ニュース詳細
ニュース一覧
水曜企画「G1追Q!探Q!」は担当記者が出走馬の陣営に聞きたかった質問をぶつけて本音に迫る。26年牡馬クラシック開幕戦「第86回皐月賞」は東京本社・鈴木悠貴(35)が担当する。デビュー11年目で当レース初参戦となる荻野極(28)はフォルテアンジェロとの初コンビ。「研究」「結婚」「中山」の3項目で思いを聞いた。
【研究】荻野極は自分の弱さを知っている。「僕は技術の面でも頭の面でもアドリブでできるような騎手ではない」。だから、準備を怠らない。毎週金曜は騎乗馬のレースを何度も見返し、特徴を確認。さらに、一昨年、昨年と馬場状態を比較する。「乗る馬の良さを生かすため、あるいは弱点を出さないようにするにはどうすればいいか。そのイメージをつくれるかどうかが、僕が勝てるか勝てないかの境界線ですから」とレースの構想をひたすら練る。
“策士”荻野極の原点は福永師にある。騎手時代、新聞をじっくり眺め頭を悩ませている姿を見て、感銘を受けたという。「これほどのトップジョッキーが必死に考えているのに、僕がこのままで勝てるわけがない。そう思わされました」。偉大な先輩にならい、予習と復習を繰り返した10年。競馬にひたむきに向き合った日々を経て強くなった。
【結婚】昨年は大きな転機があった。5月21日、鹿戸師の長女でタレントの成瀬琴さんとの結婚を発表した。「料理も含めて、身の回りのことをサポートしてくれる心強い存在。自分が独身の時におろそかにしていたことにも気づかせてくれるし、何より競馬に集中させてくれる。本当にありがたい」。最愛のパートナーの支えに感謝は尽きない。
「いいリズムで競馬に向かえるようになった」という言葉通り、結婚後は成績が急上昇した。ラジオNIKKEI賞をエキサイトバイオで制し、2年9カ月ぶりの重賞タイトルを奪取。続く菊花賞では、好エスコートで13番人気の低評価を覆して3着と大舞台を盛り上げた。終わってみれば、デビュー2年目だった17年のJRA47勝を超えるキャリアハイの62勝。“再ブレーク”を予感させる充実の1年だった。
【中山】皐月賞初騎乗初勝利も夢ではない。ホープフルS2着の実力馬フォルテアンジェロとの初コンビ。毎週のように調教に騎乗、特性はしっかりとつかんでいる。「器用な馬で性格もいい。苦手なことがないし、真っすぐ走ってくれる。癖がない」。気鋭のトレーナー、上原佑師から託された相棒の能力に賛辞の言葉を並べる。
“競馬研究家”の荻野極にとって、トリッキーな中山は格好の舞台。現に、当地の勝率、連対率、複勝率はJRA全10場で最も高い。「枠、ポジショニングが重要。場面場面で動ける馬にチャンスがあるコース」と分析しつつ「やりたいことをやれる馬だから、合っていると思う」と相棒の適性を高く評価。G1初制覇を飾った22年スプリンターズSと同じ中山で、経験値を積み重ねた28歳が再び栄冠をつかむ。
○…火曜朝、フォルテアンジェロは荻野極を背に坂路へ。軽快なフットワークで4F65秒7〜1F15秒6、木曜予定の最終追いに備えた。上原佑師は「ホープフルS(2着)の時と比べると成長を感じますね。しっかりと体を使えていて、加速してからのスピードの上がり方が良くなり、乗りやすさはキープできている。小さくまとまらないよう体を大きく使えるようなイメージで乗ってきています」と進化を強調した。
◇荻野 極(おぎの・きわむ)1997年(平9)9月23日生まれ、東京都出身の28歳。16年3月、栗東・清水久詞厩舎所属でデビュー。同年4月10日の阪神3Rで初勝利を飾る。同期に坂井瑠星、菊沢一樹、木幡巧也ら。中学生時に空手の世界大会4位。JRA通算4835戦307勝。
【取材後記】フォルテアンジェロを管理する上原佑師は荻野極に全幅の信頼を寄せている。開業4年で85度タッグを組み、勝ち星は全ジョッキー最多の13。「技術はもちろんですが、何より向上心がある。結果に向かって努力する姿勢が素晴らしい」とプロ魂を絶賛した。
“調教に重きを置く”ことが2人に共通する信念だ。「彼は火曜日の朝一番から調教に乗ってくれる数少ないジョッキー。終わった後は的確にフィードバックしてくれるし、しっかり分析してくれる。お互いに意見を出し合って、より良い形に馬を仕上げていける」。対話を基に成り立つ信頼関係は強固。当然、フォルテアンジェロとの初コンビにも師に不安はない。「操縦性の高い馬でジョッキーとは合っている。楽しみ」。調教師として平成生まれ初となるクラシック制覇を“盟友”に託す。 (鈴木 悠貴)
