2024年天皇賞(春)(G1)特集

京都11R/芝3200m/(国際)(指)
2023天皇賞(春)_ジャスティンパレス

関連最新ニュース

出走予定注目馬

2021年秋から怒涛の4連勝で重賞制覇を果たし、翌年の天皇賞(春)で3着に入ったステイヤー。一時期の不調を脱して再び軌道に乗り始め、ステイヤーズSから3000m超の重賞を3連続で好走。状態におつりが残っていれば当然の上位候補だ。

牡4 美浦・尾関知人 厩舎
ドゥレッツァ

5連勝で菊花賞を制した4歳世代のトップホース。前走の金鯱賞はプログノーシス相手に完敗を喫したものの、59kgの斤量や休み明け初戦であることを鑑みれば最低限の結果か。長距離に戻る今回は言い訳がきかない一戦、結果が求められる。

牡4 美浦・堀宣行 厩舎
タスティエーラ

昨年のダービー馬。年明け初戦となった大阪杯では歴戦の古馬や同期を向こうに回して1番人気の支持を受けたものの、絶好のポジションから全く伸びずに11着と不可解な敗戦を喫した。過去のレースラップからここで終わる器ではないとみる。

目下天皇賞(春)3年連続2着のシルバーコレクター。前走の阪神大賞典では7着に敗れたが、後半5Fが57秒台という全くの適性外レースとなったことが要因。全盛期からの衰えは否めないが、しぶとさを問われる展開になれば見限れない存在だ。

牝5 美浦・国枝栄 厩舎
サリエラ

極上の末脚を武器に、牝馬としては珍しく長距離路線を歩む未完の大器。前走のダイヤモンドSは強豪テーオーロイヤルにタイム差なしの2着と好走した。5歳春を迎えながらキャリアは未だ8戦で、姉にサラキアがいる血統、まだ上がり目がある。

その他AJCC覇者チャックネイト、昨年の3着馬シルヴァーソニック、万葉S覇者メイショウブレゲ、松籟Sを勝ってオープン入りしてきたゴールドプリンセスなどが参戦。シルヴァーソニックは前走の阪神大賞典を叩いて型通りの上昇が見込め、メイショウブレゲは現役でも指折りの京都巧者とあってマークしておきたい。

天皇賞(春)(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1サリエラ牝556武豊
2ヒンドゥタイムズセ858団野大成
3プリュムドール牝656和田竜二
4ワープスピード牡558三浦皇成
5ブローザホーン牡558菅原明良
6ディープボンド牡758幸英明
7タスティエーラ牡458J.モレイラ
8ゴールドプリンセス牝456田口貫太
9シルヴァーソニック牡858M.デムーロ
10サヴォーナ牡458池添謙一
11マテンロウレオ牡558横山典弘
12ドゥレッツァ牡458戸崎圭太
13スカーフェイス牡858松若風馬
14テーオーロイヤル牡658菱田裕二
15メイショウブレゲ牡558酒井学
16チャックネイトセ658鮫島克駿
17スマートファントム牡458岩田望来
17ハピ牡558浜中俊

前哨戦・重賞結果

2024.02.17 東京11R 芝3400m 10頭 曇 良
ダイヤモンドS

1着 テーオーロイヤル (2人気)
2着 サリエラ (1人気)
3着 ワープスピード (3人気)
2024ダイヤモンドS_テーオーロイヤル

2024.03.10 中京11R 芝2000m 13頭 晴 良
金鯱賞

1着 プログノーシス (2人気)
2着 ドゥレッツァ (1人気)
3着 ヨーホーレイク (6人気)
2024金鯱賞_プログノーシス

2024.03.17 阪神11R 芝3000m 15頭 曇 稍重
阪神大賞典1着優先出走

1着 テーオーロイヤル (2人気)
2着 ワープスピード (6人気)
3着 ブローザホーン (1人気)
2024阪神大賞典_テーオーロイヤル

2024.03.23 中山11R 芝2500m 10頭 小雨 良
日経賞1着優先出走

1着 シュトルーヴェ (4人気)
2着 クロミナンス (2人気)
3着 マイネルウィルトス (3人気)
2024日経賞_シュトルーヴェ

2024.03.31 阪神11R 芝2000m 16頭 晴 良
大阪杯

1着 ベラジオオペラ (2人気)
2着 ローシャムパーク (3人気)
3着 ルージュエヴァイユ (11人気)
2024大阪杯_ジャックドール

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
サリエラ4264/25(木)栗東432
ヒンドゥタイムズ4784/24(水)栗東472
プリュムドール4824/25(木)栗東474
ワープスピード5104/24(水)美浦502
ブローザホーン4304/25(木)栗東426
ディープボンド5164/25(木)栗東510
タスティエーラ5104/24(水)美浦494
ゴールドプリンセス4864/25(木)栗東478
シルヴァーソニック4664/25(木)栗東454
サヴォーナ5404/25(木)栗東536
マテンロウレオ4864/24(水)栗東480
ドゥレッツァ4664/25(木)栗東472
スカーフェイス4684/25(木)栗東462
テーオーロイヤル4644/24(水)栗東458
メイショウブレゲ4764/24(水)栗東474
チャックネイト4854/24(水)美浦486
スマートファントム4744/24(水)栗東470
ハピ4884/25(木)栗東484
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

