2023年ホープフルS(G1)特集

中山11R/芝2000m/(国際) 牡・牝 (指)
2022ホープフルS_ドゥラエレーデ

出走予定注目馬

牡2 美浦・堀宣行 厩舎舎
出走取消となりました
ゴンバデカーブース

ブリックスアンドモルタルが初年度からターフに送り出した大物候補。新馬戦は1分34秒8の逃げ切りと大きく強調できる内容ではなかったが、2戦目のサウジアラビアロイヤルカップは最後方から上がり33秒5で全馬を飲み込んだ。ボンドガール、シュトラウスを従えての重賞制覇は価値が高く、東京芝1600mから中山芝2000mの条件替わりだけが課題になりそうだ。

父シユーニ、母Starlet’s Sister、2020年の凱旋門賞を制したソットサスの全弟にあたる世界的良血。東京芝1800mの新馬を楽勝して臨んだ京都2歳Sではこのレースらしいタフな削り合いを制し、今年亡くなった母に重賞タイトルを届けた。血統的背景から世界での走りが期待されるだけに、まずは大一番で2歳中距離王の称号を射止めたいところ。

タッチングスピーチ、サトノルークスとG1戦線をにぎわせた母リッスンの系譜に新たな勲章を加えそうなドゥラメンテ産駒。京都芝2000mでは後方待機から直線に入ってもなかなかエンジンがかからなかったが、残り100mでトップギアに入ると豪脚一閃の差し切りを決めた。同レース2着の青森産馬ハヤテノフクノスケは次走圧勝、スケール感は重賞ウィナーたちにも引けを取らない。

牝2 美浦・木村哲也 厩舎
レガレイラ

現役時代はわずかキャリア1戦で阪神JFの1番人気に推され、母としては大物ドゥラドーレスを送り出しているロマン砲、ロカの産駒。新馬戦はのちに札幌2歳Sを制すセットアップの逃げをあっさり捉えて1馬身半差の快勝、前走のアイビーSでは3着に敗れたものの、極端な後傾ラップで位置取りの差が大きかった。牝馬ながら阪神JFではなく牡馬相手に真っ向勝負を選択した心意気を買いたい。

阪神芝2000mの新馬戦が後半5F58秒5と破格のラップ。同コースの2歳新馬戦でこれより早い後半5Fをマークした馬はディープインパクトただ1頭で、2着サトノシュトラーセは京都2歳S3着とレースレベルにも担保がある。前走の東スポ杯2歳Sでは4角2~4番手が3着以内を独占する中を9番手から猛然と追い込んで4着と負けて強しの競馬で、上位勢を脅かすチャンスのある最大の惑星候補。

その他新馬戦、野路菊Sと連勝中のヴェロキラプトル、芙蓉S覇者シリウスコルト、JBC2歳優駿2着から挑戦を表明したサンライズジパングなどがエントリー。皐月賞と同舞台で行われる今年最後のJRA・G1、来年のクラシック候補の出現に期待したい。

ホープフルS(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1ゴンバデカーブース牡256松山弘平
2ヴェロキラプトル牡256戸崎圭太
3アンモシエラ牝255藤田菜七子
4アドミラルシップ牡256H.ドイル
5サンライズジパング牡256菅原明良
6シンエンペラー牡256B.ムルザバエフ
7テンエースワン牡256横山和生
8インザモーメント牡256佐々木大輔
9タリフライン牡256T.マーカンド
10シリウスコルト牡256三浦皇成
11ショウナンラプンタ牡256鮫島克駿
12ディスペランツァ牡256L.モリス
13レガレイラ牝255C.ルメール
14ホルトバージ牡256今村聖奈
15ウインマクシマム牡256松岡正海
16センチュリボンド牡256武豊
17サンライズアース牡256M.デムーロ
18ミスタージーティー牡256坂井瑠星

