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【菊花賞】(8)レクスノヴァス 武豊の独特なペース配分に適性あり 高い操縦性と持久力兼備

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G1初挑戦初制覇を狙うレクスノヴァス
 土曜付企画「G1展開王」は数多くある予想ファクターの中から、展開面にスポットを当てて勝ち馬をあぶり出していく。牡馬3冠最終ラウンド「第86回菊花賞」は東京本社・鈴木悠貴が担当。逃げが予想される武豊の独特なペース配分に着目し、適性が見込める伏兵に高配を託した。

 “逃げの武豊”を再度印象づけた先週の秋華賞。後続が動くにも動けない絶妙なラップを刻み、テン乗りながらエリカエクスプレスを2着に導いてみせた。56歳を迎えても、なお衰えない体内時計に脱帽。名手ここにあり、と思わせる華麗なエスコートだった。

 菊花賞も武豊(マイユニバース)が先手を取る見込み。百戦錬磨のベテランがどのようなペースをつくるのか。それこそが展開の鍵を握っている。過去20年、武豊がこのレースでハナを切ったのは06年(アドマイヤメイン3着)と09年(リーチザクラウン5着)。その2回の1000メートルごとのレースラップは以下の通り。

06年58秒7、63秒5、60秒5

09年59秒9、63秒2、60秒4

 序盤はややペースを上げて2番手集団を引き離し、各馬の動きをけん制。中盤でグッとラップを落として息を入れる。終盤は下り坂をうまく利用しながらロングスパート。これが武豊にしかつくれない“黄金比”のペース配分である。

 06年ソングオブウインド、09年スリーロールス。勝ち馬2頭に共通するのは、緩急あるペースに対応できるほど操縦性が高いこと、長くいい脚を使えること。◎レクスノヴァスはその2点をしっかり兼ね備えている。

 “仮想・菊花賞”は2走前、函館での1勝クラス戦。中盤は1F12秒台後半のゆったりしたラップでも折り合いはバッチリ。残り1000メートルからの逃げ馬の急激なペースアップにもきっちり対応できた。ラスト4Fは11秒台連発と高い持久力を証明。武豊の“絶品逃げ”に適性があるのは、この上がり馬しかいない。

 
(C)スポーツニッポン