2024年阪神ジュベナイルF(G1)特集

京都11R/芝1600m/(国際)牝(指)
2023阪神ジュベナイルF_アスコリピチェーノ

出走予定注目馬

母は米ダートG2勝ち馬フォエヴァーダーリングで、国内外のダート最高峰で大活躍を見せているフォーエバーヤングの半妹。中山芝1800mの新馬戦を先行押し切りで制すと、次走のアルテミスステークスでは距離短縮ながら流れに乗って2着ミストレスに1馬身1/4差をつけて重賞初制覇を飾った。無傷の3連勝で2歳女王を狙う。

サートゥルナーリア産駒らしく身体能力抜群で、6月東京マイルの新馬戦ではラスト5ハロン57秒7とG1級のラップを叩き出した。1番人気に推された新潟2歳ステークスでは出遅れや道中の動きなど随所に若さを見せ、素質馬トータルクラリティに半馬身及ばなかったものの、強い内容の2着。脚力は世代トップクラスとみてよく、初の右回りをクリアできれば結果はついてくる。

新馬戦は1番人気の支持を受けながら後方追走で6着に終わったが、京都芝1400mの未勝利戦をラスト2ハロン11秒9-11秒6の加速ラップで突破すると、陣営の好判断で少頭数のデイリー杯2歳ステークスに登録、7頭立ての一戦をそつなく制してG2ウイナーとなった。レースレベルが格段に上がるため、試金石の一戦となる。

京王杯2歳S勝ち、朝日杯FS2着のモンドキャンノをおじに持ち、早くから動ける血統背景を証明するように札幌の新馬戦を逃げ切ると、次走の札幌2歳ステークスでは一転して差しに回し、上がり3ハロン最速の末脚で勝ち馬マジックサンズをハナ差まで追い詰めた。牡馬相手の健闘だけに価値は高く、距離短縮をこなせば上位争いだろう。

牝2 栗東・本田優 厩舎
ダンツエラン

2000年のBCスプリント覇者コナゴールドが出ている牝系出身で、新潟マイルの新馬戦ではスローの番手から難なく抜け出し、りんどう賞では逃げを打って3着、次走のファンタジーステークスでは不良馬場をしぶとく伸び、モズナナスターとのきわどい争いをハナ差制して重賞タイトルをゲットした。収得賞金は足りただけに、来年の路線を占う一戦になる。

その他レース史上初めて海外から参戦するメイデイレディはキャリア4戦3勝、キーンランドの芝8.5ハロンのG2ジェサミンステークスを勝ち、G1・BCジュベナイルフィリーズターフでも2着に好走したアメリカ最強クラスの才媛。長距離遠征、詰まったローテ、初の右回りなど懸念は多いが、果敢な挑戦に敬意を表し、鞍上のランフランコ・デットーリ騎手ともども注目したい。

阪神JF(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1ビップデイジー牝255幸英明
2テリオスララ牝255M.デムーロ
3ダンツエラン牝255団野大成
4ジャルディニエ牝255北村友一
5ジューンエオス牝255藤岡佑介
6モズナナスター牝255田口貫太
7ミストレス牝255坂井瑠星
8カワキタマナレア牝255鮫島克駿
9ショウナンザナドゥ牝255池添謙一
10ブラウンラチェット牝255C.ルメール
11クリノメイ牝255荻野琢真
12アルマヴェローチェ牝255岩田望来
13コートアリシアン牝255戸崎圭太
14ランフォーヴァウ牝255松山弘平
15リリーフィールド牝255武豊
16スリールミニョン牝255永島まなみ
17メイデイレディ牝255L.デットーリ
18ミーントゥビー牝255松岡正海

