2023年スプリンターズS(G1)特集

中山11R/芝1200m/(国際)(指)
2022スプリンターズS_ジャンダルム

出走予定注目馬

牝5 栗東・武英智 厩舎
メイケイエール

現役屈指のスプリンターにして稀代の個性派。勝ち得た6つの重賞タイトルから実力は折り紙付きだが、G1では【0-0-0-8】と噛み合わない走りが続く。キャリアの終わりが近づく5歳牝馬の秋、悲願を達成して有終の美を飾りたい。

牡4 栗東・安田隆行 厩舎
アグリ

快速馬Caravaggioの血を3歳夏からの4連勝で証明した新鋭。春G1の2戦は不良馬場と香港で健闘といえる結果、前走のセントウルSでは差し競馬の2着と戦い方に幅が出てきた。円熟期を迎えた今秋は頂点獲りに現実味が出ている。

2歳時からG1上位の常連で、キャリア14戦で掲示板を外したのは2走前のヴィクトリアマイル(8着)のみという堅実ぶりが光る。前走のキーンランドCでは重馬場ものかはといった貫禄勝ちを決めた。外々を回す形になった昨年のリベンジなるか。

牝4 栗東・池江泰寿 厩舎
ママコチャ

ソダシの全妹にあたる良血。安土城Sを1分19秒0の好時計で圧勝し、初の1200m重賞挑戦となった北九州記念ではジャスパークローネから0秒1差の2着と高い順応力を披露した。机上の計算ならスピードはG1でも通用、枠次第では怖い存在になる。

牡7 美浦・宗像義忠 厩舎
ナランフレグ

宗像義忠厩舎×丸田恭介騎手と玄人好みのタッグが育てた異色のゴールドアリュール産駒。昨年の香港スプリント以降の5戦では馬券圏内を外しているものの、高松宮記念4着の走りは見逃せない。馬場が渋れば鮮やかなイン突きで激走も。

その他CBC賞、北九州記念を連勝したサマースプリント王者・ジャスパークローネ、夏の北海道シリーズで好走したトウシンマカオ、復活を期す一昨年の覇者ピクシーナイト、未完の大器マッドクールなども秋の短距離王に名乗りを上げている。

スプリンターズS(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1ナムラクレア牝456浜中俊
2テイエムスパーダ牝456富田暁
3ピクシーナイト牡558戸崎圭太
4ナランフレグ牡758丸田恭介
5ウインマーベル牡458松山弘平
6ママコチャ牝456川田将雅
7オールアットワンス牝556石川裕紀人
8メイケイエール牝556池添謙一
9アグリ牡458横山典弘
10マッドクール牡458坂井瑠星
11ジュビリーヘッド牡658北村友一
12ドルチェモア牡356西村淳也
13ジャスパークローネ牡458団野大成
14エイシンスポッター牡458角田大河
15キミワクイーン牝456横山武史
16モズメイメイ牝354武豊

