2024年菊花賞(G1)特集

京都11R/芝3000m/(国際) 牡・牝 (指)
2023菊花賞_ドゥレッツァ

出走予定注目馬

2024年クラシック世代の頂点に立った日本ダービー馬。皐月賞で無理をせず、ダービーで完璧に愛馬を操った横山典弘騎手をはじめとする陣営の努力に馬が最高の結果で答えた。秋は昨年のタスティエーラ同様、菊花賞への直行ローテを選択、1973年タケホープ以来となるダービー・菊の二冠を目指す。

牡3 美浦・武井亮 厩舎舎
アーバンシック

皐月賞、京成杯で見て取れるように父スワーヴリチャードの3歳時に似た不器用馬力型だったが、最内枠からソツのない競馬で快勝したセントライト記念で新味を見せた。この競馬ができれば戦法の幅が広がるだけに、操縦性が求められる最後の一冠でも十分にチャンスがある。

アルアインの孝行息子。前走のセントライト記念は外々から早め進出で直線先頭のシーンを作り、アーバンシックには差されたものの2着を確保。長くいい脚を使う好内容はさすが皐月賞2着馬、勝負どころでスッと動けた俊敏性には成長の跡もあり、本番へ向けて理想的な負け方といえる。まだ勝負付けはついていない。

毎日杯の勝ちっぷりから高いポテンシャルを誇示していたものの、皐月賞は暴走気味の逃げとなってレコード決着を演出する形に。復権を期す秋は初戦の神戸新聞杯から始動、8枠からけれんみのない逃げで重賞2勝目を挙げた。ここからさらに4ハロン延長、鞍上の腕が問われる一戦だ。

その他の別路線組では古馬相手に3勝クラスを勝ったヘデントール、阿賀野川特別を制して3連勝を決めたピースワンデュックの2頭は争覇圏に位置しており、マーク必須だろう。波乱決着のダービーから混戦ムードが漂うだけに、枠や馬場状態、展開を味方につけられる馬を吟味したい。

菊花賞(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1ピースワンデュック牡357柴田善臣
2ノーブルスカイ牡357池添謙一
3アスクカムオンモア牡357北村友一
4ダノンデサイル牡357横山典弘
5ハヤテノフクノスケ牡357岩田望来
6ミスタージーティー牡357坂井瑠星
7ビザンチンドリーム牡357A.シュタルケ
8ウエストナウ牡357西村淳也
9コスモキュランダ牡357M.デムーロ
10メイショウタバル牡357浜中俊
11ショウナンラプンタ牡357鮫島克駿
12シュバルツクーゲル牡357松山弘平
13アーバンシック牡357C.ルメール
14メリオーレム牡357川田将雅
15エコロヴァルツ牡357岩田康誠
16ヘデントール牡357戸崎圭太
17アドマイヤテラ牡357武豊
18アレグロブリランテ牡357横山和生

トライアル他結果

2024.05.26 東京11R 芝2400m 18頭 晴 良
日本ダービー

1着 ダノンデサイル (9人気)
2着 ジャスティンミラノ (1人気)
3着 シンエンペラー (7人気)
2024日本ダービー_ダノンデサイル

2024.09.16 中山11R 芝2200m 14頭 曇 良
セントライト記念3着以内優先出走

1着 アーバンシック (2人気)
2着 コスモキュランダ (1人気)
3着 エコロヴァルツ (3人気)
2024セントライト記念_アーバンシック

2024.09.22 中京11R 芝2200m 15頭 曇 稍重
神戸新聞杯3着以内優先出走

1着 メイショウタバル (2人気)
2着 ジューンテイク (3人気)
3着 ショウナンラプンタ (4人気)
2024神戸新聞杯_メイショウタバル

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
ピースワンデュック45610/16(水)美浦454
ノーブルスカイ46810/16(水)栗東466
アスクカムオンモア49010/17(木)栗東482
ダノンデサイル52610/16(水)栗東504
ハヤテノフクノスケ51810/16(水)栗東516
ミスタージーティー47610/17(木)栗東472
ビザンチンドリーム45810/17(木)栗東458
ウエストナウ49010/17(木)栗東492
コスモキュランダ51010/16(水)美浦504
メイショウタバル50210/16(水)栗東496
ショウナンラプンタ54410/17(木)栗東530
シュバルツクーゲル48510/16(水)美浦488
アーバンシック51510/16(水)美浦510
メリオーレム49010/16(水)栗東486
エコロヴァルツ49010/17(木)栗東484
ヘデントール48210/17(木)美浦480
アドマイヤテラ49210/17(木)栗東478
アレグロブリランテ47810/17(木)美浦466
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

