
ラヴェル46410/12(木)栗東460
リバティアイランド49010/11(水)栗東466
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

秋華賞プレレーティング

馬名2023年度
レーティング
最高値
2023年
レーティング該当レース
エミュー106 MフラワーC1着
キタウイング106 MフェアリーS1着
キミノナハマリア105 I紫苑S4着
グランベルナデット103 I忘れな草賞1着
コナコースト113 M桜花賞2着
コンクシェル104 MアネモネS2着
シランケド106 I紫苑S3着
シンリョクカ108 M,L桜花賞6着
優駿牝馬5着
ソレイユヴィータ
ドゥアイズ108 MクイーンC2着
桜花賞5着
ドゥーラ110 L優駿牝馬3着
ハーパー110 L優駿牝馬2着
ヒップホップソウル108 I,L優駿牝馬6着
紫苑S2着
ピピオラ
フェアエールング
フェステスバント
マスクトディーヴァ110 MローズS1着
マラキナイア104 MローズS3着
ミシシッピテソーロ
ミタマ
モリアーナ109 I紫苑S1着
ラヴェル109 L優駿牝馬4着
リバティアイランド120 L優駿牝馬1着

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、GⅠ・JpnⅠ競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)を掲載しています。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
(4)レーティングに付随するアルファベット(SMILE)は、そのレーティングを獲得したレースの競走距離を示すもので、区分は以下のとおりです。
S 【Sprint】 1,000m-1,300m [1,000m-1,599m(CAN/USA)]
M 【Mile】 1,301m-1,899m [1,600m-1,899m(CAN/USA)]
I 【Intermediate】 1,900m-2,100m
L 【Long】 2,101m-2,700m
E 【Extended】 2,701m-
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