前哨戦・重賞結果

2023.06.11 函館11R 芝1200m 16頭 曇 良
函館スプリントS

1着 キミワクイーン (3人気)
2着 ジュビリーヘッド (5人気)
3着 トウシンマカオ (1人気)
2023函館スプリントS_キミワクイーン

2023.07.02 中京11R 芝1200m 12頭 晴 良
CBC賞

2023.08.20 小倉11R 芝1200m 18頭 晴 良
北九州記念

1着 ジャスパークローネ (5人気)
2着 ママコチャ (1人気)
3着 ストーンリッジ (9人気)
2023北九州記念_ジャスパークローネ

2023.08.27 札幌11R 芝1200m 16頭 曇 重
キーンランドC1着優先出走

1着 ナムラクレア (1人気)
2着 シナモンスティック (8人気)
3着 トウシンマカオ (2人気)
キーンランドC_ナムラクレア

2023.09.10 阪神11R 芝1200m 15頭 曇 良
セントウルS1着優先出走

1着 テイエムスパーダ (14人気)
2着 アグリ (2人気)
3着 スマートクラージュ (5人気)
セントウルS_テイエムスパーダ

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
アグリ5029/27(水)栗東492
ウインマーベル4709/27(水)美浦474
エイシンスポッター5089/28(木)栗東508
オールアットワンス4909/27(水)美浦474
キミワクイーン4469/28(木)美浦448
ジャスパークローネ4989/27(水)栗東482
ジュビリーヘッド4809/27(水)栗東472
テイエムスパーダ5089/27(水)栗東498
ドルチェモア4769/28(木)栗東474
ナムラクレア4829/28(木)栗東468
ナランフレグ5049/28(木)美浦498
ピクシーナイト5409/28(木)栗東534
マッドクール5409/28(木)栗東534
ママコチャ5069/28(木)栗東492
メイケイエール4969/27(水)栗東480
モズメイメイ4729/28(木)栗東458
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね65分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

スプリンターズSプレレーティング

馬名2023年度
レーティング
最高値
2023年
レーティング該当レース
アグリ110 M阪急杯1着
ウインマーベル111 M京王杯SC2着
エイシンスポッター105 S鞍馬S1着
オールアットワンス102 SアイビスSD1着
キミワクイーン104 S函館SS1着
ジャスパークローネ110 S北九州記念1着
ジャングロ
ジュビリーヘッド106 S函館SS2着
テイエムスパーダ107 SセントウルS1着
トウシンマカオ109 SキーンランドC3着
ドルチェモア
ナムラクレア110 SシルクロードS1着
ナランフレグ111 S高松宮記念4着
ピクシーナイト
ボンボヤージ101 SセントウルS4着
マッドクール107 SシルクロードS3着
春雷S1着
ママコチャ105 S,M安土城S1着
北九州記念2着
メイケイエール
モズメイメイ108 S,Mチューリップ賞1着
葵S1着

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)と、昨年度のJPNサラブレッドランキングの数値を掲載しています。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
(4)レーティングに付随するアルファベット(SMILE)は、そのレーティングを獲得したレースの競走距離を示すもので、区分は以下のとおりです。
S 【Sprint】 1,000m-1,300m [1,000m-1,599m(CAN/USA)]
M 【Mile】 1,301m-1,899m [1,600m-1,899m(CAN/USA)]
I 【Intermediate】 1,900m-2,100m
L 【Long】 2,101m-2,700m
E 【Extended】 2,701m-
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

スプリンターズS(G1)歴代優勝馬

2022.10.02 中山11R 芝1200m 16頭 晴 良
スプリンターズS

ジャンダルム
単勝 20.3倍 (8人気)
1:07.8 (34.6)
荻野極騎手
牡7 栗東・池江泰寿厩舎
2022スプリンターズS_ジャンダルム

2021.10.03 中山11R 芝1200m 16頭 晴 良
スプリンターズS

ピクシーナイト
単勝 5.3倍 (3人気)
1:07.1 (33.4)
福永祐一騎手
牡3 栗東・音無秀孝厩舎
2021スプリンターズS_ピクシーナイト

2020.10.04 中山11R 芝1200m 16頭 曇 良
スプリンターズS

グランアレグリア
単勝 2.2倍 (1人気)
1:08.3 (33.6)
C.ルメール騎手
牝4 美浦・藤沢和雄厩舎
2020スプリンターズS_グランアレグリア

2019.09.29 中山11R 芝1200m 16頭 曇 良
スプリンターズS

タワーオブロンドン
単勝 2.9倍 (2人気)
1:07.1 (33.5)
C.ルメール騎手
牡4 美浦・藤沢和雄厩舎
2019スプリンターズS_タワーオブロンドン

