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【ローズS】カムニャック 貫禄のV いざ2冠へ視界良好 “バラ男”川田2年連続6勝目

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直線で抜け出し、ローズSを制したカムニャック(手前) (撮影・平嶋 理子) 
 秋華賞トライアル「第43回ローズS」が14日、阪神競馬場で行われ、1番人気のオークス馬カムニャックが差し切り、3度目の重賞制覇を飾った。この日、JRA通算2200勝を達成した川田将雅(39)は昨年クイーンズウォークに続く同レース2年連続6勝目。武豊に並び、最多勝利となった。2着テレサ、3着セナスタイルを合わせた上位3頭に秋華賞(10月19日、京都)の優先出走権が与えられる。

 アクシデントをはね返した。オークス馬カムニャックは4角で内にいた他馬が外に出した影響で川田が立ち上がる大きな不利。そこから体勢を立て直し、しまいはズバッと。2着テレサに1馬身半差で3度目の重賞Vゴールに飛び込んだ。川田は「4角で内側から当てられ、危うく落ちるくらいの動きになったけど、この馬の能力で何とか勝ち切ることができました」とパートナーを称えた。

 逃げたアイサンサンが前半1000メートルを56秒8で飛ばす展開。締まった流れの中、先行勢を視界に入れながら道中6番手の外を楽な手応えで追走した。「自分のリズムを大事にしながら、とてもいい雰囲気で4角までは来られていました」と振り返る。スムーズさを欠くシーンがあっても気持ちは切れない。友道師は「4角まで完璧な立ち回り。速い流れでも、いいポジションで運べていた。最後はしっかり脚を使って、いい内容だったと思います」と人馬をねぎらった。

 前走オークスを制し、夏場は宮城県の山元トレセンに放牧。心身ともにリフレッシュし、英気を養って帰ってきた。前走比8キロ増の482キロで出走。大幅に増えてはいないが見た目にたくましさが増した。「元々、秋に良くなると思っていた。いい形で夏を過ごして、いい感じに体も増えていた。背が高くなり、フレームが大きくなっている。(歩く)完歩も大きくなって牝馬らしからぬ雰囲気」と成長に目を細めた。

 オークスまでの3勝は全て左回りで、この日が右回り初勝利。その意味でも秋華賞につながるトライアルになった。「エルフィンSは(右回りで4着だったが)具合が良くなかったからね。内回りの2000メートルでも大丈夫。この後は在厩で本番に向かいたい」と力を込めた。V発進を切った樫の女王が2冠制覇に向かって突き進んでいく。

 カムニャック 父ブラックタイド 母ダンスアミーガ(母の父サクラバクシンオー)22年4月14日生まれ 牝3歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績6戦4勝(重賞3勝目) 総獲得賞金2億9772万3000円 馬名の由来は祝福された者(サンブル語)
(C)スポーツニッポン