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【札幌記念】10番人気トップナイフ重賞初V 横山典弘、武史が史上初父子ジョッキー同日重賞制覇

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<札幌記念>トップナイフでレースを制し、ポーズを決める横山典
 凄いぞ、横山父子!夏競馬唯一のG2「第61回札幌記念」が17日、札幌競馬場で行われ、3年連続参戦の10番人気トップナイフが重賞初勝利。鞍上の横山典弘は自身が持つJRA重賞勝利最年長記録を57歳5カ月26日に更新した。その20分前に中京競馬場で発走した「第73回中京記念」は横山武史(26)騎乗の5番人気マピュースが2番手から抜け出し、3歳牝馬初の勝利にエスコート。史上初の父子ジョッキーによる同日重賞制覇となった。

 三度目の正直でつかんだ札幌記念優勝の瞬間、トップナイフの馬上で横山典が左腕を突き上げた。「なかなか勝てない中、関わる人たちが我慢して、僕の好きなようにさせてもらって、馬もそれに応えてくれた。勝てばいつもうれしいが、この馬とは若駒から長い付き合い。本当にうれしい」。自身が持つ最年長JRA重賞勝利記録を更新した57歳は、口取り撮影で馬上から飛び降りる“フライングディスマウント”。北の大地の観衆を沸かせた。

 スタートで両脇から挟まれ後方の位置取り。超一流の技術を持つ鞍上は慌てず騒がず。11番手で向正面に入ると、雨の影響で他馬が避けたインコースを使って3角で5番手まで浮上する。「返し馬の感触が今までで一番良くて、道中いい感じで来られたので進路さえあれば突き抜けると思っていた。うまく誘導できた」。3番手で迎えた直線は残り150メートルで抜け出し、後方勢を寄せ付けなかった。

 22年10月の萩S以来となる久々の勝利。膝蓋(しつがい)骨がズレてしまう持病を克服するため、2度の手術を経験した。昆師は「それが全て。トモの踏ん張りが良くなった」。2度目の手術から明け3戦目でのVゴール。「ジョッキーは“麻酔が抜けるまで2〜3走かかる”なんて言っていたんだよ」と鞍上の予言通りの復活劇。所有する安原浩司オーナーは北海道に拠点を置くだけに「(札幌記念優勝は)夢だったと思う。3回使ってようやく…」と陣営の喜びもひとしおだ。

 今後の具体的なプランは未定だが、指揮官は「元々奥手な馬だから。勝ったことでどこでもいける。選択肢が広がった」と展望。横山典も「今まで運がなかった馬なのでこれから。軌道に乗れば、大きな花を咲かせることができる」とさらなる飛躍を先見した。ゆっくりと磨かれてきた才能が、再びG1の大舞台で輝く日は近い。 

 トップナイフ 父デクラレーションオブウォー 母ビーウインド(母の父スピニングワールド)20年3月9日生まれ 牡5歳 栗東・昆厩舎所属 馬主・安原浩司氏 生産者・北海道浦河町の杵臼牧場 戦績19戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億9624万3000円。馬名の由来は超一流の技術。
(C)スポーツニッポン