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【菊花賞】エネルジコがラスト1冠制す!ルメール 史上初の菊3連覇で今年100勝目飾った

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<京都11R・菊花賞> エネルジコと菊花賞を制し、ガッツポーズをするルメール (撮影・平嶋 理子)
 クラシック最終戦「第86回菊花賞」が26日、京都競馬場で行われ、1番人気エネルジコが直線で鋭く伸びて差し切り、ラスト1冠を奪取。クリストフ・ルメール(46)は当レース史上初の3連覇を飾った。鞍上にとって同一G1・3連覇は18〜20年の天皇賞・秋以来。菊花賞は5勝目で武豊と並ぶ最多勝利数タイとなった。

 今年も名手が魅せた。ルメールが駆るエネルジコが2周目3角からの下りでギアチェンジ。直線は内で食い下がる他馬との差を一気に広げて突き抜けた。追い込んだエリキングも2着に浮上するのが精いっぱい。2馬身差をつけて、つかみ取ったラスト1冠に「凄く強い勝ち方をしてくれた」と誇らしげ。鞍上は23年ドゥレッツァ、24年アーバンシックに続く史上初の当レース3連覇。昨年と同じ「水色、赤玉霰(あられ)、袖赤一本輪」のシルクレーシングの勝負服が淀の大舞台で映えた。

 出脚がつかないのは織り込み済み。1周目は後方でリズムを重視した。「スタートが良くないので後方から優しく。長い距離で時間があるし軽い騎乗をした」と序盤は折り合いに専念。動き出したのは2周目の向正面から。「豊さんの馬(マイユニバース)の後ろにつけて、ちょうどいいと思った」。滑らかな加速で4角手前で先団につけ、あとは追い出しのタイミングだけ。「絶対スタミナがあると思っていた」との自信を胸に勝負を決めてみせた。

 これで菊花賞は5勝目。最多勝の武豊に並んだ。先週の秋華賞(エンブロイダリー)に続く京都でのG1制覇となり、この勝利が今年のJRA100勝目というおまけ付きだ。令和の菊花賞男は「京都に住んでいるしね。京都のG1は特別。うまく勝利のリズムができている」と満面の笑みを見せた。

 22年オークス(スターズオンアース)以来のJRA・G1・3勝目を飾った高柳瑞師も「とてもうれしいです」と安どの表情。青葉賞(1着)から中4週のダービー出走は激走の疲れを考慮して見送り、リフレッシュ休養に充てた。体質面を考慮して前哨戦にはトライアルではなく、中7週の間隔を取れる新潟記念を選択。栗東滞在を挟んで慎重に調整してきた。「今まで扱ったことのないタイプ。想像を超えています」という大器をラスト1冠で世代の頂点に導いた。

 今後については「オーナーと相談してから」と未定ながら、強豪古馬との対決が待ち構えている。ルメールは「まだ3歳。これからもっと強くなる。2000メートル以上ならどこでも。3200メートル?(天皇賞・春でも)もちろん大丈夫」と将来に太鼓判を押した。クラシックホースとして新たなステージへ。視界は大きく開けている。

 ◆エネルジコ 父ドゥラメンテ 母エノラ(母の父ノヴェール)22年4月23日生まれ 牡3歳 美浦・高柳瑞厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績5戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金3億1821万9000円 馬名の由来は力強く(イタリア語)。父名、母名より連想
(C)スポーツニッポン