参考レース結果

2024.10.26 東京11R 芝1600m 11頭 曇 良
アルテミスS

1着 ブラウンラチェット (3人気)
2着 ミストレス (7人気)
3着 ショウナンザナドゥ (2人気)
2024アルテミスS_ブラウンラチェット

2024.11.02 京都11R 芝1400m 15頭 雨 不良
ファンタジーS

1着 ダンツエラン (4人気)
2着 モズナナスター (10人気)
3着 ベルビースタローン (15人気)
2024ファンタジーS_ダンツエラン

2024.11.09 京都11R 芝1600m 7頭 晴 良
デイリー杯2歳S

1着 ランフォーヴァウ (1人気)
4着 エイヨーアメジスト (6人気)
6着 ロヴィーサ (4人気)
2024デイリー杯2歳S_ランフォーヴァウ

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
アルマヴェローチェ48412/5(木)栗東484
カワキタマナレア42812/5(木)栗東424
クリノメイ44612/5(木)栗東444
コートアリシアン44812/5(木)美浦434
ジャルディニエ44612/4(水)栗東454
ジューンエオス49012/4(水)栗東478
ショウナンザナドゥ44412/5(木)栗東438
スリールミニョン43812/4(水)栗東432
ダンツエラン  49212/4(水)栗東486
テリオスララ  48612/4(水)美浦496
ビップデイジー43612/5(木)栗東438
ブラウンラチェット43012/5(木)美浦440
ミストレス49612/5(木)栗東496
ミーントゥビー44612/4(水)美浦438
メイデイレディ45012/4(水)京都海外
モズナナスター 45012/4(水)栗東448
ランフォーヴァウ44412/4(水)栗東450
リリーフィールド43212/4(水)栗東428
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

阪神JFプレレーティング

馬名2024年度
レーティング
最高値
2024年
レーティング該当レース
アルマヴェローチェ107札幌2歳S2着
イリフィ
ウォーターガーベラ
カワキタマナレア103シンガポールTC賞1着
キョウエイボニータ
クリノメイ
コートアリシアン106新潟2歳S2着
サンナイアガラ
ジャルディニエ
ジューンエオス
ショウナンザナドゥ105アルテミスS3着
スリールミニョン101ききょうS1着
ダンツエラン106ファンタジーS1着
ティラトーレ
テリオスララ104萩S1着
テレサ
ビップデイジー
ブラウンラチェット108アルテミスS1着
ベルビースタローン105ファンタジーS3着
ミストレス105アルテミスS2着
ミーントゥビー93ダリア賞3着
モズナナスター105ファンタジーS2着
ラブアイミー
ランフォーヴァウ107デイリー杯2歳S1着
リリーフィールド101もみじS1着

外国馬
馬名性齢レーティング調教国
メイデイレディ牝2111アメリカ

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)を掲載しています。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

阪神ジュベナイルF(G1)歴代優勝馬

2023.12.10 阪神11R 芝1600m 18頭 晴 良
阪神ジュベナイルF

アスコリピチェーノ
単勝 5.9倍 (3人気)
1:32.6 (33.7)
北村宏司騎手
牝2 美浦・黒岩陽一厩舎
2023阪神ジュベナイルF_アスコリピチェーノ

2022.12.11 阪神11R 芝1600m 18頭 晴 良
阪神ジュベナイルF

リバティアイランド
単勝 2.6倍 (1人気)
1:33.1 (35.5)
川田将雅騎手
牝2 栗東・中内田充正厩舎
2022阪神ジュベナイルF_リバティアイランド

2021.12.12 阪神11R 芝1600m 18頭 晴 良
阪神ジュベナイルF

サークルオブライフ
単勝 5.6倍 (3人気)
1:33.8 (33.9)
M.デムーロ騎手
牝2 美浦・国枝栄厩舎
2021阪神ジュベナイルF_サークルオブライフ

