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【札幌記念】“唯一のG1馬”ステレンボッシュ貫禄!ダートで5馬身追走も1馬身先着

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函館ダートコースを併せ馬で追い切ったステレンボッシュ(左)(撮影・千葉茂)
 北の大地が誇るスーパーG2「第61回札幌記念」の最終追い切りが13日に行われ、出走予定馬の大半が調整を進めている函館競馬場では公開調教が実施された。昨年の桜花賞馬で、メンバー唯一のG1馬ステレンボッシュは新コンビを組む池添を背にダートコースで併せた僚馬に先着。貫禄を示すデモンストレーションで集まったファンに健在ぶりをアピールした。

 雲一つない青天の下で行われた公開調教。早朝から列を作った観衆の注目の的はメンバー唯一のG1馬ステレンボッシュだ。池添を背にダートコースに登場すると、視線が集中する。サマースピリット(3歳未勝利)を5馬身追走してスタート。4角で一気に差を詰め、余裕の手応えで1馬身先着。5F66秒3〜1F11秒8。初コンタクトを終えた鞍上は「牝馬3冠であれだけの競馬をしている馬。いい馬じゃないわけがない」と地力を感じ取った。

 伸び伸びと走らせる目的で、コーナーが急なWコースではなくダートコースを選択。池添は「状態がどうか、ハミの取り具合を確認したかった」とテーマを設定して臨んだ。序盤は僚馬と距離を取って折り合いに専念。直線では肩ムチを入れて気合を注入した。「自分から進んで、4角で並んでいくところもいい感じだった。牝馬のフォルムだけど走りがしっかりしている」。復活への手応えありだ。

 今年に入って大阪杯13着→ヴィクトリアマイル8着と精彩を欠く桜花賞馬。前走は首位から0秒3差と悲観するものではないが、大阪杯の大敗はやはり気がかり。担当の田村助手は「前日輸送で阪神競馬場の環境になじみきれず、体重が6〜8キロぐらい減ってしまった」と敗因を分析する。失敗を繰り返さないよう、きょう木曜に一足早く札幌競馬場へ移動予定。レースまでに猶予をしっかり取り、平常心で決戦を迎える工夫を凝らす。

 チャンスに燃える“クラッチヒッター”池添が「何とか復活して秋を迎えられれば。いい結果を求めたい」と意気込めば、厩舎の人気馬ハヤヤッコも手がけた田村助手は「ウチの先生もあと半年だから。何とか頑張ってほしい」と思いを込めて仕上げを施している。来春の定年解散が近づく名門・国枝厩舎の看板ホースが、このまま終わるわけがない。

《桜花賞馬でVの3頭とも前走敗戦から巻き返し!!》21世紀に入ってから札幌記念に桜花賞馬が出走したのは7例(6頭)で3勝を挙げている。02年テイエムオーシャン、14年ハープスター、21年ソダシの全頭が前走敗戦から巻き返している点もステレンボッシュの復活を後押しする。また、同期間の性別勝率では牡馬・セン馬が5・7%に対し、牝馬が15・4%と圧倒的にリードしている。“夏は牝馬”の格言通りに、夏競馬の大一番も牝馬が優勢だ。
(C)スポーツニッポン