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【京都大賞典】ディープモンスター 重賞初V 15度目の正直 ディープインパクト産駒の底力

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京都大賞典を制したディープモンスター(左)(撮影・中辻 颯太)
 秋の京都開幕を告げる伝統のG2「第60回京都大賞典」が5日、18頭で争われた。中団待機から末脚に懸けた浜中俊(36)騎乗の7歳馬ディープモンスターが直線、逃げ粘るサンライズアースを捉え、半馬身差V。15度目の重賞挑戦で初タイトルをものにし、ディープインパクト産駒は当レース3年連続8度目Vとなった。東京のG2「第76回毎日王冠」は道中3番手を追走したレーベンスティールが直線、鋭く伸びて昨年オールカマー以来、4度目の重賞制覇。勝ち馬2頭に天皇賞・秋(11月2日、東京)優先出走権が与えられる。

 15度目の重賞チャレンジでついに手が届いた栄冠。7歳馬ディープモンスターが内から鋭く突き抜けて重賞初Vを決めた。ゴール後にガッツポーズを見せた浜中は「ここに来て力をつけて、重賞にも手が届いた」とパートナーを称える。

 通算26戦目で最多10度目のコンビとなった浜中だからこそ、相棒を熟知した運びで最大限に力を引き出した。道中は先行集団の後ろにつけて内ラチ沿いをロスなく回った。「(3番)枠を生かして一発狙おうと思った。後ろからだと厳しいと思い、スタートだけは決めたいと。本当にいい位置で競馬ができた」と振り返る。直線で馬群がばらけると内に進路を取り、スルスルと伸びてVゴールを駆け抜けた。「じっと内で我慢して直線も内が空けば、そこを突こうと思って狙ったレースができた」と会心の勝利に笑みを浮かべた。

 充実期を迎えた古豪。近走は課題だった折り合いも改善されて小倉記念、新潟記念と連続3着。安定感が備わってきた。1週前追いはCWコースで自己ベストを更新し、年を重ねて進化を続けている。東京でレースを見届けた池江師は「なんといっても浜中君。うまく乗ってくれた」と鞍上を称えた上で「馬自身、背腰の状態が良くなっていたからね。来年以降もっと良くなりそうだし今後が楽しみになる勝ち方だった」と絶賛する。2400メートルで結果が出たことによって、今後の選択肢も広がった。

 ディープインパクト産駒は当レース3年連続8度目V。7歳世代の同産駒は夏以降、グレイイングリーン(朱鷺S)、牝馬のホウオウラスカーズ(京成杯AH)、前週のヤマニンサンパ(ポートアイランドS)に続くオープン勝ちだ。父が19年にこの世を去り、残された産駒が今もなお、血の凄さを示し続けている。“遅れてきたモンスター”がこの勝利をきっかけに、出世ロードを切り開いていく。

 ディープモンスター 父ディープインパクト 母シスタリーラヴ(母の父ベラミーロード)18年3月5日生まれ 牡7歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・DMMドリームクラブ 生産者・北海道新ひだか町の矢野牧場 戦績26戦6勝(重賞初勝利) 総獲得賞金2億8471万2000円 馬名の意味は父名の一部+怪物。 
(C)スポーツニッポン