2023年エリザベス女王杯(G1)特集

京都11R/芝2200m/(国際)牝(指)
2022エリザベス女王杯_ジェラルディーナ

出走予定注目馬

G1・7勝の女傑ジェンティルドンナの娘。阪神で行われた昨年のエリザベス女王杯では重馬場を外から力強く差し切った。今年4戦は馬券圏内がないものの、大阪杯・香港遠征は1F短い条件、宝塚記念は強気の4角3番手から見せ場を作った。パワーが求められる展開と条件が揃えば連覇が見える。

牝3 栗東・友道康夫 厩舎
ハーパー

1分33秒1の好時計で勝利したクイーンCから臨んだ牝馬三冠を4着、2着、3着と崩れずに完走。惜しむらくは同期に怪物がいたことだが、こちらもスピードと持続力を高いレベルで兼備、満天下に才能を示した一年となった。初の古馬対決となる今回で悔しさを晴らしたいところ。

牝4 美浦・国枝栄 厩舎
サリエラ

母サロミナ、きょうだいに朝日杯FS勝ち馬サリオス、有馬記念2着サラキアなど名を連ねる良血。体質が弱く4歳秋の時点でわずか6戦の消化にとどまるものの凱旋門賞に登録したほどの逸材で、距離不足の新潟記念から京都外回りへの舞台替わりはプラスに捉えていい。絢爛たるファミリーラインにさらなる勲章を。

昨年の天皇賞(秋)以降、愛知杯を除いて牡馬混合重賞にぶつけ続ける強気なローテを進み、近4走は5着、5着、4着、4着と健闘。昨夏の小倉記念衝撃Vから脚力の絶対値は牝馬限定G1なら通用するレベルと考えていい。ゴール前鋭伸のオールカマーから順当に上昇が見込めるのも好印象。

その他ローズS2着の大器ブレイディヴェーグ、京都大賞典から短縮ローテで臨むマーメイドS覇者ビッグリボン、前走の府中牝馬Sで悲願の重賞初制覇を果たしたディヴィーナ、昨年2着ライラックなどがエントリー予定。中距離女王の座を射止めるのは果たしてどの馬か。

エリザベス女王杯(G1)出馬表

馬名性齢重量騎手
1ブレイディヴェーグ牝354C.ルメール
2ルージュエヴァイユ牝456松山弘平
3ハーパー牝354川田将雅
4ローゼライト牝556和田竜二
5イズジョーノキセキ牝656岩田康誠
6ディヴィーナ牝556M.デムーロ
7ジェラルディーナ牝556R.ムーア
8シンリョクカ牝354木幡初也
9アートハウス牝456坂井瑠星
10ククナ牝556浜中俊
11ライラック牝456戸崎圭太
12ゴールドエクリプス牝456岩田望来
13サリエラ牝456T.マーカンド
14マリアエレーナ牝556三浦皇成
15ビッグリボン牝556西村淳也

