2023年阪神ジュベナイルF(G1)特集

阪神11R/芝1600m/(国際)牝(指)
2023阪神ジュベナイルF_リバティアイランド

出走予定注目馬

牝2 美浦・手塚貴久 厩舎
出走回避となりました
ボンドガール

ラスト3F11秒2-11秒0-11秒1、後半5F57秒5のパフォーマンスを見せ、敗れた馬たちが次走以降で出世を重ねる「華のボンドガール新馬組」の頭領。断然人気だったサウジアラビアロイヤルCは初経験となる後ろからの競馬でリズムを崩した形の2着で悲観する必要はない。文句なしの2歳女王最有力候補だ。

今をときめくスワーヴリチャード産駒。新馬戦はボンドガールの3着に敗れたが。返す刀で未勝利戦を楽勝し、ダリア賞、京王杯2歳Sと3連勝。京王杯では1分20秒6のレコードタイムをマークし、積んでいるエンジンの優秀さを改めて披露する形に。距離延長で追走が楽になりそうで、一気の4連勝でG1タイトル獲りもあり得る。

リッスン牝系、早い時期から動けるアスコルティの子らしく、新馬戦を鮮やかな後方一気で楽勝。2戦目の新潟2歳Sでは大外枠から一転の先行策を敢行、上がり3F33秒3と最後まで止まらず押し切った。今回は過去2戦と比べメンバーレベルが一気に上がる、まさに試金石となるレース。上位進出なら来年の桜前線を賑わす存在になるだろう。

牝2 栗東・斉藤崇史 厩舎
ルシフェル

新馬戦こそ福島競馬場のコース形態に苦しめられる形の2着に終わったが、距離延長で迎えた小倉の未勝利戦は早め先頭から4馬身差の楽勝、前走の萩Sでは逃げるビーグラッドを捉えてリステッド制覇を成し遂げた。まだまだ幼さを覗かせる現状、かつ距離短縮でのペース変化に対応できるかが焦点だが、器はこのメンバーでも引けは取らない。

北海道セプテンバーセール出身のファインニードル産駒。小倉芝1200mのデビュー戦を快勝し前走のファンタジーSで重賞初挑戦、15番人気の低評価を覆して先行押し切りを決めた。1分20秒4の走破タイム、同馬以外の先行勢が軒並み崩れた点は見逃せず、単なるフロックとして片付けるのは危険すぎる。

ボンドガールの新馬戦2着、アルテミスS覇者チェルヴィニアの回避は残念だが、アスター賞を軽々と制したキャットファイト、クローバー賞勝ち馬コスモディナー、サリオスの全妹でアルテミスS2着サフィラなど楽しみな存在は多い。牝馬クラシックへつながる阪神芝1600m・第1ラウンドが幕を開ける。

阪神JF(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1コスモディナー牝255松岡正海
2クイックバイオ牝255L.モリス
3キャットファイト牝255大野拓弥
4ニュージェネラル牝255田口貫太
5スプリングノヴァ牝255和田竜二
6ステレンボッシュ牝255C.ルメール
7アスコリピチェーノ牝255北村宏司
8プシプシーナ牝255浜中俊
9テリオスルル牝255古川吉洋
10コラソンビート牝255横山武史
11スウィープフィート牝255永島まなみ
12シカゴスティング牝255鮫島克駿
13カルチャーデイ牝255酒井学
14サフィラ牝255松山弘平
15ナナオ牝255西村淳也
16ルシフェル牝255B.ムルザバエフ
17ミライテーラー牝255中井裕二
18ドナベティ牝255坂井瑠星

