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【紫苑S】ケリフレッドアスク逃げ切りV 7番人気で秋華賞切符ゲット 4年目西塚が重賞初制覇

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紫苑Sを制したケリフレッドアスク(左)=撮影・郡司 修
 秋の中山開幕週を彩る秋華賞トライアル「第10回紫苑S」が7日、中山競馬場で行われた。デビュー4年目の西塚洸二(21)が騎乗した7番人気ケリフレッドアスクが逃げ切りV。人馬共に重賞初制覇を飾った。2着ジョスラン、3着ダノンフェアレディまでが秋華賞(10月19日、京都)の優先出走権を獲得した。

 心地よい秋風に乗って、開幕週のターフを駆け抜けた。先手を奪ったケリフレッドアスクが堂々の逃げ切り。コンビ7戦目の西塚が背中を知り尽くした相棒とそろって重賞初タイトルを手にした。殊勲の鞍上は「素晴らしい馬に乗せてもらって、チャンスをモノにできて良かった」と汗を拭った。

 スタートを決めると迷いなく先頭へ。前半1000メートル通過60秒1のマイペースに持ち込んだ。「先行力を生かそうと。二千は条件的に向いていると思いましたし、馬にとって良いペースで走れた」。勝負どころの3角で、後続との差が詰まっても人馬に焦りはない。じっくり引き付けて4角からスパート開始。中山名物の急坂を力強く駆け上がると、外から迫るジョスランを首差振り切った。「最後は差されるかも、と思いましたがよく頑張ってくれた」と相棒を称えた。

 忘れられない一勝になった。「オーナーとは春に花見をしてケリフレッドアスクで重賞を勝とう、G1に行こうと話していた。オークスは自分が騎乗停止になり乗れなかったので、オーナーに感謝しています」。こう振り返る西塚は23年春、美浦から栗東に武者修行。同馬を管理する藤原厩舎を拠点に調教から腕を磨き、昨年4月からは栗東所属になった。「(藤原師からは)今週は(騎乗予定の)3つ勝ってこいと言われました。1つしか勝てず申し訳なかったですが、一番大きいところを勝てたのは良かった」。自身を支えてくれる温かいサポートに終始、感謝の思いがあふれた。

 吉報を受け取った廣崎利洋オーナーは「本当に良かった。人馬ともいろいろ思い出はある。ジョッキーもこの馬で重賞を勝ちたいと言っていたので、結果になってうれしい」と喜んだ。今後は権利を勝ち取った秋華賞に向かう予定。コンビ継続は未定ながらも、継続騎乗となれば鞍上にとってはG1初挑戦となる。勢いに乗る人馬から今後も目が離せない。

 ◇西塚 洸二(にしづか・こうじ)2004年(平16)3月9日生まれの21歳。米国で生まれ、すぐにニュージーランドに移り、10歳まで過ごす。競馬学校の同期に今村聖奈や大久保友雅、佐々木大輔、鷲頭虎太ら。22年3月に美浦・鹿戸厩舎所属でデビュー。23年6月6日からフリー、24年4月24日に栗東(フリー)に所属変更。JRA通算1394戦87勝。1メートル60、47キロ。血液型A。

 ケリフレッドアスク 父ドゥラメンテ 母ディープインアスク(母の父ディープインパクト)22年4月3日生まれ 牝3歳 栗東・藤原厩舎所属 馬主・廣崎利洋氏 生産者・北海道平取町のASK STUD 戦績9戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金7206万8000円 馬名の由来は人名より+人名より+冠名。
(C)スポーツニッポン