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池江泰郎氏 4角から消えた!? これぞ“ユタカマジック”

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菊花賞を制し、ファンの歓声に応える武豊(撮影・中辻 颯太)
 【池江泰郎 匠の解説】ユタカくんのゴーイントゥスカイは最終4角で、いったいどんな手応えだったのか?どこを縫ってきたのか?ゴールで首の上げ下げは?レース直後は私ですら分からなかった。

 VTR映像を何度か確認して、そういった部分を理解した。ふと彼の勝った過去の菊花賞で今年の勝ち方に似たレースを思い出した。それはダンスインザダーク(96年)の時で、どこから飛び込んできたのか!?と驚いたり、ユタカマジックと称える記事が多かったことを覚えている。4角から人馬が消えるわけがないのに、まるで消えたかのようになったのはあの日、強烈な西日と重なったことも事実だが、馬群のさばき方が強烈だった。

 今年の菊花賞は朝の雨空から午後は曇り空になったが、前述したダンスインザダークの時と同様にちゃんと、その姿を視界に追い続けた人は少なかっただろう。彼が操ったゴーイントゥスカイは最後まで息を潜め、馬群が空くまで我慢した。私も調教師の時であれば、べた褒めしないが今は評論の側なのでいいだろう。さすがユタカくんだ。ドラマチックの一語だ。それに尽きる。

 私は京都競馬場の馬主席で今年の菊花賞を観戦。調教師時代にとてもお世話になった千代田牧場の皆さんが跳び上がって喜ぶ様子を目にし、祝福を述べさせてもらった。

 3冠の樹立を逃したロブチェンにも触れておこう。勝負の分かれ目の一つが発馬直後に他馬から寄られたことだったか。これもVTRで確認して理解したことで後方に置かれたのは、明らかに出遅れではなく寄られたのが要因。それでも普通の展開であれば、ドッシリと構えていれば大丈夫だったかもしれないが、大逃げする馬(キンググローリー)が波乱を演出する使者にもなったのだから、勝負に必要な運もなかった。 (本紙評論家)
(C)スポーツニッポン