参考レース結果

2023.09.02 札幌11R 芝1800m 10頭 曇 稍重
札幌2歳S

1着 セットアップ (3人気)
2着 パワーホール (4人気)
3着 ギャンブルルーム (2人気)
2023札幌2歳S_セットアップ

2023.10.07 東京11R 芝1600m 9頭 晴 良
サウジアラビアRC

1着 ゴンバデカーブース (3人気)
2着 ボンドガール (1人気)
3着 シュトラウス (2人気)
2023サウジアラビアRC_ドゴンバデカーブース

2023.11.18 東京11R 芝1800m 10頭 晴 良
東京スポーツ杯2歳S

1着 シュトラウス (4人気)
2着 シュバルツクーゲル (8人気)
3着 ファーヴェント (2人気)
2023東京スポーツ杯2歳S_シュトラウス

2023.11.25 京都11R 芝2000m 14頭 晴 良
京都2歳S

1着 シンエンペラー (1人気)
2着 プレリュードシチー (10人気)
3着 サトノシュトラーセ (3人気)
2023京都2歳S_シンエンペラー

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
ゴンバデカーブース48412/25(月)美浦460
ヴェロキラプトル47812/25(月)栗東454
アンモシエラ49012/26(火)栗東488
アドミラルシップ46012/26(火)美浦458
サンライズジパング51412/26(火)栗東514
シンエンペラー48012/26(火)栗東480
テンエースワン48412/25(月)栗東480
インザモーメント48212/26(火)栗東480
タリフライン47012/24(日)美浦462
シリウスコルト47412/26(火)美浦466
ショウナンラプンタ53612/25(月)栗東520
ディスペランツァ51812/25(月)栗東522
レガレイラ45912/26(火)美浦456
ホルトバージ47212/26(火)栗東466
ウインマクシマム47412/26(火)美浦474
センチュリボンド47612/26(火)栗東474
サンライズアース53212/26(火)栗東538
ミスタージーティー46612/25(月)栗東472
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

ホープフルSプレレーティング

馬名2023年度
レーティング
最高値
2023年
レーティング該当レース
アドミラルシップ
アンモシエラ
インザモーメント
ウインマクシマム
ヴェロキラプトル103野路菊S1着
カフェグランデ
ココナツキュート
ゴンバデカーブース110サウジアラビアRC1着
サンライズアース
サンライズジパング103(D)JBC2歳優駿2着
ショウナンラプンタ106東スポ杯2歳S4着
シリウスコルト104芙蓉S1着
シンエンペラー110京都2歳S1着
センチュリボンド
タリフライン
ディスペランツァ
テンエースワン
ニューステソーロ
ホルトバージ
ミスタージーティー
レガレイラ104アイビーS3着
ロジルーラー

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)を掲載しています。なお、(D)はダート競走のレーティングです。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

