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秋G1開幕戦「第59回スプリンターズS」の出走馬が25日、確定した。G1初挑戦のジューンブレアは23年スプリンターズS当日の中山3Rで初陣Vを飾った。あれから2年――。この舞台を目標にキャリアを積み、有言実行。昨年2月フェブラリーSを制したペプチドナイルも手がける腕利きの大倉浩二助手(46)が自信を持って送り出す。同レースは26日、枠順が決まる。
全ての思いを乗せてG1舞台に立つ。スプリンターズSに担当馬ジューンブレアを送り出す大倉助手は「重賞未勝利馬で強気なことを言える立場ではないが、能力は高いし楽しみは大きい」と期待を膨らませた。
兵庫県生まれ。地元の川西緑台高校を卒業後はサンシャイン牧場(北海道日高町)や栗東近郊のグリーンウッドで馬乗りを学び、24歳で崎山厩舎に所属した。「重賞馬に恵まれなかったけど、崎山厩舎での経験は大きい。調教師はあまり口出しをする方ではなかったので、自分で考えながら担当馬の調教メニューを組み立てたり、いろいろ学ばせてもらった。その経験が今に役立っている。いい先生でした」と感謝を伝える。
18年11月29日に崎山師が病気のため死去。厩舎の解散に伴い、武英厩舎に移った。馬と愚直に向き合い続け、大台のキャリア20年を積み重ねた昨年。担当馬ペプチドナイルでフェブラリーSを制し、G1初制覇を飾った。「この世界でずっと目指していたG1だったので、うれしかったのひと言に尽きる。その一方で、どんどん欲も出てきた。生でしか味わえない、あの勝利の感覚をもう一度、味わいたい」と力強く語る。
ジューンブレアが中山芝6Fで初陣Vを飾った23年10月1日。メインのスプリンターズSに出走していたのがアイドルホースとして多くのファンに愛された厩舎の先輩メイケイエール(5着)だった。大倉助手は「デビュー戦を勝った直後に先生(武英師)と2年後は絶対に“この舞台に立とう”と誓い、本当に実現することができた。感慨深いものがある」としみじみ。
芝6Fは4勝、2着が2回。適性外だった距離やダートを除けば抜群の安定感を誇る。重賞の近2走は函館スプリントS、CBC賞と連続2着。「負けはしたが前々走はハイペースの流れを前々で粘れたし、前走は道中でハミをかみながらも、最後でしっかり差を詰めたあたりは地力が高い証拠。勝ちに等しい内容だったと思います」と振り返る。
前走のCBC賞から中間は崎山厩舎所属で騎手デビューし、長い付き合いの高倉(現在はフリー)が付きっきりで稽古を付けている。「既に特徴を把握して、手の内に入れているから頼もしい限り。いい状態でレースに向かえるのは高倉のおかげで感謝しかない。崎山厩舎出身の2人が今、こうして一緒にやれているのはうれしい」と思いを明かした。課題だった折り合い面は日々の積み重ねで少しずつ改善され、馬体も本格化を迎えつつある。2年前に戻ってくると誓ったG1舞台。小細工なしの真っ向勝負で強敵に挑む。
◇大倉 浩二(おおくら・こうじ)1979年(昭54)1月31日生まれ、兵庫県出身の46歳。中学時代はサッカー部に所属していた。名馬ナリタブライアンがきっかけで競馬に興味を持つと、高3の夏休みは北海道厚賀町の大江牧場へ。そこで初めて馬に触れ、卒業後は「馬の世界で」と決心した。複数の牧場を渡り歩き、24歳で栗東トレセンの崎山厩舎に所属。厩舎の解散に伴い、武英厩舎に移った。趣味はキャンプ。
《武豊×武英師メイケイエールで重賞3勝》ジューンブレアを管理する武英智師(44、写真)は12年に騎手引退後、木原厩舎で調教助手を務め、16年に調教師試験合格。18年3月に厩舎を開業した。武豊&幸四郎師兄弟と、はとこの関係。先週終了時点でJRA通算191勝(2343戦)を挙げ、そのうち25勝が武豊の手綱だった。武豊&武英師のタッグはメイケイエールで20年小倉2歳S、ファンタジーS、21年チューリップ賞と重賞3勝。武豊は勝てば90年バンブーメモリー、02年ビリーヴ(新潟開催)以来、23年ぶり3度目のスプリンターズS制覇となる。
