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【サウジC】サンライズジパング世界制覇へ “同志”と対決 開業11カ月の前川恭子師「胸を借りる」

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24年2月、サウジダービーを制したフォーエバーヤングと口取り写真に納まる前川師(左)
 世界最高の1着賞金1000万ドル(約15億7000万円)を誇るG1「第7回サウジカップ」(日本時間15日午前2時40分、キングアブドゥルアジーズ競馬場)が週末に行われる。史上初の連覇に挑む昨年の年度代表馬フォーエバーヤング(牡5=矢作)に注目が集まるが、日本からは他に2頭が参戦。サンライズジパング(牡5)を送り込む前川恭子師(48)は昨年3月、JRA史上初となる女性調教師として開業。“デビュー”から1年もたたずして、世界の大舞台に立つ。

 厩舎開業から11カ月、中東の地にトレーナーとして戻ってきた。昨年3月にJRA史上初の女性調教師としてデビューした前川師が世界最高賞金レースであるサウジCにサンライズジパングを送り込む。「ありがたいのひと言ですね。オーナーや馬にも感謝しかない」と心境を明かした。

 23年12月に5度目の挑戦で調教師試験に合格。翌年は技術調教師として矢作師のもとで経験を積み、1年間でドバイ、米国など6カ国を渡り歩いた。サウジアラビアに同行した24年2月は遠征馬の手伝いをしながら異国でのノウハウを学び、サウジダービーは当時3歳だったフォーエバーヤングをパドックで引いた。「矢作厩舎の皆さまは(海外遠征に)慣れておられますからね。イレギュラーなことが起きたりもするけどチームで連携し、すぐに対応できる。慌てず騒がずで、システマチックに今までの経験を生かしているんだと思った」と学びは多かった。

 サンライズジパングは2走前のチャンピオンズC(8着)から管理。有馬記念は13番人気ながら5着に健闘した。芝&ダートの双方で実績がある二刀流。サウジCは21年ミシュリフ(芝G13勝)、23年パンサラッサ(22年ドバイターフ同着V)と芝馬にとっても走りやすい馬場なのが特徴で、出走の決め手は「馬場に適性があるんじゃないのかなというのが一番。芝ダート兼用できる馬が向いていると思うので、チャンスがあれば試したいと思っていた。大チャンス到来です」と願いがかなった。

 期待が膨らむ大舞台。目の前に立ちはだかる最大のライバルは、ダート世界最強馬に成長したフォーエバーヤングだ。その走りは何度も間近で見てきた。「めちゃくちゃ大きい目標。打倒フォーエバーヤングと力強くは言えないけど、何とかいい勝負をしたい。ノーチャンスではないと思うので、胸を借りるつもりで挑みます」と意気込んだ。“世界のYAHAGI”で積み重ねたノウハウを全てぶつける。

 ◇前川 恭子(まえかわ・きょうこ)1977年(昭52)4月9日生まれ、千葉県富里市出身の48歳。筑波大卒業後、牧場で経験を積み、03年7月にJRA競馬学校厩務員課程入学。同10月から栗東・崎山博樹厩舎で厩務員を経て調教助手。ウエスタンダンサーの担当スタッフを務め、08年京阪杯を制した。厩舎解散に伴って19年3月に坂口智康厩舎へ。23年12月、調教師試験に合格し、JRA初の女性調教師になった。昨年3月に厩舎を開業し、JRA通算268戦10勝。
(C)スポーツニッポン