天皇賞(春)・馬体診断

特別登録 日本馬のレーティング順位

レーティング順位の上位5頭は他の日本馬より優先して出走できます。

順位馬名レーティング備考
1ドゥレッツァ120
2タスティエーラ118
3ディープボンド117
4テーオーロイヤル115
5ブローザホーン115
6シルヴァーソニック115
7サリエラ110牝馬
8チャックネイト113
9サヴォーナ113
10マテンロウレオ113
11ヒンドゥタイムズ111
  • 4/15(月)JRA発表。
    4/23(火)までに他のレースに出走した場合、レーティング順位は変更となる場合があります。詳細については、JRAのHPをご確認ください。

天皇賞(春)プレレーティング

馬名2023年度
JPN
ランキング
2024年度
レーティング
最高値
2024年
レーティング該当レース
(2023年該当レース)
ウインエアフォルク
ゴールドプリンセス
サヴォーナ113 L,E113 L日経新春杯2着
(神戸新聞杯2着
菊花賞5着)
サリエラ110 L107 EダイヤモンドS2着
(エリザベス杯6着)
シュヴァリエローズ104 M108 L京都記念4着
(関越S3着)
シルヴァーソニック115 E(天皇賞(春)3着)
スカーフェイス104 M102 M,L大阪城S4着
大―ハンC4着
(大阪城S1着)
スマートファントム
タスティエーラ118 L(有馬記念6着)
チャックネイト107 L113 LAJCC1着
(アルゼンチン杯3着)
ディープボンド117 L(宝塚記念5着)
テーオーロイヤル109 E115 E阪神大賞典1着
(ステイヤーズS2着)
ドゥレッツァ120E112 I金鯱賞2着
(菊花賞1着)
ハピ104 M(D)106 I(D)アルデバランS2着
(ラジオ日本賞3着
ベテルギウスS2着)
ヒンドゥタイムズ111 L(京都大賞典4着)
プリュムドール104 E阪神大賞典4着
ブローザホーン107 L115 L日経新春杯1着
(札幌日経OP1着)
マテンロウレオ113 I,E110 L日経賞4着
(大阪杯4着
天皇賞(春)5着)
メイショウブレゲ99 E万葉S1着
メロディーレーン93 E万葉S3着
ワープスピード108 E109 E阪神大賞典2着
(ステイヤーズS4着)

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)と、昨年度のJPNサラブレッドランキングの数値を掲載しています。なお、(D)はダート競走のレーティングです。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
(4)レーティングに付随するアルファベット(SMILE)は、そのレーティングを獲得したレースの競走距離を示すもので、区分は以下のとおりです。
S 【Sprint】 1,000m-1,300m [1,000m-1,599m(CAN/USA)]
M 【Mile】 1,301m-1,899m [1,600m-1,899m(CAN/USA)]
I 【Intermediate】 1,900m-2,100m
L 【Long】 2,101m-2,700m
E 【Extended】 2,701m-
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

天皇賞(春)(G1)歴代優勝馬

2023.04.30 京都11R 芝3200m 17頭 曇 稍重
天皇賞(春)

ジャスティンパレス
単勝 4.3倍 (2人気)
3:16.1 (34.9)
C.ルメール騎手
牡4 栗東・杉山晴紀厩舎
2023天皇賞(春)_ジャスティンパレス

2022.05.01 阪神11R 芝3200m 18頭 晴 稍重
天皇賞(春)

タイトルホルダー
単勝 4.9倍 (2人気)
3:16.2 (36.4)
横山和生騎手
牡4 美浦・栗田徹厩舎
2022天皇賞(春)_タイトルホルダー

2021.05.02 阪神11R 芝3200m 17頭 晴 良
天皇賞(春)

ワールドプレミア
単勝 5.2倍 (3人気)
R3:14.7 (36.7)
福永祐一騎手
牡5 栗東・友道康夫厩舎
2021天皇賞(春)_ワールドプレミア

2020.05.03 京都11R 芝3200m 14頭 曇 良
天皇賞(春)

フィエールマン
単勝 2.0倍 (1人気)
3:16.5 (34.6)
C.ルメール騎手
牡5 美浦・手塚貴久厩舎
2020天皇賞(春)_フィエールマン

2019.04.28 京都11R 芝3200m 13頭 晴 良
天皇賞(春)