参考レース結果

2023.08.27 新潟11R 芝1600m 12頭 晴 良
新潟2歳S

1着 アスコリピチェーノ (1人気)
2着 ショウナンマヌエラ (10人気)
4着 ルクスノア (7人気)
2023新潟2歳S_アスコリピチェーノ

2023.10.07 東京11R 芝1600m 9頭 晴 良
サウジアラビアRC

2着 ボンドガール (1人気)
2023サウジアラビアRC_ドゴンバデカーブース

2023.10.28 東京11R 芝1600m 10頭 晴 良
アルテミスS

1着 チェルヴィニア (1人気)
2着 サフィラ (2人気)
3着 スティールブルー (4人気)
2023アルテミスS_チェルヴィニア

2023.11.04 東京11R 芝1400m 12頭 晴 良
京王杯2歳S

1着 コラソンビート (1人気)
京王杯2歳S_コラソンビート

2023.11.04 京都11R 芝1400m 18頭 曇 良
ファンタジーS

1着 カルチャーデイ (15人気)
2着 ドナベティ (9人気)
3着 シカゴスティング (12人気)
ファンタジーS_カルチャーデイ

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
アスコリピチェーノ47212/6(水)栗東472
カルチャーデイ41812/7(木)栗東420
キャットファイト43812/6(水)美浦438
クイックバイオ48012/7(木)栗東478
コスモディナー45512/6(水)美浦468
コラソンビート44012/6(水)美浦442
サフィラ44612/7(木)栗東442
シカゴスティング43212/7(木)栗東428
スウィープフィート47212/7(木)栗東464
ステレンボッシュ46812/7(木)栗東472
スプリングノヴァ40012/6(水)栗東394
テリオスルル47212/7(木)美浦466
ドナベティ42012/7(木)栗東422
ナナオ42212/7(木)栗東424
ニュージェネラル45012/6(水)栗東456
プシプシーナ41412/7(木)栗東414
ミライテーラー46812/7(木)栗東470
ルシフェル48412/6(水)栗東488
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

阪神JFプレレーティング

馬名2023年度
レーティング
最高値
2023年
レーティング該当レース
アスコリピチェーノ108新潟2歳S1着
アトリウムチャペル
カルチャーデイ107ファンタジーS1着
キャットファイト
クイックバイオ100ききょうS1着
コスモディナー100クローバー賞1着
コラソンビート107京王杯2歳S1着
サフィラ105アルテミスS2着
シカゴスティング106ファンタジーS3着
スウィープフィート
ステレンボッシュ
スプリングノヴァ
タガノエルピーダ
テリオスルル
ドナベティ106ファンタジーS2着
ナナオ102函館2歳S2着
もみじS1着
ニュージェネラル
ヒヒーン
ビーグラッド100萩S2着
プシプシーナ
ブルーアイドガール
ボンドガール104サウジアラビアRC2着
ミライテーラー
メイショウゴーフル101野路菊S2着
ラヴァンダ
ルシフェル103萩S1着

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)を掲載しています。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

阪神ジュベナイルF(G1)歴代優勝馬

2022.12.11 阪神11R 芝1600m 18頭 晴 良
阪神ジュベナイルF

リバティアイランド
単勝 2.6倍 (1人気)
1:33.1 (35.5)
川田将雅騎手
牝2 栗東・中内田充正厩舎
2022阪神ジュベナイルF_リバティアイランド

2021.12.12 阪神11R 芝1600m 18頭 晴 良
阪神ジュベナイルF

サークルオブライフ
単勝 5.6倍 (3人気)
1:33.8 (33.9)
M.デムーロ騎手
牝2 美浦・国枝栄厩舎
2021阪神ジュベナイルF_サークルオブライフ

2020.12.13 阪神11R 芝1600m 18頭 曇 良
阪神ジュベナイルF

ソダシ
単勝 3.2倍 (1人気)
1:33.1 (34.2)
吉田隼人騎手
牝2 栗東・須貝尚介厩舎
2020阪神ジュベナイルF_ソダシ

2019.12.08 阪神11R 芝1600m 16頭 曇 良
阪神ジュベナイルF

レシステンシア
単勝 11.2倍 (4人気)
R1:32.7 (35.2)
北村友一騎手
牝2 栗東・松下武士厩舎
2019阪神ジュベナイルF_レシステンシア

2018.12.09 阪神11R 芝1600m 18頭 晴 良
阪神ジュベナイルF

ダノンファンタジー
単勝 2.6倍 (1人気)
R1:32.7 (35.2)
C.デムーロ騎手
牝2 栗東・中内田充正厩舎
2018阪神ジュベナイルF_ダノンファンタジー