2018.09.30 中山11R 芝1200m 16頭 雨 稍重
スプリンターズS

ファインニードル
単勝 2.8倍 (1人気)
1:08.3 (34.5)
川田将雅騎手
牡5 栗東・高橋義忠厩舎
2018スプリンターズS_ファインニードル

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ0-3-1-60.0%30.0%40.0%
先行2-3-2-275.9%14.7%20.6%
差し7-4-4-4811.1%17.5%23.8%
追込1-0-3-491.9%1.9%7.5%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気5-0-1-450.0%50.0%60.0%
2番人気1-4-0-510.0%50.0%50.0%
3番人気2-2-0-620.0%40.0%40.0%
4番人気0-0-0-100.0%0.0%0.0%
5番人気0-1-2-70.0%10.0%30.0%
6-9番人気1-1-3-352.5%5.0%12.5%
10番人気以下1-2-4-641.4%4.2%9.9%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠2-1-3-1410.0%15.0%30.0%
2枠1-2-1-165.0%15.0%20.0%
3枠0-0-4-160.0%0.0%20.0%
4枠3-3-0-1415.0%30.0%30.0%
5枠2-2-0-1510.5%21.1%21.1%
6枠0-1-0-190.0%5.0%5.0%
7枠1-0-1-194.8%4.8%9.5%
8枠1-1-1-184.8%9.5%14.3%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着4-3-3-2212.5%21.9%31.3%
2着2-3-1-207.7%19.2%23.1%
3着1-0-1-146.3%6.3%12.5%
4着1-1-1-710.0%20.0%30.0%
5着0-0-2-80.0%0.0%20.0%
6-9着1-0-2-352.6%2.6%7.9%
10着以下1-3-0-253.4%13.8%13.8%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
安田記念2-1-1-620.0%30.0%40.0%
函館スプリントS0-1-0-50.0%16.7%16.7%
CBC賞1-0-0-233.3%33.3%33.3%
北九州記念1-1-1-184.8%9.5%14.3%
キーンランドC1-1-4-372.3%4.7%14.0%
セントウルS5-4-2-429.4%17.0%20.8%
その他0-2-2-210.0%8.0%16.0%

年齢

年齢成績勝率連対率3着内率
3歳馬1-2-1-155.3%15.8%21.1%
4歳馬2-3-4-187.4%18.5%33.3%
5歳馬3-4-1-396.4%14.9%17.0%
6歳馬3-0-3-288.8%8.8%17.6%
7歳上1-1-1-312.9%5.9%8.8%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬5-2-3-2514.3%20.0%28.6%
関西馬5-8-7-1034.1%10.6%16.3%
外国馬0-0-0-30.0%0.0%0.0%