菊花賞プレレーティング

馬名2024年度
レーティング
最高値
2024年
レーティング該当レース
アスクカムオンモア105 IプリンシパルS3着
アドマイヤテラ105 I,L若葉S4着
京都新聞杯4着
アレグロブリランテ106 MスプリングS2着
アーバンシック115 Lセントライト記念1着
ウエストナウ108 L京都新聞杯2着
エコロヴァルツ108 Lセントライト記念3着
コスモキュランダ118 I皐月賞2着
シュバルツクーゲル
ショウナンラプンタ111 L青葉賞2着
ダノンデサイル120 L東京優駿1着
ノーブルスカイ
ハヤテノフクノスケ108 I京成杯4着
ビザンチンドリーム109 Mきさらぎ賞1着
ピースワンデュック
ヘデントール
ミスタージーティー108 I若葉S1着
メイショウタバル113 M,L毎日杯1着
神戸新聞杯1着
メリオーレム106 IプリンシパルS2着

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)を掲載しています。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
(4)レーティングに付随するアルファベット(SMILE)は、そのレーティングを獲得したレースの競走距離を示すもので、区分は以下のとおりです。
S 【Sprint】 1,000m-1,300m [1,000m-1,599m(CAN/USA)]
M 【Mile】 1,301m-1,899m [1,600m-1,899m(CAN/USA)]
I 【Intermediate】 1,900m-2,100m
L 【Long】 2,101m-2,700m
E 【Extended】 2,701m-
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

菊花賞(G1)歴代優勝馬

2023.10.22 京都11R 芝3000m 17頭 晴 良
菊花賞

ドゥレッツァ
単勝 7.3倍 (4人気)
3:03.1 (34.6)
C.ルメール騎手
牡3 美浦・尾関知人厩舎
2023菊花賞_ドゥレッツァ

2022.10.23 阪神11R 芝3000m 18頭 晴 良
菊花賞

アスクビクターモア
単勝 4.1倍 (2人気)
R3:02.4 (36.9)
田辺裕信騎手
牡3 美浦・田村康仁厩舎
2022菊花賞_アスクビクターモア

2021.10.24 阪神11R 芝3000m 18頭 曇 良
菊花賞

タイトルホルダー
単勝 8.0倍 (4人気)
3:04.6 (35.1)
横山武史騎手
牡3 美浦・栗田徹厩舎
2021菊花賞_タイトルホルダー

2020.10.25 京都11R 芝3000m 18頭 晴 良
菊花賞

コントレイル
単勝 1.1倍 (1人気)
3:05.5 (35.2)
福永祐一騎手
牡3 栗東・矢作芳人厩舎
2020菊花賞_コントレイル

2019.10.20 京都11R 芝3000m 18頭 晴 良
菊花賞

ワールドプレミア
単勝 6.5倍 (3人気)
3:06.0 (35.8)
武豊騎手
牡3 栗東・友道康夫厩舎
2019菊花賞_ワールドプレミア

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ2-0-0-1115.4%15.4%15.4%
先行3-4-4-327.0%16.3%25.6%
差し5-6-5-616.5%14.3%20.8%
追込0-0-1-450.0%0.0%2.2%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気3-0-3-430.0%30.0%60.0%
2番人気1-3-0-610.0%40.0%40.0%
3番人気2-1-0-720.0%30.0%30.0%
4番人気2-2-1-520.0%40.0%50.0%
5番人気1-0-1-810.0%10.0%20.0%
6-9番人気1-3-3-332.5%10.0%17.5%
10番人気以下0-1-2-860.0%1.1%3.4%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠1-0-0-195.0%5.0%5.0%
2枠4-3-0-1320.0%35.0%35.0%
3枠1-0-0-195.0%5.0%5.0%
4枠0-1-1-180.0%5.0%10.0%
5枠0-2-2-160.0%10.0%20.0%
6枠1-2-1-165.0%15.0%20.0%
7枠2-1-4-226.9%10.3%24.1%
8枠1-1-2-263.3%6.7%13.3%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着4-2-6-476.8%10.2%20.3%
2着3-4-3-1313.0%30.4%43.5%
3着2-3-0-1510.0%25.0%25.0%
4着0-0-0-100.0%0.0%0.0%
5着0-0-1-130.0%0.0%7.1%
6-9着0-1-0-320.0%3.0%3.0%
10着以下1-0-0-195.0%5.0%5.0%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
日本ダービー0-1-0-10.0%50.0%50.0%
阿賀野川特別0-0-2-30.0%0.0%40.0%
札幌記念0-1-0-30.0%25.0%25.0%
新潟記念0-0-0-40.0%0.0%0.0%
セントライト記念3-3-2-396.4%12.8%17.0%
神戸新聞杯5-4-4-527.7%13.8%20.0%
その他2-1-2-473.8%5.8%9.6%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬4-2-3-467.3%10.9%16.4%
関西馬6-8-7-1034.8%11.3%16.9%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール3-2-1-237.5%62.5%75.0%
2福永祐一1-3-1-411.1%44.4%55.6%
3M.デムーロ1-1-0-612.5%25.0%25.0%
4武豊1-0-2-611.1%11.1%33.3%
5横山武史1-0-1-133.3%33.3%66.7%
6田辺裕信1-0-0-712.5%12.5%12.5%
7北村宏司1-0-0-325.0%25.0%25.0%
8酒井学1-0-0-233.3%33.3%33.3%
9吉田隼人0-1-1-10.0%33.3%66.7%
10藤岡佑介0-1-0-40.0%20.0%20.0%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1友道康夫1-1-2-97.7%15.4%30.8%
2池江泰寿1-1-0-117.7%15.4%15.4%
3矢作芳人1-1-0-514.3%28.6%28.6%
4手塚貴久1-0-1-133.3%33.3%66.7%
5尾関知人1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5田村康仁1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5谷潔1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5角居勝彦1-0-0-150.0%50.0%50.0%
9清水久詞1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9栗田徹1-0-0-0100.0%100.0%100.0%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1キャロット1-2-1-610.0%30.0%40.0%
2サンデーR1-1-0-108.3%16.7%16.7%
3里見治1-0-0-516.7%16.7%16.7%
4前田晋二1-0-0-150.0%50.0%50.0%
4廣崎利洋HD1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6大塚亮一1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6大野商事1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6石川達絵1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6山田弘1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6東豊物産1-0-0-0100.0%100.0%100.0%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF4-7-7-555.5%15.1%24.7%
2社台F1-2-2-135.6%16.7%27.8%
3ノースヒルズ1-0-0-325.0%25.0%25.0%
4岡田スタツド1-0-0-233.3%33.3%33.3%
5下河辺牧場1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6ヤナガワ牧場1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6竹島幸治1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8平山牧場0-1-0-00.0%100.0%100.0%
9北勝F0-0-1-00.0%0.0%100.0%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ディープインパクト5-2-3-1917.2%24.1%34.5%
2ドゥラメンテ2-0-0-433.3%33.3%33.3%
3ルーラーシップ1-0-0-614.3%14.3%14.3%
4ブラックタイド1-0-0-420.0%20.0%20.0%
5スペシャルウィーク1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6エピファネイア0-2-1-30.0%33.3%50.0%
7ステイゴールド0-2-0-100.0%16.7%16.7%
8スクリーンヒーロー0-1-1-20.0%25.0%50.0%
9ネオユニヴァース0-1-0-30.0%25.0%25.0%
10ディープスカイ0-1-0-10.0%50.0%50.0%

