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【秋華賞】パラディレーヌ差し切る!大外18番むしろ歓迎

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パラディレーヌ
 G1予想企画「展開王」は数多くある予想ファクターの中から展開面にスポットを当てて、勝ち馬をあぶり出す。牝馬3冠最終戦「第30回秋華賞」は大阪本社・田村達人が担当。京都芝2000メートルの内回りで行われる当レースは息の入らない流れで消耗戦になるのが特徴。上がりを要する展開で浮上するのは大外18番に入った差し馬パラディレーヌだ。

 まずは秋華賞のコース分析。スタート地点は直線半ばの正面スタンド前で1角までの距離は309メートルと短いから先行争いが激化しやすい。過去10年(21、22年は阪神開催)を振り返ると、前半5Fの内訳は15年が57秒4、セキトバイーストが逃げた昨年は57秒1。とても中距離戦とは思えない前半の入りだった。京都開催だった8回のうち、23年(61秒9)以外は1分を切っている。キャリアの浅い3歳に加え、前走から距離延長組(今年は13頭)が多い秋華賞は序盤、中盤とペースが緩まないのが特徴。後半は速い脚よりスピードの持続力が問われ、いつも消耗戦になる。

 さて展開。前走4角の位置取りが5番手以内だった馬が半分の9頭。例年より前で運びたい馬がそろった。前哨戦の紫苑Sを逃げ切ったケリフレッドアスクが3枠6番から飛び出す。その外、5枠10番の快速馬エリカエクスプレスは全5戦のうち3戦でハナに立っているが過去の傾向から、ため逃げして良さが生きる馬ではない。逃げ、もしくは番手に控える形でも新タッグの武豊は馬のリズムを優先した、そこそこ速いラップを刻むはず。他にも逃げ切りで全3勝を挙げるテレサや抽選突破のインヴォーグが積極的に前へ。前半5Fは58秒台後半〜59秒台前半と予想する。

 下り坂にさしかかったところで中団追走のオークス馬カムニャックが外々を回しながら、強気なレース運びで一気に進出。先ほど書いた通り、後半は消耗戦で早めに来られた先行勢が粘り込むのは相当、ハードルが高い。狙うはカムニャックと同じ位置か、その後ろで進める差し馬だ。

 本命パラディレーヌはスローのヨーイドンでは分が悪いが上がり3F35秒前後を要した未勝利戦(1着)、つばき賞(1着)、フラワーC(2着)が強い内容。消耗戦の今回はいかにも展開が向きそう。前走ローズSは出遅れ、直線不利と不完全燃焼。度外視でいい。徐々にスピードを上げるタイプで不利を受けづらい大外18番はむしろ歓迎だろう。道中は1つ内に入ったカムニャックの出方を見ながら中団で脚を温存。直線は先に抜け出した同馬の外からズバッと差し込んでくるイメージだ。
(C)スポーツニッポン