【研究】荻野極は自分の弱さを知っている。「僕は技術の面でも頭の面でもアドリブでできるような騎手ではない」。だから、準備を怠らない。毎週金曜は騎乗馬のレースを何度も見返し、特徴を確認。さらに、一昨年、昨年と馬場状態を比較する。「乗る馬の良さを生かすため、あるいは弱点を出さないようにするにはどうすればいいか。そのイメージをつくれるかどうかが、僕が勝てるか勝てないかの境界線ですから」とレースの構想をひたすら練る。
“策士”荻野極の原点は福永師にある。騎手時代、新聞をじっくり眺め頭を悩ませている姿を見て、感銘を受けたという。「これほどのトップジョッキーが必死に考えているのに、僕がこのままで勝てるわけがない。そう思わされました」。偉大な先輩にならい、予習と復習を繰り返した10年。競馬にひたむきに向き合った日々を経て強くなった。
【結婚】昨年は大きな転機があった。5月21日、鹿戸師の長女でタレントの成瀬琴さんとの結婚を発表した。「料理も含めて、身の回りのことをサポートしてくれる心強い存在。自分が独身の時におろそかにしていたことにも気づかせてくれるし、何より競馬に集中させてくれる。本当にありがたい」。最愛のパートナーの支えに感謝は尽きない。
「いいリズムで競馬に向かえるようになった」という言葉通り、結婚後は成績が急上昇した。ラジオNIKKEI賞をエキサイトバイオで制し、2年9カ月ぶりの重賞タイトルを奪取。続く菊花賞では、好エスコートで13番人気の低評価を覆して3着と大舞台を盛り上げた。終わってみれば、デビュー2年目だった17年のJRA47勝を超えるキャリアハイの62勝。“再ブレーク”を予感させる充実の1年だった。
【中山】皐月賞初騎乗初勝利も夢ではない。ホープフルS2着の実力馬フォルテアンジェロとの初コンビ。毎週のように調教に騎乗、特性はしっかりとつかんでいる。「器用な馬で性格もいい。苦手なことがないし、真っすぐ走ってくれる。癖がない」。気鋭のトレーナー、上原佑師から託された相棒の能力に賛辞の言葉を並べる。
“競馬研究家”の荻野極にとって、トリッキーな中山は格好の舞台。現に、当地の勝率、連対率、複勝率はJRA全10場で最も高い。「枠、ポジショニングが重要。場面場面で動ける馬にチャンスがあるコース」と分析しつつ「やりたいことをやれる馬だから、合っていると思う」と相棒の適性を高く評価。G1初制覇を飾った22年スプリンターズSと同じ中山で、経験値を積み重ねた28歳が再び栄冠をつかむ。
○…火曜朝、フォルテアンジェロは荻野極を背に坂路へ。軽快なフットワークで4F65秒7〜1F15秒6、木曜予定の最終追いに備えた。上原佑師は「ホープフルS(2着)の時と比べると成長を感じますね。しっかりと体を使えていて、加速してからのスピードの上がり方が良くなり、乗りやすさはキープできている。小さくまとまらないよう体を大きく使えるようなイメージで乗ってきています」と進化を強調した。
◇荻野 極(おぎの・きわむ)1997年(平9)9月23日生まれ、東京都出身の28歳。16年3月、栗東・清水久詞厩舎所属でデビュー。同年4月10日の阪神3Rで初勝利を飾る。同期に坂井瑠星、菊沢一樹、木幡巧也ら。中学生時に空手の世界大会4位。JRA通算4835戦307勝。
【取材後記】フォルテアンジェロを管理する上原佑師は荻野極に全幅の信頼を寄せている。開業4年で85度タッグを組み、勝ち星は全ジョッキー最多の13。「技術はもちろんですが、何より向上心がある。結果に向かって努力する姿勢が素晴らしい」とプロ魂を絶賛した。
“調教に重きを置く”ことが2人に共通する信念だ。「彼は火曜日の朝一番から調教に乗ってくれる数少ないジョッキー。終わった後は的確にフィードバックしてくれるし、しっかり分析してくれる。お互いに意見を出し合って、より良い形に馬を仕上げていける」。対話を基に成り立つ信頼関係は強固。当然、フォルテアンジェロとの初コンビにも師に不安はない。「操縦性の高い馬でジョッキーとは合っている。楽しみ」。調教師として平成生まれ初となるクラシック制覇を“盟友”に託す。 (鈴木 悠貴)
(C)スポーツニッポン