※過去10年の菊花賞集計

レースガイド

■全馬が未知の長距離レース!三冠最終戦!

繁殖馬選定レースとしての意味合いを持つイギリスのクラシック競走の中で、3歳牡馬・牝馬限定戦のセントレジャーステークス(ドンカスター・1マイル6ハロン132ヤード)を模範として1938年に「京都農林省賞典四歳呼馬」(京都・芝3000m)の名で創設された。1932年創設「東京優駿大競走(現在の日本ダービー)」と1939年創設「横浜農林省賞典四歳呼馬(現在の皐月賞)」と併せて日本のクラシック三冠が形成された。1948年第9回より名称を現在の「菊花賞」に変更。その後、1979年の京都競馬場のスタンド改修により阪神で開催された第40回を除き、全て京都の芝3000mで施行されている伝統の3歳長距離レースである。

1984年グレード制施行によりG1に格付、1995年に指定交流競走となり地方馬が出走可能に。2001年からは外国産馬の出走が可能となり、2010年には国際G1競走に認定され、ダービー・皐月賞と同様に外国産馬・海外調教馬をあわせて最大9頭まで出走可能となった。京都競馬場特有の2度の坂越えがある3000mを制するには、豊富なスタミナと併せてスピードも必須な為、三冠レースの格言では「最も強い馬が勝つ」との集大成を表す言葉が用いられる。なお、以前は本競走の前に3歳以上の嵐山ステークスという3000mのレースがあったが、現在は本競走の前に同距離のレースはなく、出走する全馬にとってまさに未知の距離を走ることとなる。

世界競馬の主流がミドルディスタンスに移行する中で、本競走は天皇賞(春)や阪神大賞典と並ぶ人気を誇る長距離レースの側面を持つと言える。春のクラシックシーズンを賑わした実績組と夏場から急成長を遂げた新興勢力が対戦する構図もその要因かもしれない。また本競走を制した馬には、天皇賞(春)を連覇した名ステイヤー・メジロマックイーン、最強の兄弟と言われるビワハヤヒデ・ナリタブライアン、変幻自在の脚質で賑わせたマヤノトップガン、もはや説明のいらない英雄ディープインパクトなどがいる。これからの時代を築く歴史的名馬が生まれる瞬間に立ち会えるのも本競走の魅力だろう。

どの馬にとってもの淀の3000mは未知の経験となるだけに、3分の間トップジョッキー達が繰り広げる駆け引きもまた見どころの一つである。俗に淀の坂は「じっくり登り」「じっくり下る」がセオリーと言われるが、それがG1の舞台で2度もあるだから一筋縄ではいかないのも事実。世代最後のクラシックホースの誕生の瞬間を腰を据えて「じっくり」と見守りたい。