前哨戦・重賞結果

2023.07.30 札幌11R 芝1800m 14頭 曇 良
クイーンS

1着 ドゥーラ (1人気)
2着 ウインピクシス (9人気)
3着 コスタボニータ (3人気)
2023クイーンS_ドゥーラ

2023.09.24 中山11R 芝2200m 15頭 晴 良
オールカマー

4着 マリアエレーナ (10人気)
6着 ジェラルディーナ (3人気)
9着 ウインマリリン (9人気)
2023オールカマー_ローシャムパーク

2023.10.14 東京11R 芝1800m 13頭 晴 良
府中牝馬S1着優先出走

1着 ディヴィーナ (1人気)
2着 ルージュエヴァイユ (4人気)
3着 ライラック (10人気)
2023府中牝馬S_ディヴィーナ

2023.10.15 京都11R 芝2000m 18頭 晴 稍重
秋華賞

1着 リバティアイランド (1人気)
2着 マスクトディーヴァ (3人気)
3着 ハーパー (2人気)
2023秋華賞_リバティアイランド

出走予定馬の「調教後の馬体重」

出走予定馬の「調教後の馬体重」は下記となります。

馬名馬体重計量日計量
場所
前走
馬体重
アートハウス49211/8(水)栗東470
イズジョーノキセキ47811/8(水)栗東464
ククナ46411/9(木)栗東460
ゴールドエクリプス50211/9(木)栗東498
サリエラ42611/9(木)栗東428
ジェラルディーナ47811/9(木)栗東466
シンリョクカ46211/9(木)美浦462
ディヴィーナ43811/9(木)栗東428
ハーパー48811/9(木)栗東482
ビッグリボン51011/8(水)栗東504
ブレイディヴェーグ45611/8(水)栗東460
マリアエレーナ43811/8(水)栗東428
ライラック45211/9(木)美浦448
ルージュエヴァイユ47011/8(水)美浦470
ローゼライト46611/8(水)栗東456
  • 馬体重の数値は「kg」。
  • 開催場以外で計量した競走馬については、計量後に開催場へ「輸送」しています。
  • 馬体重は、「調教」「輸送」「飼付」「排糞」等により、常に大きく変動します。
  • 上記馬体重は、あくまでも計量時のデータであり、レース当日の馬体重とは異なります。
  • レース当日に発表する馬体重は、発走時刻の概ね70分前に計量しています。
  • 前走が海外の競馬であっても馬体重を計量している場合には、「前走馬体重」を表記しています。

詳細については、JRAのHPをご確認ください。

エリザベス女王杯プレレーティング

馬名2023年度
レーティング
最高値
2023年
レーティング該当レース
アートハウス111 I愛知杯1着
イズジョーノキセキ
ククナ100 I七夕賞2着
ゴールドエクリプス92 IマーメイドS4着
サリエラ106 L目黒記念3着
ジェラルディーナ115 L宝塚記念4着
シンリョクカ108 M,L桜花賞6着
優駿牝馬5着
ディヴィーナ112 MヴィクトリアM4着
ハーパー110 I,L優駿牝馬2着
秋華賞3着
ビッグリボン107 IマーメイドS1着
ブレイディヴェーグ107 MローズS2着
マリアエレーナ109 Lオールカマー4着
ライラック108 M府中牝馬S3着
ルージュエヴァイユ108 M府中牝馬S2着
ローゼライト97 L新潟牝馬S3着

【プレレーティング表の見かた】
(1)レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量・過去の勝馬との比較などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。
(2)ここに示すプレレーティング表は、登録各馬が本年度のレースで獲得した最高値(原則として、G1・Jpn1競走は6着まで、その他の重賞・オープン競走は4着までが対象)を掲載しています。
(3)空欄の馬は、上記(2)の基準を満たしていない馬です。
(4)レーティングに付随するアルファベット(SMILE)は、そのレーティングを獲得したレースの競走距離を示すもので、区分は以下のとおりです。
S 【Sprint】 1,000m-1,300m [1,000m-1,599m(CAN/USA)]
M 【Mile】 1,301m-1,899m [1,600m-1,899m(CAN/USA)]
I 【Intermediate】 1,900m-2,100m
L 【Long】 2,101m-2,700m
E 【Extended】 2,701m-
※詳細については、JRAのHPをご確認ください。

エリザベス女王杯(G1)歴代優勝馬

2022.11.13 阪神11R 芝2200m 18頭 曇 重
エリザベス女王杯

ジェラルディーナ
単勝 8.1倍 (4人気)
2:13.0 (35.4)
C.デムーロ騎手
牝4 栗東・斉藤崇史厩舎
2022エリザベス女王杯_ジェラルディーナ

2021.11.14 阪神11R 芝2200m 17頭 晴 良
エリザベス女王杯

アカイイト
単勝 64.9倍 (10人気)
2:12.1 (35.7)
幸英明騎手
牝4 栗東・中竹和也厩舎
2021エリザベス女王杯_アカイイト

2020.11.15 阪神11R 芝2200m 18頭 晴 良
エリザベス女王杯

ラッキーライラック
単勝 3.3倍 (1人気)
2:10.3 (33.9)
C.ルメール騎手
牝5 栗東・松永幹夫厩舎
2020エリザベス女王杯_ラッキーライラック