2020.12.13 阪神11R 芝1600m 18頭 曇 良
阪神ジュベナイルF

ソダシ
単勝 3.2倍 (1人気)
1:33.1 (34.2)
吉田隼人騎手
牝2 栗東・須貝尚介厩舎
2020阪神ジュベナイルF_ソダシ

2019.12.08 阪神11R 芝1600m 16頭 曇 良
阪神ジュベナイルF

レシステンシア
単勝 11.2倍 (4人気)
R1:32.7 (35.2)
北村友一騎手
牝2 栗東・松下武士厩舎
2019阪神ジュベナイルF_レシステンシア

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ1-0-0-910.0%10.0%10.0%
先行3-1-1-367.3%9.8%12.2%
差し5-7-8-526.9%16.7%27.8%
追込1-2-1-511.8%5.5%7.3%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気5-0-0-550.0%50.0%50.0%
2番人気1-4-1-410.0%50.0%60.0%
3番人気2-1-3-420.0%30.0%60.0%
4番人気1-0-4-510.0%10.0%50.0%
5番人気1-1-0-810.0%20.0%20.0%
6-9番人気0-2-1-370.0%5.0%7.5%
10番人気以下0-2-1-850.0%2.3%3.4%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠2-0-0-1810.0%10.0%10.0%
2枠1-1-3-155.0%10.0%25.0%
3枠1-1-0-185.0%10.0%10.0%
4枠1-2-0-175.0%15.0%15.0%
5枠2-2-2-1410.0%20.0%30.0%
6枠1-2-3-145.0%15.0%30.0%
7枠1-1-2-253.4%6.9%13.8%
8枠1-1-0-273.4%6.9%6.9%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着8-7-4-758.5%16.0%20.2%
2着2-1-4-236.7%10.0%23.3%
3着0-1-1-80.0%10.0%20.0%
4着0-0-0-90.0%0.0%0.0%
5着0-1-0-70.0%12.5%12.5%
6-9着0-0-1-150.0%0.0%6.3%
10着以下0-0-0-110.0%0.0%0.0%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
新潟2歳S1-0-0-420.0%20.0%20.0%
アルテミスS5-3-3-1916.7%26.7%36.7%
ファンタジーS2-0-2-315.7%5.7%11.4%
京王杯2歳S0-1-2-20.0%20.0%60.0%
その他重賞0-0-2-140.0%0.0%12.5%
オープン特別1-1-0-108.3%16.7%16.7%
1勝クラス1-4-1-461.9%9.6%11.5%
新馬・未勝利0-1-0-220.0%4.3%4.3%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬5-6-4-418.9%19.6%26.8%
関西馬5-4-6-1074.1%7.4%12.3%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール2-2-0-233.3%66.7%66.7%
2川田将雅1-1-0-320.0%40.0%40.0%
3北村友一1-1-0-225.0%50.0%50.0%
4吉田隼人1-0-1-133.3%33.3%66.7%
5M.デムーロ1-0-1-133.3%33.3%66.7%
6蛯名正義1-0-1-050.0%50.0%100.0%
7C.デムーロ1-0-0-150.0%50.0%50.0%
7北村宏司1-0-0-150.0%50.0%50.0%
7石橋脩1-0-0-150.0%50.0%50.0%
10戸崎圭太0-1-1-10.0%33.3%66.7%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1中内田充正2-0-1-240.0%40.0%60.0%
2国枝栄1-2-0-033.3%100.0%100.0%
3黒岩陽一1-1-0-050.0%100.0%100.0%
4須貝尚介1-0-0-233.3%33.3%33.3%
5松下武士1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5藤沢和雄1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5松永幹夫1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5二ノ宮敬宇1-0-0-150.0%50.0%50.0%
9田村康仁1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
10手塚貴久0-1-2-10.0%25.0%75.0%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1サンデーR4-2-0-926.7%40.0%40.0%
2キャロット1-1-0-514.3%28.6%28.6%
3金子真人HD1-0-1-050.0%50.0%100.0%
4社台RH1-0-0-712.5%12.5%12.5%
5ダノックス1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6飯田正剛1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
6国本哲秀1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8ウイン0-1-0-30.0%25.0%25.0%
9吉田勝己0-1-0-20.0%33.3%33.3%
10由井健太郎0-1-0-10.0%50.0%50.0%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF7-5-2-3215.2%26.1%30.4%
2下河辺牧場1-1-2-120.0%40.0%80.0%
3社台F1-1-0-155.9%11.8%11.8%
4千代田牧場1-0-0-325.0%25.0%25.0%
5コスモヴューF0-1-0-20.0%33.3%33.3%
6清水牧場0-1-0-10.0%50.0%50.0%
7天羽禮治0-1-0-00.0%100.0%100.0%
8ビッグレッドF0-0-2-20.0%0.0%50.0%
9ノースヒルズ0-0-1-30.0%0.0%25.0%
10フジワラF0-0-1-10.0%0.0%50.0%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ダイワメジャー3-0-1-1120.0%20.0%26.7%
2ディープインパクト2-1-2-815.4%23.1%38.5%
3エピファネイア1-1-0-416.7%33.3%33.3%
4クロフネ1-0-1-133.3%33.3%66.7%
5オルフェーヴル1-0-0-325.0%25.0%25.0%
6ドゥラメンテ1-0-0-233.3%33.3%33.3%
7Frankel1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8ハーツクライ0-1-1-60.0%12.5%25.0%
9ステイゴールド0-1-1-40.0%16.7%33.3%
10ルーラーシップ0-1-1-00.0%50.0%100.0%