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ1-0-0-910.0%10.0%10.0%
先行3-1-1-367.3%9.8%12.2%
差し5-6-8-536.9%15.3%26.4%
追込1-3-1-501.8%7.3%9.1%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気5-1-0-450.0%60.0%60.0%
2番人気1-4-0-510.0%50.0%50.0%
3番人気1-1-3-510.0%20.0%50.0%
4番人気1-0-4-510.0%10.0%50.0%
5番人気2-0-0-820.0%20.0%20.0%
6-9番人気0-2-2-360.0%5.0%10.0%
10番人気以下0-2-1-850.0%2.3%3.4%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠2-0-0-1810.0%10.0%10.0%
2枠1-1-3-155.0%10.0%25.0%
3枠1-0-1-185.0%5.0%10.0%
4枠1-2-0-175.0%15.0%15.0%
5枠2-3-1-1410.0%25.0%30.0%
6枠1-2-3-145.0%15.0%30.0%
7枠1-1-2-253.4%6.9%13.8%
8枠1-1-0-273.4%6.9%6.9%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着8-7-4-738.7%16.3%20.7%
2着2-1-4-217.1%10.7%25.0%
3着0-1-1-60.0%12.5%25.0%
4着0-0-0-90.0%0.0%0.0%
5着0-1-0-80.0%11.1%11.1%
6-9着0-0-1-190.0%0.0%5.0%
10着以下0-0-0-120.0%0.0%0.0%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
アルテミスS5-3-3-2115.6%25.0%34.4%
ファンタジーS2-0-2-315.7%5.7%11.4%
その他重賞1-2-3-213.7%11.1%22.2%
オープン特別1-1-0-99.1%18.2%18.2%
500万(特別)1-3-2-402.2%8.7%13.0%
500万(平場)0-0-0-40.0%0.0%0.0%
新馬0-1-0-120.0%7.7%7.7%
未勝利0-0-0-100.0%0.0%0.0%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬4-5-4-456.9%15.5%22.4%
関西馬6-5-6-1035.0%9.2%14.2%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール2-1-0-240.0%60.0%60.0%
2川田将雅1-2-0-316.7%50.0%50.0%
3戸崎圭太1-1-1-125.0%50.0%75.0%
4北村友一1-1-0-225.0%50.0%50.0%
5蛯名正義1-0-2-033.3%33.3%100.0%
6M.デムーロ1-0-1-225.0%25.0%50.0%
7吉田隼人1-0-1-133.3%33.3%66.7%
8C.デムーロ1-0-0-150.0%50.0%50.0%
8石橋脩1-0-0-150.0%50.0%50.0%
10浜中俊0-1-0-40.0%20.0%20.0%
10田辺裕信0-1-0-40.0%20.0%20.0%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1中内田充正2-0-1-240.0%40.0%60.0%
2須貝尚介2-0-0-166.7%66.7%66.7%
3国枝栄1-1-0-050.0%100.0%100.0%
4松下武士1-0-0-150.0%50.0%50.0%
4藤沢和雄1-0-0-150.0%50.0%50.0%
4松永幹夫1-0-0-150.0%50.0%50.0%
4二ノ宮敬宇1-0-0-150.0%50.0%50.0%
8田村康仁1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9手塚貴久0-1-2-10.0%25.0%75.0%
10矢作芳人0-1-0-60.0%14.3%14.3%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1サンデーR3-2-1-1117.6%29.4%35.3%
2キャロット1-2-0-414.3%42.9%42.9%
3金子真人HD1-0-1-050.0%50.0%100.0%
4社台RH1-0-0-811.1%11.1%11.1%
5ダノックス1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5東京HR1-0-0-150.0%50.0%50.0%
7飯田正剛1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
7国本哲秀1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9ウイン0-1-0-30.0%25.0%25.0%
10由井健太郎0-1-0-10.0%50.0%50.0%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF6-5-2-2914.3%26.2%31.0%
2社台F2-1-0-1511.1%16.7%16.7%
3下河辺牧場1-1-2-120.0%40.0%80.0%
4千代田牧場1-0-0-325.0%25.0%25.0%
5コスモヴューF0-1-0-20.0%33.3%33.3%
5清水牧場0-1-0-10.0%50.0%50.0%
5天羽禮治0-1-0-00.0%100.0%100.0%
8ノースヒルズ0-0-1-30.0%0.0%25.0%
8追分F0-0-1-30.0%0.0%25.0%
10ビッグレッドF0-0-1-20.0%0.0%33.3%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ディープインパクト2-2-2-814.3%28.6%42.9%
2ダイワメジャー2-0-1-1213.3%13.3%20.0%
3ステイゴールド1-1-1-512.5%25.0%37.5%
4クロフネ1-0-1-225.0%25.0%50.0%
5エピファネイア1-0-0-325.0%25.0%25.0%
6ドゥラメンテ1-0-0-233.3%33.3%33.3%
6オルフェーヴル1-0-0-233.3%33.3%33.3%
8Frankel1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9ハーツクライ0-1-1-50.0%14.3%28.6%
10ルーラーシップ0-1-1-00.0%50.0%100.0%

