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“原点”となったフランスで恩返しの勝利を――。当地伝統のマイルG1「第105回ジャックルマロワ賞」が16日(日本時間22時50分発走)、ドーヴィル競馬場(芝直線1600メートル)で行われる。98年タイキシャトル以来の日本調教馬Vを狙って、今年は武豊(57)とコンビを組むシックスペンス(牡5)とシュトラウス(牡5=武井)が遠征。前者を管理する田中博康師(40)にレジェンドとの思い出、フランスでのG1に懸ける熱い思いを聞いた。
さかのぼること15年前の2011年。田中博師は“決戦の地”フランスを訪れていた。当時はデビュー6年目の現役騎手。09年エリザベス女王杯(クィーンスプマンテ)でG1初制覇を飾ったが、その後は思うような騎乗ができなかった。「ジョッキーとして何か環境を変えたい、勉強したいという思いがあった」と海外武者修行を決意。この挑戦がホースマン人生の転機となった。
フランス行きのきっかけはレジェンドの存在だった。同師は「武豊さんにお話を伺って、フランスを選択した。それこそ、豊さんとしっかり会って話をしたり、食事したりしたのが11年のドーヴィル開催」と述懐する。「(武豊から)やってきたこと、心の持ち方、人間力…。さまざまなことを学びました。リアルタイムで見聞きできた全てが調教師としての心構えなど、全てにつながっています。恩人ですよね」。
17年に騎手を引退。翌18年、当時現役最年少となる32歳で厩舎を開業した。その後はG1級6勝レモンポップなどを育成。今年6月の安田記念では、定年解散した国枝栄厩舎から引き継いだシックスペンスで芝G1初制覇を飾った。調教師として辣腕(らつわん)を振るう今でも、根底にあるのは当時の経験だ。「あのフランス遠征がなければ調教師をやっていなかったかもしれないし、なっていたとしてもこんなに早くなっていなかったかも。本当に人生のターニングポイントだった」と振り返る。
トレーナーは今春も渡仏。昨年ジャパンCを制したカランダガンを管理するF・グラファール厩舎へ足を運んだ。田中博師が開業当初から掲げている「凱旋門賞制覇」を昨年に成し遂げた名門。「勝つには理由があるなと思いました」と10日間の滞在でトップステーブルのエキスを吸収した。「夢のある馬を預けていただいているので、逆に夢を提供させていただかなければ」と、日々まい進する。
数々の学びを得てきたフランスで、武豊と共に挑むレース。「いろいろなきっかけを与えてくれた(場所)。そこで挑戦できるのは光栄なことですし、何とか結果を出したい。知っている関係者も多いですし、注目もしてくれる。恩返ししたい思いが特に強いですね」。感謝の気持ちを胸に、特別な一戦に臨む。
◇田中 博康(たなか・ひろやす)1985年(昭60)12月5日生まれ、埼玉県出身の40歳。06年、美浦・高橋祥泰厩舎で騎手デビュー。JRA通算3727戦129勝(重賞3勝)。17年に調教師免許を取得し、翌18年3月に開業。23年フェブラリーS(レモンポップ)でJRA・G1初勝利。JRA通算1761戦247勝(重賞14勝、11日現在)。
《国枝元調教師 “教え子”と武豊にエール》今年3月に定年を迎えるまでシックスペンスを管理していたのは名伯楽・国枝栄元調教師=写真。現在は小島茂之厩舎の補助員(ヘルパー厩務員)として日々、馬づくりに精を出している。武豊と大舞台に挑む“教え子”に「凄く夢のある話だよね。楽しみにしているよ」とエールを送った。
国枝厩舎時代の同馬は重賞3勝を挙げながらも、G1タイトルまであと一歩届かなかった。「ダービー(24年9着)まで行って凄く期待していたけど、レースで引っかかってしまってもうひとつでね」と国枝元調教師。その後、田中博厩舎へ転厩、6月の安田記念で悲願のG1初制覇を果たした。「もちろん、うれしかったね。ヒロヤス(田中博康調教師)のところに行って良い競馬ができた。もともと持っているものは凄くレベルが高い馬。歯車が合ったというか馬が良くなったんだろうね」と目を細める。