※過去10年の阪神ジュベナイルF集計

レースガイド

■若き2歳牝馬による女王決定戦!

関西所属3歳馬(現2歳)によるチャンピオン決定戦である1948年創設の「阪神3歳ステークス(芝1200m)」を前身とする。当時より活躍を多く輩出する出世レースとして知られ、過去優勝馬にはコダマ(皐月賞・ダービー2冠)、タニノムーテイエ(皐月賞・ダービー2冠)、キタノカチドキ(皐月賞・菊花賞2冠)、テンポイント(TTG時代の1頭・顕彰馬)、サッカーボーイ(マイルCS等・種牡馬)などが名を馳せる。

距離に関しては1960年に1400mに延長され、1962年からは1600mとなり、以後長い間同条件で親しまれてきた。その後、関東馬チャンピオン(朝日杯3歳S)と関西馬チャンピオンを別々に決定する方式を見直し「牡馬」と「牝馬」のカテゴリーでのチャンピオンを決定する方式に変更することとなり、1991年に「阪神3歳牝馬ステークス」として生まれ変わり現在の原型となる。なお、1984年グレード制施行によりG1に格付されており、1995年に特別指定競走に指定され地方馬が出走可能になった。そして、2001年の馬齢表示の国際基準への変更に伴い「阪神ジュベナイルフィリーズ」と名称を変更されて現在のレース名に。2010年に国際G1競走に認定されて外国馬も出走可能な国際競走となっている。

2歳牝馬チャンピオン決定戦に変更後もクラシック競走やその他のG1競走に直結するレースとして重要な一戦であることは変わらず、特に桜花賞は同条件で行われる為、本競走の優勝馬は春の有力馬として扱われることが多い。本競走を制した後の活躍馬は、ニシノフラワー(桜花賞・スプリンターS)、ヒシアマゾン(エリザベス女王杯・ジャパンC2着)、メジロドーベル(オークス・ エリザベス女王杯)、テイエムオーシャン(桜花賞・秋華賞)などがあげられる。また、近年では2006年第58回優勝馬ウオッカは後のダービー馬となり、2008年第60回<ブエナビスタは牝馬2冠を達成。2009年第61回のアパパネは牝馬3冠馬となるなど、本競走の重要度はますます高まっていると言えるだろう。

本競走は2歳戦とあって、新馬勝ちから直行する1戦1勝馬や、500万勝ちの馬、既に重賞勝ちのある実績馬など、他のG1とは全くメンバー構成が異なるのも特徴。若駒ゆえに未知の要素が多く予想も難しいが、競馬ファンにとっては宝の原石を見つけるチャンスレースであるとも言える。