フィエールマン
単勝 2.8倍 (1人気)
3:15.0 (34.5)
C.ルメール騎手
牡4 美浦・手塚貴久厩舎
2019天皇賞(春)_フィエールマン

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ2-0-0-820.0%20.0%20.0%
先行5-8-5-2013.2%34.2%47.4%
差し3-2-5-654.0%6.7%13.3%
追込0-0-0-390.0%0.0%0.0%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気3-3-0-430.0%60.0%60.0%
2番人気5-0-1-450.0%50.0%60.0%
3番人気1-1-1-710.0%20.0%30.0%
4番人気1-1-4-410.0%20.0%60.0%
5番人気0-1-0-90.0%10.0%10.0%
6-9番人気0-2-2-360.0%5.0%10.0%
10番人気以下0-2-2-720.0%2.6%5.3%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠4-0-1-1322.2%22.2%27.8%
2枠1-1-1-155.6%11.1%16.7%
3枠0-1-1-170.0%5.3%10.5%
4枠1-2-4-135.0%15.0%35.0%
5枠0-1-0-190.0%5.0%5.0%
6枠1-3-1-155.0%20.0%25.0%
7枠1-1-0-214.3%8.7%8.7%
8枠2-1-2-237.1%10.7%17.9%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着5-5-5-2113.9%27.8%41.7%
2着2-1-2-227.4%11.1%18.5%
3着1-1-1-184.8%9.5%14.3%
4着1-0-2-126.7%6.7%20.0%
5着1-1-0-136.7%13.3%13.3%
6-9着0-1-0-350.0%2.8%2.8%
10着以下0-1-0-150.0%6.3%6.3%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
京都記念0-0-1-50.0%0.0%16.7%
ダイヤモンドS0-1-1-160.0%5.6%11.1%
阪神大賞典3-5-4-494.9%13.1%19.7%
日経賞3-2-3-426.0%10.0%16.0%
大阪杯2-1-0-525.0%37.5%37.5%
その他2-1-1-198.7%13.0%17.4%

年齢

年齢成績勝率連対率3着内率
4歳馬4-2-4-3010.0%15.0%25.0%
5歳馬5-3-1-3810.6%17.0%19.1%
6歳馬1-4-2-332.5%12.5%17.5%
7歳上0-1-3-350.0%2.6%10.3%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬4-2-3-359.1%13.6%20.5%
関西馬6-8-7-1005.0%11.6%17.4%
外国馬0-0-0-10.0%0.0%0.0%

性別

性別成績勝率連対率3着内率
牡馬・セン馬10-10-9-1266.5%12.9%18.7%
牝馬0-0-1-100.0%0.0%9.1%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1ルメール3-0-1-533.3%33.3%44.4%
2武豊2-0-0-625.0%25.0%25.0%
3福永祐一1-1-1-414.3%28.6%42.9%
4蛯名正義1-0-1-416.7%16.7%33.3%
5横山典弘1-0-1-514.3%14.3%28.6%
6岩田康誠1-0-0-420.0%20.0%20.0%
7横山和生1-0-0-233.3%33.3%33.3%
8和田竜二0-3-0-60.0%33.3%33.3%
9北村友一0-1-1-20.0%25.0%50.0%
10戸崎圭太0-1-1-00.0%50.0%100.0%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1手塚貴久2-0-0-250.0%50.0%50.0%
2清水久詞2-0-0-0100.0%100.0%100.0%
3友道康夫1-2-1-97.7%23.1%30.8%
4須貝尚介1-0-0-233.3%33.3%33.3%
5戸田博文1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5杉山晴紀1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5栗田徹1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5浅見秀一1-0-0-150.0%50.0%50.0%
9大久保龍志0-3-0-10.0%75.0%75.0%
10平田修0-1-1-10.0%33.3%66.7%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1サンデーR3-1-1-823.1%30.8%38.5%
2大野商事2-0-0-0100.0%100.0%100.0%
3三田昌宏1-0-0-150.0%50.0%50.0%
3山田弘1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5大塚亮一1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5小林英一HD1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
5三木正浩1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8前田晋二0-3-0-30.0%50.0%50.0%
9佐々木主浩0-2-1-10.0%50.0%75.0%
10鈴木隆司0-1-2-10.0%25.0%75.0%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF5-5-5-448.5%16.9%25.4%
2ヤナガワ牧場2-0-0-0100.0%100.0%100.0%
3岡田スタツド1-0-0-614.3%14.3%14.3%
3追分F1-0-0-233.3%33.3%33.3%
3出口牧場1-0-0-150.0%50.0%50.0%
6村田牧場0-3-0-10.0%75.0%75.0%
7社台F0-1-2-120.0%6.7%20.0%
8レイクヴィラF0-1-0-00.0%100.0%100.0%
9三嶋牧場0-0-1-20.0%0.0%33.3%
10高昭牧場0-0-1-10.0%0.0%50.0%
10平山牧場0-0-1-10.0%0.0%50.0%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ディープインパクト4-1-2-2412.9%16.1%22.6%
2ステイゴールド3-1-1-1020.0%26.7%33.3%
3ブラックタイド2-0-0-0100.0%100.0%100.0%
4ドゥラメンテ1-0-0-150.0%50.0%50.0%
5ハーツクライ0-5-2-150.0%22.7%31.8%
6キズナ0-3-0-00.0%100.0%100.0%
7オルフェーヴル0-0-1-110.0%0.0%8.3%
8ディープスカイ0-0-1-20.0%0.0%33.3%
9マーベラスサンデー0-0-1-10.0%0.0%50.0%
10トーセンホマレボシ0-0-1-00.0%0.0%100.0%
10リオンディーズ0-0-1-00.0%0.0%100.0%

