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◇鈴木康弘氏「達眼」馬体診断
来春のクラシックも狙える“二天一流”のボディーだ。鈴木康弘元調教師(81)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第77回朝日杯FS(21日、阪神)ではリアライズシリウス、エコロアルバ、アドマイヤクワッズの3頭を1位指名した。なかでも達眼が捉えたのはマイル&中距離の二面性を備えたリアライズシリウスの体形。二刀流の由来となった剣豪・宮本武蔵の“二天一流”を体現した2歳王者候補だ。
投打二刀流を復活させ、3年連続4度目のナ・リーグMVPに輝いたドジャースの大谷翔平投手を筆頭に、今年も各界で二刀流の快進撃が続きました。女優とフィギュアスケート選手の2つの顔を持つ本田望結がドラマ「ふたりソロキャンプ」のヒロインを務めれば、「千の風になって」で知られるテノール歌手&彫刻家の秋川雅史は5年連続の二科展入選。お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹、歌舞伎役者で浄瑠璃の清元節「七代目清元栄寿太夫」を襲名した尾上右近…枚挙にいとまがない二刀流ですが、その由来は剣豪・宮本武蔵の「二天一流」。100センチ超の大刀と70センチ弱の脇差しのような小刀。大小2振りの刀を左右の手で自由に使いこなすのが本来の二刀流です。
朝日杯FS出走予定馬の中にも「二天一流」の競走馬がいます。リアライズシリウスの馬体を見ると、マイラーと中距離ホースの2つの顔を持っていることが分かる。ボリュームあふれる首と肩の筋肉はマイラー仕様、背中から腰、尻にかけて流れるようなヘッドライン、各部位のゆとりあるリンクは中距離仕様。各部位の筋肉は厚さとともに柔らかさもある。距離の融通が利く筋肉です。リアライズシリウスと同様に2戦2勝で重賞を制したアドマイヤクワッズ、エコロアルバも素晴らしい馬ですが、いずれもマイラー体形。対照的にこちらは2つの距離をこなせる体形です。
マイルG1朝日杯FSの翌週には2000メートルのG1ホープフルSがゲートインします。どちらの距離を選ぶべきか、迷ったかもしれません。ともあれ、馬体は休養明けでも太め感なく仕上がっています。季節柄、冬毛が見えますが、毛ヅヤも悪くない。
2歳にしてはキ甲が発達した完成度の高い馬です。500キロ超の大型馬にしてはヒ腹の張りが少し弱いが、首抜けが良く、トモの角度も絶妙。推進力を確実に生み出せる滑らかな傾斜です。正面に向けた集中した顔つきには負けん気の強さがうかがえる。母の父ステイゴールドの影響でしょうか。
宮本武蔵の兵法書「五輪書」には「二天一流」の極意が集約されています。その一つが「勝機を逃さず一気呵成(かせい)にひしぐ(打ち負かす)」。マイルでも中距離でも一気呵成にライバルをひしぐ。それが可能な二天一流の馬体です。(NHK解説者)
◇鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の81歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70〜72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94〜04年に日本調教師会会長。JRA通算795勝。重賞27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。
来春のクラシックも狙える“二天一流”のボディーだ。鈴木康弘元調教師(81)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第77回朝日杯FS(21日、阪神)ではリアライズシリウス、エコロアルバ、アドマイヤクワッズの3頭を1位指名した。なかでも達眼が捉えたのはマイル&中距離の二面性を備えたリアライズシリウスの体形。二刀流の由来となった剣豪・宮本武蔵の“二天一流”を体現した2歳王者候補だ。
投打二刀流を復活させ、3年連続4度目のナ・リーグMVPに輝いたドジャースの大谷翔平投手を筆頭に、今年も各界で二刀流の快進撃が続きました。女優とフィギュアスケート選手の2つの顔を持つ本田望結がドラマ「ふたりソロキャンプ」のヒロインを務めれば、「千の風になって」で知られるテノール歌手&彫刻家の秋川雅史は5年連続の二科展入選。お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹、歌舞伎役者で浄瑠璃の清元節「七代目清元栄寿太夫」を襲名した尾上右近…枚挙にいとまがない二刀流ですが、その由来は剣豪・宮本武蔵の「二天一流」。100センチ超の大刀と70センチ弱の脇差しのような小刀。大小2振りの刀を左右の手で自由に使いこなすのが本来の二刀流です。
朝日杯FS出走予定馬の中にも「二天一流」の競走馬がいます。リアライズシリウスの馬体を見ると、マイラーと中距離ホースの2つの顔を持っていることが分かる。ボリュームあふれる首と肩の筋肉はマイラー仕様、背中から腰、尻にかけて流れるようなヘッドライン、各部位のゆとりあるリンクは中距離仕様。各部位の筋肉は厚さとともに柔らかさもある。距離の融通が利く筋肉です。リアライズシリウスと同様に2戦2勝で重賞を制したアドマイヤクワッズ、エコロアルバも素晴らしい馬ですが、いずれもマイラー体形。対照的にこちらは2つの距離をこなせる体形です。
マイルG1朝日杯FSの翌週には2000メートルのG1ホープフルSがゲートインします。どちらの距離を選ぶべきか、迷ったかもしれません。ともあれ、馬体は休養明けでも太め感なく仕上がっています。季節柄、冬毛が見えますが、毛ヅヤも悪くない。
2歳にしてはキ甲が発達した完成度の高い馬です。500キロ超の大型馬にしてはヒ腹の張りが少し弱いが、首抜けが良く、トモの角度も絶妙。推進力を確実に生み出せる滑らかな傾斜です。正面に向けた集中した顔つきには負けん気の強さがうかがえる。母の父ステイゴールドの影響でしょうか。
宮本武蔵の兵法書「五輪書」には「二天一流」の極意が集約されています。その一つが「勝機を逃さず一気呵成(かせい)にひしぐ(打ち負かす)」。マイルでも中距離でも一気呵成にライバルをひしぐ。それが可能な二天一流の馬体です。(NHK解説者)
◇鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の81歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70〜72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94〜04年に日本調教師会会長。JRA通算795勝。重賞27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。
(C)スポーツニッポン