性別

性別成績勝率連対率3着内率
牡馬・セン馬8-5-5-887.5%12.3%17.0%
牝馬2-5-5-433.6%12.7%21.8%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール2-1-0-240.0%60.0%60.0%
2M.デムーロ2-0-0-250.0%50.0%50.0%
3岩田康誠1-2-0-611.1%33.3%33.3%
4川田将雅1-1-1-316.7%33.3%50.0%
5福永祐一1-0-0-614.3%14.3%14.3%
5戸崎圭太1-0-0-614.3%14.3%14.3%
7大野拓弥1-0-0-325.0%25.0%25.0%
8荻野極1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9松山弘平0-2-1-20.0%40.0%60.0%
10横山典弘0-1-0-50.0%16.7%16.7%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1尾関知人2-1-0-333.3%50.0%50.0%
2藤沢和雄2-0-0-166.7%66.7%66.7%
3音無秀孝1-2-0-316.7%50.0%50.0%
4安田隆行1-1-2-610.0%20.0%40.0%
5藤原英昭1-1-0-416.7%33.3%33.3%
6高木登1-0-0-325.0%25.0%25.0%
7高橋義忠1-0-0-150.0%50.0%50.0%
7池江泰寿1-0-0-150.0%50.0%50.0%
9森田直行0-1-0-60.0%14.3%14.3%
10梅田智之0-1-0-40.0%20.0%20.0%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1東京HR2-0-1-428.6%28.6%42.9%
2ゴドルフィン2-0-0-625.0%25.0%25.0%
3廣崎利洋HD1-1-0-320.0%40.0%40.0%
4前田幸治1-0-0-712.5%12.5%12.5%
5シルクR1-0-0-516.7%16.7%16.7%
6サンデーR1-0-0-325.0%25.0%25.0%
6岡田牧雄1-0-0-325.0%25.0%25.0%
8ロードHC1-0-0-150.0%50.0%50.0%
9ダノックス0-1-1-10.0%33.3%66.7%
10増田陽一0-1-0-30.0%25.0%25.0%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF2-2-1-198.3%16.7%20.8%
2社台F2-0-1-720.0%20.0%30.0%
3ダーレーJF2-0-0-625.0%25.0%25.0%
4ケイアイF1-1-1-220.0%40.0%60.0%
5岡本牧場1-1-0-050.0%100.0%100.0%
6イワミ牧場1-0-0-325.0%25.0%25.0%
7North Hills1-0-0-150.0%50.0%50.0%
8奥山博0-1-0-30.0%25.0%25.0%
8清水牧場0-1-0-30.0%25.0%25.0%
10Alpha Delta Stables0-1-0-20.0%33.3%33.3%
10山田牧場0-1-0-20.0%33.3%33.3%
10白井牧場0-1-0-20.0%33.3%33.3%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1スウェプトオーヴァーボード2-0-1-240.0%40.0%60.0%
2ディープインパクト1-1-1-89.1%18.2%27.3%
2アドマイヤムーン1-1-1-89.1%18.2%27.3%
4キングカメハメハ1-1-0-416.7%33.3%33.3%
5フジキセキ1-1-0-133.3%66.7%66.7%
6アドマイヤコジーン1-0-0-516.7%16.7%16.7%
7Kitten’s Joy1-0-0-150.0%50.0%50.0%
8Raven’s Pass1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8モーリス1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
10ロードカナロア0-1-1-80.0%10.0%20.0%

※過去10年の大阪杯集計

レースガイド

■秋季G1の開幕を告げる電撃の6ハロン戦

日本競馬で初となる短距離重賞「スプリンターズステークス」(中山・芝1200m)として1967年に創設。第1~2回はハンデキャップ競走として施行。第3回以降の1969年より別定重量に変更されると、施行時期が主に10月となる秋季へ移行。以後1981~1983年まで2月末に施行された。

そして1984年のグレード制導に伴いG3に格付けと同時に、京王杯スプリングCや安田記念などのステップとして3月に施行時期を変更された。その後1987年のG2への格上を経て、1990年・第24回にてG1へ昇格し暮れのスプリント戦(別定重量)として12月の施行となった。本競走も他の重賞と同様に1994年より国際競走となり外国調教馬が、翌1995年には指定競走となり地方所属馬にも出走可能となった。

2000年の距離体系整備に伴い第34回より施行時期が現在の秋季初めに移行し、秋G1の開幕戦となっている。なお、2005年より世界各国のスプリント戦をまたにかけて争われる「グローバルスプリントチャレンジ」に組み込まれ(2010年までは第6戦、2011年は第7戦、2012年からは第8戦)現在に至っている。

また、上記シリーズの一戦となったこともあり外国馬の挑戦も多く、2005年サイレントウィットネス(香港)、2006年テイクオーバーターゲット(オーストラリア)、2010年ウルトラファンタジー(香港)などが優勝を飾っているのも特徴である。

能力の高い馬が全盛を極める期間が比較的長いとされる中長距離と違い、スプリント戦はスタートを含めて一瞬の駆け引きと判断が要求されるため、全盛期が短いとされる。それを示すようにG1昇格後に本競走を連覇した馬は1993年・1994年のサクラバクシンオーと、2012年・2013年のロードカナロア、2016年・2017年のレッドファルクスの3頭のみ。いずれも歴史に名を残すスプリンターであり、逆に取るとそれ程過酷なレースがこのスプリンターズステークスであると言える。

電撃の6ハロン戦と称される本競走は、秋のG1開幕を告げるのにおあつらえむき。スタートからゴールまで刹那の60秒間は固唾を呑んで見守りたい。