※過去10年の天皇賞(春)集計

レースガイド

■歴史と伝統を誇る古馬の国内最高峰レース

1905年(明治38年)5月6日に創設された「エンペラーズカップ」(横浜・日本レースクラブ)を前身とする。翌1906年からは東京、阪神、福島、札幌、函館、小倉の各競馬倶楽部で「帝室御賞典競走」の名称で施行されていた。1936年(昭和11年)に「日本競馬会」(JRAの前身)が創設され、翌1937年にそれぞれの競馬倶楽部が「日本競馬会」へ統合されたことにより年2回(春・阪神、秋・東京)の開催となった。なお同年12月3日の「第1回帝室御賞典競走」(東京・芝2600m)から施行回数が起算されている。

距離・出走条件に関しては、1938年の第2回(春)に芝2700m(3歳以上)に変更されて、第3回(秋)から芝3200m(4歳以上)となり、1944年に(春)の競走が京都競馬場へ変更となった。以後、長年この条件で施行されてきたが、1984年の番組改編に伴い(秋)の施行距離が2000mに短縮、更に1987年からは3歳以上に変更された。これにより、(春)は古馬による長距離No.1決定戦、(秋)は3歳以上馬の中距離No.1決定戦とする現在の体系が確立された。

レース名に関しては、第二次世界大戦の影響により中止となった1944年(秋)~46年(秋)の翌年(春)に「平和賞」に変更されて再開し、同年(秋)から現在の名称である「天皇賞」に改名された。なお、以前(1957~89年)は昭和天皇誕生日(4月29日)にて施行されており、レースの格があまりに偉大であることから、優勝馬はその名を汚さないように、以後の出走が制限されていた(いわゆる勝ち抜き制、1981年廃止)。

先述の(秋)の距離が短縮された1984年にグレード制導入によりG1に格付けされた後、1995年には地方所属馬が出走可能に。クラシック競走同様に優秀な繁殖馬の選定レースの意味合いが強かった為、内国産の牡馬・牝馬にしか出走資格が与えられなかったが、競馬の国際化に伴い、2000年からは外国産馬の出走が可能となり、2005年には国際G1競走に認定された。なお、国際競走として広く外国馬を受け入れる意味でも2008年からセン馬の出走も可能となっている。

また、「エンペラーズカップ」や「帝室御賞典競走」の名からもわかるとおり、当時の明治天皇より御賞典(菊花御紋付銀製花盛器)が下賜されてきた。しかし戦時中の貴金属不足により、以後1941年からは菊花御紋入りの木製楯に変更された。天皇賞を通称「盾」と呼ぶのはこの天皇盾に由来しており、1989~92年にかけて天皇賞(春)を制した武豊騎手が「平成の盾男」と呼ばれたのもこの為である。

上記のように長い歴史や伝統を築くことができた背景にはこの天皇賞(春)を勝利した数々の名馬の存在がある。近代競馬の最高傑作である英雄ディープインパクト、初の2連覇を果たしたメジロマックイーンやその3連覇を阻んだ死角ライスシャワー、変幻自在のレースを見せたマヤノトップガン、7冠馬の皇帝シンボリルドルフ、獲得賞金世界一を記録したテイエムオペラオーなど枚挙にいとまがない。

役者もさることながら、天皇賞(春)の舞台である淀の3200mが競馬ファンを引き付ける最大要因であることも間違いないだろう。2度の坂越えやペースを操る騎手の駆け引き、その時代のライバル対決などグランプリの宝塚記念や有馬記念と比べても遜色ない。本場イギリスでは3冠レースであるセントレジャーS(約2937m)が低迷し、ドバイWCなどに代表される2000mが世界的標準に移行しつつあるが、わが国ではこの天皇賞(春)の魅力が薄れることはまずないと言える。