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【エリザベス女王杯】池江泰郎氏 牝馬限定戦では役者が違ったレガレイラ

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<京都11R・エリザベス女王杯>外からパラディレーヌ(左)をかわすレガレイラ(撮影・長嶋 久樹)
 【池江泰郎 匠の解説】せっかくのG1勝利だから、感動や興奮を伝える言葉を探したい気持ちもあるが、順当勝ちなのであまり大げさには表現しない方がいいのかもしれない。そう思わせるほどに役者が違った。G1を普通に走って、普通の結果となった印象すら受けるのだから明らかに力が違う。有馬記念を勝つほどの馬が牝馬限定のG1では1強の扱いは当然で、それをまざまざと見せつける勝ちっぷりだった。

 中団より少し後ろめに陣取ったポジション。ただ、折り合いに難がある訳でないので、位置取りはポイントにもならず、戸崎くんの思考は包まれることだけを避ける操縦に徹していたに違いない。選択した直線の進路は大外。パラディレーヌが省エネで完璧に乗り、ゴールまで残り200メートルでは先頭に立っていたが、並ぶ間もなくレガレイラは素通り。2着馬の鞍上・岩田望くんは悔しがるより、相手の破壊力にあっけにとられたのではないか。

 レガレイラは既に女王、の立場ではあったが、力が違い過ぎたG1勝利に、一段階上がって“絶対女王”に君臨したも同然。ならば再び、牡馬のスーパーホースを蹴散らしてこそ女傑!ファンがこの馬に託す夢は、もっと手ごわい相手を負かすシーン。その時にこそ本物の興奮を味わえるだろう。(本紙評論家)
(C)スポーツニッポン