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【菊花賞】エネルジコ 史上初“3連覇”追い!“令和の菊男”ルメールとVへ万全

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CWをサルサロッサ(左)と併せ馬で追い切るエネルジコ
 “令和の菊男”が、春2冠不出走の遅れてきた大物を導く。クラシック最終戦「第86回菊花賞」(26日、京都)の最終追い切りが22日、東西トレセンで行われた。栗東に滞在する関東馬エネルジコはCWコースで僚馬を置き去りにする豪快な伸び脚を披露。万全の仕上がりでラスト1冠を獲りにいく。コンビを組むクリストフ・ルメール(46)は23年ドゥレッツァ、24年アーバンシックに続く史上初となる菊花賞3連覇の偉業に挑む。同レースは23日に出走馬、枠順が決まる。 

 初めて尽くし。そんな外聞はどこ吹く風に、エネルジコは爽快にCWコースを駆け抜けた。僚馬サルサロッサ(6歳障害オープン)を4馬身追走。直線入り口で並びかけると、エンジン点火と同時に一瞬で突き放す。ラスト3F(600メートル)は14秒1→11秒9→11秒3のラップを刻み、桁違いの加速力を見せつけた。高柳瑞師は「追い切り自体は大丈夫。ダメージを引きずる馬なので、変化を見ながら健康状態を保って競馬に向かっていきたい」と気を引き締めた。

 先週の秋華賞を制したエンブロイダリーと同じ関東馬。牝馬2冠を達成したヒロイン同様、関西馬の拠点である栗東トレセンに住まいを移して調整している。10月初旬に入厩し、プールとCWコースを併用して体を磨き上げてきた。師は「環境の変化を感じていたようで、当初はエサの食べ方も遠慮がちだったけど、今はいつも通りの雰囲気」と中間の様子を明かす。初めての関西遠征への対策は効果を発揮している。

 厩舎の看板を背負った2冠牝馬スターズオンアース、重賞5勝トウシンマカオの背中も知る調教役の佐藤助手は「デビュー前から乗っているけど、速いところにいった時の柔らかいフットワークが素晴らしい」とその才能にほれ込む。キャリア5戦目で初の右回りについては「調教の感じからは問題なさそう」。当週同様、右回りのCWコースで行った1週前追い切りも加速がスムーズで「新潟記念でルメールさんは返し馬から硬く感じたみたいだけど、1週前に乗って“今回の方がしっかりしている”と言ってくれた」と名手のお墨付きもある。

 同助手は「先週も騎乗が神懸かっていた」と史上初の菊花賞3連覇、武豊に並ぶ歴代最多タイの5勝目が懸かるルメールに全幅の信頼を寄せる。秋華賞でレジェンド武豊に“さすが”と言わしめた達人は「ビッグチャンス」とお決まりのフレーズで意気込む。栗東滞在の関東馬×シルクレーシングの勝負服を着たルメールが、2週連続で淀のメインイベントの主役を務める。

 《秋華賞Vイヤーは3戦2勝》ルメールは同一JRA・G1級3連覇以上なら延べ8人目となり、自身が記録した天皇賞・秋(18〜20年)以来(最多記録は武豊が89年〜92年の天皇賞・春、01〜04年のエリザベス女王杯で達成した4連覇)。また、ルメールが秋華賞を制した年の菊花賞は17年アルアイン7着、18年フィエールマン1着、24年アーバンシック1着で3戦2勝。該当した近2回は2週連続で3歳G1制覇を飾った。
(C)スポーツニッポン