2019.11.10 京都11R 芝2200m 18頭 晴 良
エリザベス女王杯

ラッキーライラック
単勝 5.4倍 (3人気)
2:14.1 (32.8)
C.スミヨン騎手
牝4 栗東・松永幹夫厩舎
2019エリザベス女王杯_ラッキーライラック

2018.11.11 京都11R 芝2200m 17頭 晴 良
エリザベス女王杯

リスグラシュー
単勝 4.7倍 (3人気)
2:13.1 (33.8)
J.モレイラ騎手
牝4 栗東・矢作芳人厩舎
2018エリザベス女王杯_リスグラシュー

データ分析

脚質

脚質成績勝率連対率3着内率
逃げ0-2-0-80.0%20.0%20.0%
先行2-5-1-305.3%18.4%21.1%
差し8-3-8-6010.1%13.9%24.1%
追込0-1-0-470.0%2.1%2.1%

人気

人気成績勝率連対率3着内率
1番人気1-2-2-510.0%30.0%50.0%
2番人気1-0-1-810.0%10.0%20.0%
3番人気4-0-2-440.0%40.0%60.0%
4番人気1-0-1-810.0%10.0%20.0%
5番人気1-2-1-610.0%30.0%40.0%
6-9番人気1-5-2-322.5%15.0%20.0%
10番人気以下1-2-0-821.2%3.5%3.5%

枠番

枠番成績勝率連対率3着内率
1枠2-0-2-1510.5%10.5%21.1%
2枠2-1-0-1710.0%15.0%15.0%
3枠1-3-0-165.0%20.0%20.0%
4枠0-0-3-170.0%0.0%15.0%
5枠0-2-1-170.0%10.0%15.0%
6枠2-0-2-1610.0%10.0%20.0%
7枠0-3-1-230.0%11.1%14.8%
8枠3-2-0-2410.3%17.2%17.2%

前走着順

前走着順成績勝率連対率3着内率
1着3-3-2-376.7%13.3%17.8%
2着2-2-1-179.1%18.2%22.7%
3着3-1-3-1712.5%16.7%29.2%
4着0-0-0-110.0%0.0%0.0%
5着1-2-1-107.1%21.4%28.6%
6-9着1-2-2-322.7%8.1%13.5%
10着以下0-1-0-210.0%4.5%4.5%

ステップレース

レース成績勝率連対率3着内率
オールカマー3-1-0-1120.0%26.7%26.7%
京都大賞典0-0-0-130.0%0.0%0.0%
府中牝馬S4-5-3-407.7%17.3%23.1%
秋華賞2-3-1-246.7%16.7%20.0%
その他1-2-5-571.5%4.6%12.3%

年齢

年齢成績勝率連対率3着内率
3歳馬2-4-2-305.3%15.8%21.1%
4歳馬7-3-6-4411.7%16.7%26.7%
5歳馬1-3-1-541.7%6.8%8.5%
6歳馬0-1-0-130.0%7.1%7.1%
7歳上0-0-0-40.0%0.0%0.0%

所属

所属成績勝率連対率3着内率
関東馬1-4-0-452.0%10.0%10.0%
関西馬9-7-9-997.3%12.9%20.2%
外国馬0-0-0-10.0%0.0%0.0%

騎手

順位騎手成績勝率連対率3着内率
1M.デムーロ2-1-3-225.0%37.5%75.0%
2ルメール1-1-1-611.1%22.2%33.3%
3川田将雅1-1-0-612.5%25.0%25.0%
4幸英明1-0-0-614.3%14.3%14.3%
5蛯名正義1-0-0-516.7%16.7%16.7%
6武幸四郎1-0-0-233.3%33.3%33.3%
6C.デムーロ1-0-0-233.3%33.3%33.3%
8モレイラ1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
8スミヨン1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
10岩田康誠0-3-0-30.0%50.0%50.0%