※過去10年の阪神ジュベナイルF集計

レースガイド

■若き2歳牝馬による女王決定戦!

関西所属3歳馬(現2歳)によるチャンピオン決定戦である1948年創設の「阪神3歳ステークス(芝1200m)」を前身とする。当時より活躍を多く輩出する出世レースとして知られ、過去優勝馬にはコダマ(皐月賞・ダービー2冠)、タニノムーテイエ(皐月賞・ダービー2冠)、キタノカチドキ(皐月賞・菊花賞2冠)、テンポイント(TTG時代の1頭・顕彰馬)、サッカーボーイ(マイルCS等・種牡馬)などが名を馳せる。

距離に関しては1960年に1400mに延長され、1962年からは1600mとなり、以後長い間同条件で親しまれてきた。その後、関東馬チャンピオン(朝日杯3歳S)と関西馬チャンピオンを別々に決定する方式を見直し「牡馬」と「牝馬」のカテゴリーでのチャンピオンを決定する方式に変更することとなり、1991年に「阪神3歳牝馬ステークス」として生まれ変わり現在の原型となる。なお、1984年グレード制施行によりG1に格付されており、1995年に特別指定競走に指定され地方馬が出走可能になった。そして、2001年の馬齢表示の国際基準への変更に伴い「阪神ジュベナイルフィリーズ」と名称を変更されて現在のレース名に。2010年に国際G1競走に認定されて外国馬も出走可能な国際競走となっている。

2歳牝馬チャンピオン決定戦に変更後もクラシック競走やその他のG1競走に直結するレースとして重要な一戦であることは変わらず、特に桜花賞は同条件で行われる為、本競走の優勝馬は春の有力馬として扱われることが多い。本競走を制した後の活躍馬は、ニシノフラワー(桜花賞・スプリンターS)、ヒシアマゾン(エリザベス女王杯・ジャパンC2着)、メジロドーベル(オークス・ エリザベス女王杯)、テイエムオーシャン(桜花賞・秋華賞)などがあげられる。また、近年では2006年第58回優勝馬ウオッカは後のダービー馬となり、2008年第60回<ブエナビスタは牝馬2冠を達成。2009年第61回のアパパネは牝馬3冠馬となるなど、本競走の重要度はますます高まっていると言えるだろう。

本競走は2歳戦とあって、新馬勝ちから直行する1戦1勝馬や、500万勝ちの馬、既に重賞勝ちのある実績馬など、他のG1とは全くメンバー構成が異なるのも特徴。若駒ゆえに未知の要素が多く予想も難しいが、競馬ファンにとっては宝の原石を見つけるチャンスレースであるとも言える。