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タイキシャトルといえば泣く子も黙る名馬中の名馬であるが、このスワンSを勝つ前は「強そうだけど…どんなもんかな?」という評価だった。
G3のユニコーンSを含め、ダートは3戦3勝。芝も1勝しているが、菩提樹Sでテンザンストームという牝馬に逃げ切られて2着だった。
「父デヴィルズバッグは米国の種牡馬だし、基本はダートかな」というジャッジが大半だったように記憶する。今では信じられないが、このレース、タイキシャトルは1番人気をスギノハヤカゼに譲っての2番人気だった。
そんなスワンSでタイキシャトルは圧倒的なパフォーマンスを見せる。続くマイルCSも制し、3歳にしてマイル戦線の頂点に立ち、翌年の仏G1ジャックルマロワ賞制覇へとつなげていくのだ。
スワンSでの鞍上はテン乗りの横山典弘。それまで5戦、コンビを組んできた岡部幸雄騎手はシンコウキングの手綱を取った。シンコウキングには乗り難しさがあったため、鞍上は替えない方がいいとの判断。結果、横山典はタイキシャトルの凄みを初めて知ることとなる。
メンバーは豪華だった。前年のスワンSの覇者スギノハヤカゼ。3番人気は重賞4勝の快速牝馬エイシンバーリン。他にも峠を過ぎたとはいえG1を2勝したフラワーパーク、同じくG1馬の巨漢ヒシアケボノもいた。
ちなみに藤沢和雄厩舎はタイキシャトル、シンコウキングだけでなく、プレストシンボリ、タイキマーシャル、シャドウクリークも出陣しての5頭出し。番記者たちは「先生、やり過ぎちゃう?」と妙に心配した(笑い)。
5枠9番から互角のスタートを切ったタイキシャトル。予想通り、エイシンバーリンが飛ばす中、3番手で流れに乗った。
3角を回って坂の下り。ペースがグッと上がった。ここで追いかけないのが横山典のうまさ。4番手のインで馬を落ち着かせ、直線を迎えた。
内からグッとスパート。残り250メートル付近からスピードに乗った。食らいつくスギノハヤカゼを手前を替えて振り切る。外から強襲したロイヤルスズカも抑え込んだ。ゴール直前、勝利を確信した横山典は左の拳をグッと握りしめた。
「久しぶりにしびれたね。さすが藤沢厩舎を代表する馬だけのことはある。レースはしやすいし、マイルCSが楽しみになったよ」。横山典も笑顔が絶えない。
藤沢和雄師は「追い切りでも古馬に負けないくらい走る馬。ここに来て本当にたくましくなってきた」と手放しで喜んだ。
続くマイルCSも横山典とのコンビで挑んだタイキシャトル。2着キョウエイマーチに2馬身半差をつけて快勝し、ついにG1を手にした。
マイルCS優勝後、「来年は海外ですか?」「先生の夢をかなえるのはこの馬ですか?」。気の早い記者たちは海外遠征に関する質問をぶつけたが、指揮官は「今年は米国に円をいっぱい置いてきたからね。(海外は)もう少し貯金してからにするよ」
タイキブリザードが米国で敗れたことをネタに、けむに巻いたが、翌年、タイキシャトルは世界を驚かせることとなる。
G3のユニコーンSを含め、ダートは3戦3勝。芝も1勝しているが、菩提樹Sでテンザンストームという牝馬に逃げ切られて2着だった。
「父デヴィルズバッグは米国の種牡馬だし、基本はダートかな」というジャッジが大半だったように記憶する。今では信じられないが、このレース、タイキシャトルは1番人気をスギノハヤカゼに譲っての2番人気だった。
そんなスワンSでタイキシャトルは圧倒的なパフォーマンスを見せる。続くマイルCSも制し、3歳にしてマイル戦線の頂点に立ち、翌年の仏G1ジャックルマロワ賞制覇へとつなげていくのだ。
スワンSでの鞍上はテン乗りの横山典弘。それまで5戦、コンビを組んできた岡部幸雄騎手はシンコウキングの手綱を取った。シンコウキングには乗り難しさがあったため、鞍上は替えない方がいいとの判断。結果、横山典はタイキシャトルの凄みを初めて知ることとなる。
メンバーは豪華だった。前年のスワンSの覇者スギノハヤカゼ。3番人気は重賞4勝の快速牝馬エイシンバーリン。他にも峠を過ぎたとはいえG1を2勝したフラワーパーク、同じくG1馬の巨漢ヒシアケボノもいた。
ちなみに藤沢和雄厩舎はタイキシャトル、シンコウキングだけでなく、プレストシンボリ、タイキマーシャル、シャドウクリークも出陣しての5頭出し。番記者たちは「先生、やり過ぎちゃう?」と妙に心配した(笑い)。
5枠9番から互角のスタートを切ったタイキシャトル。予想通り、エイシンバーリンが飛ばす中、3番手で流れに乗った。
3角を回って坂の下り。ペースがグッと上がった。ここで追いかけないのが横山典のうまさ。4番手のインで馬を落ち着かせ、直線を迎えた。
内からグッとスパート。残り250メートル付近からスピードに乗った。食らいつくスギノハヤカゼを手前を替えて振り切る。外から強襲したロイヤルスズカも抑え込んだ。ゴール直前、勝利を確信した横山典は左の拳をグッと握りしめた。
「久しぶりにしびれたね。さすが藤沢厩舎を代表する馬だけのことはある。レースはしやすいし、マイルCSが楽しみになったよ」。横山典も笑顔が絶えない。
藤沢和雄師は「追い切りでも古馬に負けないくらい走る馬。ここに来て本当にたくましくなってきた」と手放しで喜んだ。
続くマイルCSも横山典とのコンビで挑んだタイキシャトル。2着キョウエイマーチに2馬身半差をつけて快勝し、ついにG1を手にした。
マイルCS優勝後、「来年は海外ですか?」「先生の夢をかなえるのはこの馬ですか?」。気の早い記者たちは海外遠征に関する質問をぶつけたが、指揮官は「今年は米国に円をいっぱい置いてきたからね。(海外は)もう少し貯金してからにするよ」
タイキブリザードが米国で敗れたことをネタに、けむに巻いたが、翌年、タイキシャトルは世界を驚かせることとなる。
(C)スポーツニッポン