調教師

順位調教師成績勝率連対率3着内率
1松永幹夫2-0-0-166.7%66.7%66.7%
2角居勝彦1-1-1-710.0%20.0%30.0%
3斉藤崇史1-1-0-320.0%40.0%40.0%
4矢作芳人1-0-2-316.7%16.7%50.0%
5鮫島一歩1-0-1-050.0%50.0%100.0%
6吉村圭司1-0-0-325.0%25.0%25.0%
7中竹和也1-0-0-233.3%33.3%33.3%
8久保田貴士1-0-0-150.0%50.0%50.0%
9飯田明弘1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
10西浦勝一0-3-0-00.0%100.0%100.0%

馬主

順位馬主成績勝率連対率3着内率
1サンデーR3-0-2-1118.8%18.8%31.3%
2キャロット2-0-2-1212.5%12.5%25.0%
3大島昌也1-1-0-133.3%66.7%66.7%
4キャピタルS1-0-1-050.0%50.0%100.0%
5松本好雄1-0-0-325.0%25.0%25.0%
5吉田千津1-0-0-325.0%25.0%25.0%
7岡浩二1-0-0-150.0%50.0%50.0%
8大塚亮一0-3-0-00.0%100.0%100.0%
9社台RH0-2-0-80.0%20.0%20.0%
10ウイン0-1-0-70.0%12.5%12.5%

生産者

順位生産者成績勝率連対率3着内率
1ノーザンF6-2-8-499.2%12.3%24.6%
2社台F1-3-0-204.2%16.7%16.7%
3目黒牧場1-0-1-050.0%50.0%100.0%
4高昭牧場1-0-0-420.0%20.0%20.0%
4辻牧場1-0-0-420.0%20.0%20.0%
6小島牧場0-3-0-00.0%100.0%100.0%
7コスモヴューF0-1-0-70.0%12.5%12.5%
7社台C白老F0-1-0-70.0%12.5%12.5%
9杵臼牧場0-1-0-00.0%100.0%100.0%

種牡馬

順位種牡馬成績勝率連対率3着内率
1ディープインパクト2-2-5-334.8%9.5%21.4%
2オルフェーヴル2-1-0-240.0%60.0%60.0%
3ハーツクライ1-2-0-98.3%25.0%25.0%
4マンハッタンカフェ1-1-0-108.3%16.7%16.7%
5キズナ1-1-0-225.0%50.0%50.0%
6ハービンジャー1-0-1-810.0%10.0%20.0%
7スズカマンボ1-0-0-420.0%20.0%20.0%
8モーリス1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
9ステイゴールド0-3-0-40.0%42.9%42.9%
10スクリーンヒーロー0-1-0-20.0%33.3%33.3%

※過去10年のエリザベス女王杯集計

レースガイド

■秋の牝馬頂上決戦!

1970年から1975年まで牝馬三冠最終レースとして施行さてきた「ビクトリアカップ」(京都・芝2400m)を前身とする。1975年のエリザベス女王来日を記念し、1976年から第1回「エリザベス女王杯」として施行されてきた。その後、1995年のレース体系整備に伴いその任を「秋華賞」に移し、出走資格が3歳以上牝馬、距離が2200mに変更されて古馬もあわせた最強牝馬決定戦へ生まれ変わった。また、1984年グレード制施行によりG1に格付けされ、1995年に地方馬、2003年からは国際競走となり外国馬の出走が可能となった。なお、2008年に創設の「ジャパン・オータムインターナショナル」に指定されている。

春のヴィクトリアマイルよりもその歴史は深く、過去には数々の名牝が通過してきたレースでもある。旧エリザベス女王杯時代では、1995年に地方馬ライデンリーダーが当時笠松所属の安藤勝己騎手と参戦したことはオールドファンには懐かしい話。史上初の連覇(1998年・1999年)を果たしたメジロドーベルは牝馬限定では着外なしの名牝として君臨した。母にエアグルーヴをもつ良血アドマイヤグルーヴは宿敵の3冠馬スティルインラブを本競走で破り、その後連覇(2003年・2004年)を果たした。近年では外国馬のスノーフェアリーが連覇(2010年・2011年)し、その強さを見せつけたのは記憶に新しい。

今年も名勝負が期待される秋の最強牝馬決定戦にて、秋の連続G1開催は幕を開ける。競馬ファンにとって一年で一番盛り上がるシーズンの始まりといっていいだろう。