ホープフルS(G1)歴代優勝馬

2022.12.28 中山11R 芝2000m 18頭 晴 良
ホープフルS

ドゥラエレーデ
単勝 90.6倍 (14人気)
2:01.5 (35.0)
B.ムルザバエフ騎手
牡2 栗東・池添学厩舎
2022ホープフルS_ドゥラエレーデ

2021.12.28 中山11R 芝2000m 15頭 晴 良
ホープフルS

キラーアビリティ
単勝 3.1倍 (2人気)
2:00.6 (35.8)
横山武史騎手
牡2 栗東・斉藤崇史厩舎
2021ホープフルS_キラーアビリティ

2020.12.28 中山11R 芝2000m 15頭 晴 良
ホープフルS

ダノンザキッド
単勝 2.1倍 (1人気)
2:02.8 (36.4)
川田将雅騎手
牡2 栗東・安田隆行厩舎
2020ホープフルS_ダノンザキッド

2019.12.28 中山11R 芝2000m 13頭 晴 良
ホープフルS

コントレイル
単勝 2.0倍 (1人気)
2:01.4 (35.8)
福永祐一騎手
牡2 栗東・矢作芳人厩舎
2019ホープフルS_コントレイル

2018.12.28 中山11R 芝2000m 13頭 晴 良
ホープフルS

サートゥルナーリア
単勝 1.8倍 (1人気)
2:01.6 (35.3)
M.デムーロ騎手
牡2 栗東・中竹和也厩舎
2018ホープフルS_サートゥルナーリア

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ0-1-0-90.0%10.0%10.0%
先行6-5-1-3014.3%26.2%28.6%
差し4-4-7-397.4%14.8%27.8%
追込0-0-2-400.0%0.0%4.8%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気5-1-1-350.0%60.0%70.0%
2番人気2-1-3-420.0%30.0%60.0%
3番人気1-2-1-610.0%30.0%40.0%
4番人気0-2-1-70.0%20.0%30.0%
5番人気0-0-0-100.0%0.0%0.0%
6-9番人気1-4-4-312.5%12.5%22.5%
10番人気以下1-0-0-591.7%1.7%1.7%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠1-1-1-117.1%14.3%21.4%
2枠2-0-3-1112.5%12.5%31.3%
3枠1-1-0-155.9%11.8%11.8%
4枠2-2-2-1410.0%20.0%30.0%
5枠2-1-1-1510.5%15.8%21.1%
6枠2-3-1-1410.0%25.0%30.0%
7枠0-1-2-180.0%4.8%14.3%
8枠0-1-0-220.0%4.3%4.3%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着6-8-9-696.5%15.2%25.0%
2着2-2-0-718.2%36.4%36.4%
3着0-0-0-150.0%0.0%0.0%
4着1-0-0-233.3%33.3%33.3%
5着0-0-1-50.0%0.0%16.7%
6-9着1-0-0-146.7%6.7%6.7%
10着以下0-0-0-80.0%0.0%0.0%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
札幌2歳S0-0-0-40.0%0.0%0.0%
東京スポ杯2歳S4-0-2-1222.2%22.2%33.3%
京都2歳S1-1-0-117.7%15.4%15.4%
その他重賞0-2-0-30.0%40.0%40.0%
オープン特別2-2-2-159.5%19.0%28.6%
500万下1-4-3-342.4%11.9%19.0%
新馬・未勝利2-1-3-414.3%6.4%12.8%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬2-4-5-533.1%9.4%17.2%
関西馬8-6-5-659.5%16.7%22.6%
地方馬0-0-0-20.0%0.0%0.0%

性別

性別成績勝率連対率3着内率
牡馬10-10-10-1166.8%13.7%20.5%
牝馬0-0-0-40.0%0.0%0.0%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール2-2-3-222.2%44.4%77.8%
2川田将雅2-0-0-340.0%40.0%40.0%
3M.デムーロ1-1-0-514.3%28.6%28.6%
4C.デムーロ1-1-0-320.0%40.0%40.0%
5福永祐一1-0-1-416.7%16.7%33.3%
6横山武史1-0-0-233.3%33.3%33.3%
7ムルザバエフ1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7ボウマン1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9武豊0-1-1-50.0%14.3%28.6%
10横山典弘0-1-0-20.0%33.3%33.3%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1手塚貴久1-1-2-025.0%50.0%100.0%
2矢作芳人1-0-1-416.7%16.7%33.3%
3松田国英1-0-1-225.0%25.0%50.0%
4中竹和也1-0-0-233.3%33.3%33.3%
4藤沢和雄1-0-0-233.3%33.3%33.3%
6安田隆行1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6橋口弘次郎1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6高野友和1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6斉藤崇史1-0-0-150.0%50.0%50.0%
10池添学1-0-0-0100.0%100.0%100.0%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1キャロット4-1-1-344.4%55.6%66.7%
2サンデーR2-1-2-228.6%42.9%71.4%
3ノースヒルズ1-0-0-233.3%33.3%33.3%
3ダノックス1-0-0-233.3%33.3%33.3%
5前田晋二1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5スリーエイチR1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7前田幸治0-1-0-30.0%25.0%25.0%
8近藤利一0-1-0-20.0%33.3%33.3%
8ラフィアン0-1-0-20.0%33.3%33.3%
10ロードHC0-1-0-10.0%50.0%50.0%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF7-4-7-2317.1%26.8%43.9%
2ノースヒルズ2-0-0-340.0%40.0%40.0%
3社台C白老F1-0-0-325.0%25.0%25.0%
4ビッグレッドF0-1-0-20.0%33.3%33.3%
4杵臼牧場0-1-0-20.0%33.3%33.3%
6千代田牧場0-1-0-10.0%50.0%50.0%
7North Hills0-1-0-00.0%100.0%100.0%
7下河辺牧場0-1-0-00.0%100.0%100.0%
7様似堀牧場0-1-0-00.0%100.0%100.0%
10社台F0-0-1-160.0%0.0%5.9%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ディープインパクト4-1-2-1122.2%27.8%38.9%
2ハーツクライ2-0-1-1015.4%15.4%23.1%
3ジャスタウェイ1-1-0-416.7%33.3%33.3%
4キングカメハメハ1-0-2-414.3%14.3%42.9%
5ドゥラメンテ1-0-0-420.0%20.0%20.0%
6ロードカナロア1-0-0-233.3%33.3%33.3%
7ステイゴールド0-1-1-00.0%50.0%100.0%
8ブラックタイド0-1-0-40.0%20.0%20.0%
9エピファネイア0-1-0-30.0%25.0%25.0%
9ゼンノロブロイ0-1-0-30.0%25.0%25.0%