秋華賞(G1)歴代優勝馬

2022.10.16 阪神11R 芝2000m 16頭 晴 良
秋華賞

スタニングローズ
単勝 5.7倍 (3人気)
1:58.6 (34.3)
坂井瑠星騎手
牝3 栗東・高野友和厩舎
2022秋華賞_スタニングローズ

2021.10.17 阪神11R 芝2000m 16頭 晴 良
秋華賞

アカイトリノムスメ
単勝 8.9倍 (4人気)
2:01.2 (35.9)
戸崎圭太騎手
牝3 美浦・国枝栄厩舎
2021秋華賞_アカイトリノムスメ

2020.10.18 京都11R 芝2000m 18頭 晴 稍重
秋華賞

デアリングタクト
単勝 1.4倍 (1人気)
2:00.6 (35.8)
松山弘平騎手
牝3 栗東・杉山晴紀厩舎
2020秋華賞_デアリングタクト

2019.10.13 京都11R 芝2000m 18頭 晴 稍重
秋華賞

クロノジェネシス
単勝 6.9倍 (4人気)
1:59.9 (36.1)
北村友一騎手
牝3 栗東・斉藤崇史厩舎
2019秋華賞_クロノジェネシス

2018.10.14 京都11R 芝2000m 18頭 晴 良
秋華賞

アーモンドアイ
単勝 1.3倍 (1人気)
1:58.5 (33.6)
C.ルメール騎手
牝3 美浦・国枝栄厩舎
2018秋華賞_アーモンドアイ

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ0-1-0-90.0%10.0%10.0%
先行2-0-2-296.1%6.1%12.1%
差し8-6-7-5810.1%17.7%26.6%
追込0-3-1-470.0%5.9%7.8%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気3-1-1-530.0%40.0%50.0%
2番人気0-4-0-60.0%40.0%40.0%
3番人気5-0-2-350.0%50.0%70.0%
4番人気2-2-1-520.0%40.0%50.0%
5番人気0-2-1-70.0%20.0%30.0%
6-9番人気0-0-3-370.0%0.0%7.5%
10番人気以下0-1-2-800.0%1.2%3.6%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠0-1-1-170.0%5.3%10.5%
2枠0-2-1-160.0%10.5%15.8%
3枠2-0-1-1710.0%10.0%15.0%
4枠2-3-1-1410.0%25.0%30.0%
5枠0-1-2-170.0%5.0%15.0%
6枠2-1-1-1610.0%15.0%20.0%
7枠2-2-3-207.4%14.8%25.9%
8枠2-0-0-267.1%7.1%7.1%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着4-4-5-387.8%15.7%25.5%
2着4-0-1-1817.4%17.4%21.7%
3着1-3-1-155.0%20.0%25.0%
4着1-1-1-107.7%15.4%23.1%
5着0-2-0-80.0%20.0%20.0%
6-9着0-0-1-240.0%0.0%4.0%
10着以下0-0-1-300.0%0.0%3.2%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
オークス4-1-1-1519.0%23.8%28.6%
クイーンS0-0-0-30.0%0.0%0.0%
紫苑S4-4-0-388.7%17.4%17.4%
ローズS2-3-7-543.0%7.6%18.2%
夕月特別0-1-1-60.0%12.5%25.0%
その他0-1-1-270.0%3.4%6.9%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬2-4-1-583.1%9.2%10.8%
関西馬8-6-9-857.4%13.0%21.3%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール2-1-1-425.0%37.5%50.0%
2浜中俊2-0-0-528.6%28.6%28.6%
3福永祐一1-0-1-711.1%11.1%22.2%
4松山弘平1-0-0-712.5%12.5%12.5%
5戸崎圭太1-0-0-614.3%14.3%14.3%
6北村友一1-0-0-516.7%16.7%16.7%
7坂井瑠星1-0-0-150.0%50.0%50.0%
8武幸四郎1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9武豊0-2-1-60.0%22.2%33.3%
10川田将雅0-2-0-80.0%20.0%20.0%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1国枝栄2-2-0-425.0%50.0%50.0%
2高野友和2-1-0-333.3%50.0%50.0%
3友道康夫1-0-0-420.0%20.0%20.0%
4杉山晴紀1-0-0-233.3%33.3%33.3%
4池江泰寿1-0-0-233.3%33.3%33.3%
6斉藤崇史1-0-0-150.0%50.0%50.0%
7橋田満1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7飯田明弘1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9中内田充正0-2-0-70.0%22.2%22.2%
10矢作芳人0-1-0-40.0%20.0%20.0%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1サンデーR2-0-1-720.0%20.0%30.0%
2野田みづき1-1-0-050.0%100.0%100.0%
3シルクR1-0-0-109.1%9.1%9.1%
4金子真人HD1-0-0-712.5%12.5%12.5%
5松本好雄1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6ノルマンディー1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6国本哲秀1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6佐々木主浩1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6森田藤治1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
10キャロット0-2-0-80.0%20.0%20.0%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF7-3-1-4712.1%17.2%19.0%
2社台C白老F1-0-1-416.7%16.7%33.3%
3高昭牧場1-0-0-150.0%50.0%50.0%
4長谷川牧場1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5社台F0-5-3-240.0%15.6%25.0%
6三嶋牧場0-1-1-30.0%20.0%40.0%
7岡田スタツド0-1-0-00.0%100.0%100.0%
8ケイアイF0-0-1-30.0%0.0%25.0%
9ダーレーJF0-0-1-10.0%0.0%50.0%
10天羽牧場0-0-1-00.0%0.0%100.0%
10目黒牧場0-0-1-00.0%0.0%100.0%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ディープインパクト4-4-2-319.8%19.5%24.4%
2ハービンジャー1-1-1-125.0%50.0%75.0%
3キングカメハメハ1-0-3-88.3%8.3%33.3%
4エピファネイア1-0-0-233.3%33.3%33.3%
5ロードカナロア1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6バゴ1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6スズカマンボ1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8ハーツクライ0-2-0-80.0%20.0%20.0%
9キズナ0-1-0-60.0%14.3%14.3%
10マンハッタンカフェ0-1-0-50.0%16.7%16.7%

※過去10年の秋華賞集計

レースガイド

■3歳牝馬による秋の頂上決戦

1995年までの牝馬3冠最終レースであるエリザベス女王杯が古牝馬に解放されることとなったため、新たな3歳牝馬限定G1「秋華賞」(京都・芝2000m)として1996年に創設された。創設当初より混合・指定競走で外国産馬・地方所属馬も出走可能である。その後2003年に負担重量が定量から馬齢に変更され、2009年には国際競走となり現在に至る。なお、繁殖馬選定レースであるイギリスの5大クラシック競走には本競走のようなレースは存在せず牝馬3冠はないが、わが国では牡馬3冠に対して便宜的に牝馬3冠レースの1つとして扱われている。

NHKマイルCと同年に誕生した本競走はここまで20回を重ねており、その名は定着したと言える。また京都内回り2000mという小回りコースで開催されるため、基本的には立ち回りが上手い先行馬が有利。それ故実力馬が本来の力を発揮できず、時に大波乱が起きるレースとしても良く知られている。また2013年のメイショウマンボや2007年のダイワスカーレットはその後のエリザベス女王杯を制しており、近年はステップレースとしても注視されている。

その中において、本競走を制し牝馬三冠を達成した馬は、メジロラモーヌ(1986年・旧エリザベス女王杯)、スティルインラブ(2003年)、アパパネ(2010年)、ジェンティルドンナ(2012年)、アーモンドアイ(2018年)、デアリングタクト(2020年)の6頭に留まる。桜花賞(阪神1600m)、オークス(東京2400m)、そして秋華賞と全く異なる距離・コースに適応するのは並大抵ではないことを物語っている。

京都内回り2000mという、小回りコースでの枠順、スタート、位置取り、仕掛けどころなど様々な要素を全てクリアしてこそ世代No1の秋華のヒロインと言えるだろう。