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柴田善「自分の立場を肝に銘じて行動を」 引退会見で後輩ジョッキーの成長願い厳しめ“贈る言葉”

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田辺(右)と丸山(左)から花束を贈られ笑顔の柴田善(撮影・村上 大輔)
 15日に現役引退を発表した柴田善臣(60=美浦・フリー)が16日、美浦トレセンで引退記者会見を行った。JRA通算2341勝を挙げ、18日付でムチを置くことになった現役最年長の名ジョッキーは、最終騎乗日となった4月12日の福島競馬で痛めた右肩を引退決断の理由と説明。後輩騎手へのメッセージ、JRAアドバイザー就任が決まっている引退後の活動など、その思いを熱く語った。

 スーツ姿で会見場に現れた柴田善は、実に晴れ晴れとした表情をしていた。マイクを握ると一瞬、間を置いて「本当は開きたくなかったんですけど。得意じゃないんで」と軽く笑いを取り、続けて「もう少し続けたい気持ちはあったんですけど、ケガが多く、きつくなってきたのでこういう決断になりました」と引退に至った理由を説明した。

 その後は後輩の田辺裕信と丸山元気から花束贈呈。スリーショットの記念撮影では笑顔がはじけた。続いて行われた質疑応答では、引退を決断したタイミングを「左肩を手術した時に(復帰まで)9カ月かかった。今回は利き腕の右肩なので、それ以上かかる感じだったし、騎乗に向けてのトレーニングの中で違う部分が傷んできた。だらだらとやるより、このタイミングでと決めた。1カ月くらい前、最初に家族に伝えた」と詳細に説明した。いずれは引退する日が来ると分かっていた家族は「子供は“何もなく引退できて良かった”と言っていた」と、温かい反応だったという。

 終始和やかに進んでいた会見の中で、後輩騎手に伝えたいことを問われた時だけは言葉に力がこもった。「昔は殴られたぞと(笑い)。ちょっと甘いんじゃないかって。自分の置かれている立場、騎手というものを世の中がどう見ているかを、自分で肝に銘じて行動しなきゃいけない。自分はJRAのジョッキーだと強い気持ちを持って、気を付けて生活してほしいし、技術を磨いてほしい」。騎手という職業に強い誇りを持ち、若手たちの成長を願っているからこそ、厳しい言葉が口を突いて出た。

 その熱い思いが、JRAから提案されたアドバイザーへの就任を決断させた。「凄くやってみたかった。おせっかいにならない程度に手助けができれば。若い子には分からない昔の流れも教えながら、今の流れに合ったアドバイスができればと思っています」。一時代を築いた名ジョッキーは、第二の人生で後進の指導に力を注ぐ。

 ◇柴田 善臣(しばた・よしとみ)1966年(昭41)7月30日生まれ、青森県上北町(現東北町)出身の60歳。競馬学校騎手課程第1期を経て85年3月デビュー。93年安田記念(ヤマニンゼファー)でG1初制覇。JRA通算2万2311戦2341勝(うちG19勝)。叔父は柴田政見(元騎手、元調教師)、柴田政人(同)、柴田利秋(元騎手)。1メートル64、53キロ。血液型A。

 
(C)スポーツニッポン