※過去10年のホープフルS集計

レースガイド

■2017年G1へ昇格した2歳中距離戦!

1984年のグレード制導入に伴い、当時の3歳牝馬(現2歳)の限定レースとして創設された「ラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス(G3・阪神・芝1600m)」を前身とする。その後、東西チャンピオン決定から牡馬・牝馬のチャンピオンを決定する流れのなかで、1991年に条件・レース名が変更。名称は「ラジオたんぱ杯3歳ステークス」、条件はそれまでの牝馬限定から牡馬・セン馬限定へ、距離は2000mと大幅に変更となった。馬齢表記の国際基準化に伴い2001年に「ラジオたんぱ杯2歳ステークス」へ、2006年には「ラジオたんぱ」の愛称変更に伴い「ラジオNIKKEI杯2歳ステークス」に改称。更に2014年のチャンピオンズカップや朝日杯フューチュリティステークスの移設に併せて、「ホープフルステークス(G2・中山・芝2000m)」に改められた。

出走条件は「ラジオたんぱ杯3歳ステークス」時は牡馬・セン馬限定だったが、2000年からは牝馬も出走可能に。「ホープフルステークス」へ変更となってからは、よりクラシックとの親和性を保つため、牡馬・牝馬限定となっている。また1993年からは外国産馬が、1996年には地方所属馬の出走が可能となり、2010年には外国調教馬も出走できる国際競走へ認定されている。そして、2017年にG1へ昇格し、JRA初の2歳中距離G1が誕生した。

ラジオたんぱやラジオNIKKEI時代から、後の活躍馬が多いのも本競走の大きな特徴だろう。第7回1990年イソノルーブル(オークス)、第9回1992年ナリタタイシン(皐月賞)、第11回1994年タヤスツヨシ(日本ダービー)、第15回1998年アドマイヤベガ(日本ダービー)、第17回2000年アグネスタキオン(皐月賞)、第19回2002年ザッツザプレンティ(菊花賞)、第25回2008年ロジユニヴァース(日本ダービー)、第30回2013年ワンアンドオンリー(日本ダービー)などの多くのクラシックホースを輩出。また、第13回1996年メジロブライト(天皇賞・春)、第20回2003年コスモバルク(シンガポール航空インターナショナルカップ)、第21回2004年ヴァーミリアン(帝王賞、東京大賞典)、第26回2009年ヴィクトワールピサ(ドバイワールドカップ)、第29回2012年エピファネイア(ジャパンカップ)など、古馬の王道G1や地方、世界を制覇した馬などその活躍は多岐に渡る。中山に舞台を移しホープフルステークスとなってからも、2017年にはシャイニングレイがCBC賞を、またレイデオロが日本ダービーを制しており、活躍の流れは確実に引き継がれている。

晴れてG1となった本競走は、出世レースという一面だけでなく、年末の風物詩である有馬記念に代わり、1年の競馬を締めくくる重要なレースとなっていくことが望まれる。