全ての思いを乗せてG1舞台に立つ。スプリンターズSに担当馬ジューンブレアを送り出す大倉助手は「重賞未勝利馬で強気なことを言える立場ではないが、能力は高いし楽しみは大きい」と期待を膨らませた。
兵庫県生まれ。地元の川西緑台高校を卒業後はサンシャイン牧場(北海道日高町)や栗東近郊のグリーンウッドで馬乗りを学び、24歳で崎山厩舎に所属した。「重賞馬に恵まれなかったけど、崎山厩舎での経験は大きい。調教師はあまり口出しをする方ではなかったので、自分で考えながら担当馬の調教メニューを組み立てたり、いろいろ学ばせてもらった。その経験が今に役立っている。いい先生でした」と感謝を伝える。
18年11月29日に崎山師が病気のため死去。厩舎の解散に伴い、武英厩舎に移った。馬と愚直に向き合い続け、大台のキャリア20年を積み重ねた昨年。担当馬ペプチドナイルでフェブラリーSを制し、G1初制覇を飾った。「この世界でずっと目指していたG1だったので、うれしかったのひと言に尽きる。その一方で、どんどん欲も出てきた。生でしか味わえない、あの勝利の感覚をもう一度、味わいたい」と力強く語る。
ジューンブレアが中山芝6Fで初陣Vを飾った23年10月1日。メインのスプリンターズSに出走していたのがアイドルホースとして多くのファンに愛された厩舎の先輩メイケイエール(5着)だった。大倉助手は「デビュー戦を勝った直後に先生(武英師)と2年後は絶対に“この舞台に立とう”と誓い、本当に実現することができた。感慨深いものがある」としみじみ。
芝6Fは4勝、2着が2回。適性外だった距離やダートを除けば抜群の安定感を誇る。重賞の近2走は函館スプリントS、CBC賞と連続2着。「負けはしたが前々走はハイペースの流れを前々で粘れたし、前走は道中でハミをかみながらも、最後でしっかり差を詰めたあたりは地力が高い証拠。勝ちに等しい内容だったと思います」と振り返る。
前走のCBC賞から中間は崎山厩舎所属で騎手デビューし、長い付き合いの高倉(現在はフリー)が付きっきりで稽古を付けている。「既に特徴を把握して、手の内に入れているから頼もしい限り。いい状態でレースに向かえるのは高倉のおかげで感謝しかない。崎山厩舎出身の2人が今、こうして一緒にやれているのはうれしい」と思いを明かした。課題だった折り合い面は日々の積み重ねで少しずつ改善され、馬体も本格化を迎えつつある。2年前に戻ってくると誓ったG1舞台。小細工なしの真っ向勝負で強敵に挑む。
◇大倉 浩二(おおくら・こうじ)1979年(昭54)1月31日生まれ、兵庫県出身の46歳。中学時代はサッカー部に所属していた。名馬ナリタブライアンがきっかけで競馬に興味を持つと、高3の夏休みは北海道厚賀町の大江牧場へ。そこで初めて馬に触れ、卒業後は「馬の世界で」と決心した。複数の牧場を渡り歩き、24歳で栗東トレセンの崎山厩舎に所属。厩舎の解散に伴い、武英厩舎に移った。趣味はキャンプ。
《武豊×武英師メイケイエールで重賞3勝》ジューンブレアを管理する武英智師(44、写真)は12年に騎手引退後、木原厩舎で調教助手を務め、16年に調教師試験合格。18年3月に厩舎を開業した。武豊&幸四郎師兄弟と、はとこの関係。先週終了時点でJRA通算191勝(2343戦)を挙げ、そのうち25勝が武豊の手綱だった。武豊&武英師のタッグはメイケイエールで20年小倉2歳S、ファンタジーS、21年チューリップ賞と重賞3勝。武豊は勝てば90年バンブーメモリー、02年ビリーヴ(新潟開催)以来、23年ぶり3度目のスプリンターズS制覇となる。
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