ジャックルマロワ賞は昨年の安田記念後も選択肢の一つに入っていたレース。今年はビッグタイトルを引っ提げ、堂々と海を渡る。「(当時から)G1級だと思っていたからね。十分、太刀打ちできると思うし、能力全開となれば面白いと思うよ」と期待を込めた。
さかのぼること15年前の2011年。田中博師は“決戦の地”フランスを訪れていた。当時はデビュー6年目の現役騎手。09年エリザベス女王杯(クィーンスプマンテ)でG1初制覇を飾ったが、その後は思うような騎乗ができなかった。「ジョッキーとして何か環境を変えたい、勉強したいという思いがあった」と海外武者修行を決意。この挑戦がホースマン人生の転機となった。
フランス行きのきっかけはレジェンドの存在だった。同師は「武豊さんにお話を伺って、フランスを選択した。それこそ、豊さんとしっかり会って話をしたり、食事したりしたのが11年のドーヴィル開催」と述懐する。「(武豊から)やってきたこと、心の持ち方、人間力…。さまざまなことを学びました。リアルタイムで見聞きできた全てが調教師としての心構えなど、全てにつながっています。恩人ですよね」。
17年に騎手を引退。翌18年、当時現役最年少となる32歳で厩舎を開業した。その後はG1級6勝レモンポップなどを育成。今年6月の安田記念では、定年解散した国枝栄厩舎から引き継いだシックスペンスで芝G1初制覇を飾った。調教師として辣腕(らつわん)を振るう今でも、根底にあるのは当時の経験だ。「あのフランス遠征がなければ調教師をやっていなかったかもしれないし、なっていたとしてもこんなに早くなっていなかったかも。本当に人生のターニングポイントだった」と振り返る。
トレーナーは今春も渡仏。昨年ジャパンCを制したカランダガンを管理するF・グラファール厩舎へ足を運んだ。田中博師が開業当初から掲げている「凱旋門賞制覇」を昨年に成し遂げた名門。「勝つには理由があるなと思いました」と10日間の滞在でトップステーブルのエキスを吸収した。「夢のある馬を預けていただいているので、逆に夢を提供させていただかなければ」と、日々まい進する。
数々の学びを得てきたフランスで、武豊と共に挑むレース。「いろいろなきっかけを与えてくれた(場所)。そこで挑戦できるのは光栄なことですし、何とか結果を出したい。知っている関係者も多いですし、注目もしてくれる。恩返ししたい思いが特に強いですね」。感謝の気持ちを胸に、特別な一戦に臨む。
◇田中 博康(たなか・ひろやす)1985年(昭60)12月5日生まれ、埼玉県出身の40歳。06年、美浦・高橋祥泰厩舎で騎手デビュー。JRA通算3727戦129勝(重賞3勝)。17年に調教師免許を取得し、翌18年3月に開業。23年フェブラリーS(レモンポップ)でJRA・G1初勝利。JRA通算1761戦247勝(重賞14勝、11日現在)。
《国枝元調教師 “教え子”と武豊にエール》今年3月に定年を迎えるまでシックスペンスを管理していたのは名伯楽・国枝栄元調教師=写真。現在は小島茂之厩舎の補助員(ヘルパー厩務員)として日々、馬づくりに精を出している。武豊と大舞台に挑む“教え子”に「凄く夢のある話だよね。楽しみにしているよ」とエールを送った。
国枝厩舎時代の同馬は重賞3勝を挙げながらも、G1タイトルまであと一歩届かなかった。「ダービー(24年9着)まで行って凄く期待していたけど、レースで引っかかってしまってもうひとつでね」と国枝元調教師。その後、田中博厩舎へ転厩、6月の安田記念で悲願のG1初制覇を果たした。「もちろん、うれしかったね。ヒロヤス(田中博康調教師)のところに行って良い競馬ができた。もともと持っているものは凄くレベルが高い馬。歯車が合ったというか馬が良くなったんだろうね」と目を細める。
ジャックルマロワ賞は昨年の安田記念後も選択肢の一つに入っていたレース。今年はビッグタイトルを引っ提げ、堂々と海を渡る。「(当時から)G1級だと思っていたからね。十分、太刀打ちできると思うし、能力全開となれば面白いと思うよ」と期待を込めた。
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