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今回のコラムの主役、ケンシンコウは7月16日付で競走馬登録を抹消したばかりだ。7月6日のジュライSの競走中、右前肢ハ行を発症したため決勝線手前で競走中止。これがラストランとなり、種牡馬入り(けい養先は未定)することとなった。引退は残念だが、まずは無事に種牡馬入りできたことを喜びたい。
そのケンシンコウが大舞台で輝きを放ったのが20年レパードSだ。ケンシンコウといえば、誰の頭にも思い浮かぶのが戦国時代、「越後の龍」と恐れられた上杉謙信公。そんなケンシンコウが初めての新潟参戦でいきなり勝ってしまうのだから、たまらない。
中山、東京のダート戦で2勝を挙げ、ユニコーンSで3着(勝ち馬カフェファラオ)の後、レパードSに臨んだケンシンコウ。ダッシュ鋭くタイガーインディが行くかと思われたが、最内枠から馬が走る気を見せ、逃げの形となった。
「できれば逃げたくなかったが抑え切れない手応えだった」と丸山。馬の闘争本能に任せることにした。
不良馬場で1000メートル通過は60秒7。勝負どころで後続の手はどれも動いていたが、先頭を行くケンシンコウだけは手応え抜群だった。
まずは先団を振り切った。ミヤジコクオウが外から脚を見せたが、もう安全圏だ。2馬身半差、越後の龍が逃げ切っていた。
「先頭に立ったらリラックスしてくれたからね。終わってみれば強かった」。道中で作戦変更の“軍師”丸山は会心の笑顔を見せた。
小西一男師は驚きの表情だった。「速い馬がたくさんいたから、てっきり後ろから行くものと思っていた。競馬はスタートしてみないと分からないものだね。1枠を利して、うまく逃げたよ」。気持ちを正直に吐露したあたり、丸山との鉄壁の信頼関係がうかがえた。
「ロスなく回れたし、軽い馬場も味方した。まだ気性面に課題はあるが、思った以上の強さだった。これで秋が楽しみになった」。小西師は満足そうな表情で、そう続けた。
ところで、新聞には「見出し」が必須だが、戦国武将から取った馬名は見出しとの相性がいい。つけやすく、勇壮感も出る。当時の弊紙の見出しも「ケンシンコウ 逃げ切ったり〜」「越後はやっぱり!」「上杉謙信ばり妙手」「ダート界の天下統一へ」とワクワクする言葉が並ぶ。編集マンの心が躍る様子が伝わってくるようだ。
戦国武将馬名でいえば、「シンゲン」が09、10年に重賞3勝を挙げて一世を風靡(ふうび)した。元編集マンの筆者としては、もっと戦国武将の名を受けた、ロマンあふれる馬名が増えてほしい。馬主の皆様、ぜひお願いします!
そのケンシンコウが大舞台で輝きを放ったのが20年レパードSだ。ケンシンコウといえば、誰の頭にも思い浮かぶのが戦国時代、「越後の龍」と恐れられた上杉謙信公。そんなケンシンコウが初めての新潟参戦でいきなり勝ってしまうのだから、たまらない。
中山、東京のダート戦で2勝を挙げ、ユニコーンSで3着(勝ち馬カフェファラオ)の後、レパードSに臨んだケンシンコウ。ダッシュ鋭くタイガーインディが行くかと思われたが、最内枠から馬が走る気を見せ、逃げの形となった。
「できれば逃げたくなかったが抑え切れない手応えだった」と丸山。馬の闘争本能に任せることにした。
不良馬場で1000メートル通過は60秒7。勝負どころで後続の手はどれも動いていたが、先頭を行くケンシンコウだけは手応え抜群だった。
まずは先団を振り切った。ミヤジコクオウが外から脚を見せたが、もう安全圏だ。2馬身半差、越後の龍が逃げ切っていた。
「先頭に立ったらリラックスしてくれたからね。終わってみれば強かった」。道中で作戦変更の“軍師”丸山は会心の笑顔を見せた。
小西一男師は驚きの表情だった。「速い馬がたくさんいたから、てっきり後ろから行くものと思っていた。競馬はスタートしてみないと分からないものだね。1枠を利して、うまく逃げたよ」。気持ちを正直に吐露したあたり、丸山との鉄壁の信頼関係がうかがえた。
「ロスなく回れたし、軽い馬場も味方した。まだ気性面に課題はあるが、思った以上の強さだった。これで秋が楽しみになった」。小西師は満足そうな表情で、そう続けた。
ところで、新聞には「見出し」が必須だが、戦国武将から取った馬名は見出しとの相性がいい。つけやすく、勇壮感も出る。当時の弊紙の見出しも「ケンシンコウ 逃げ切ったり〜」「越後はやっぱり!」「上杉謙信ばり妙手」「ダート界の天下統一へ」とワクワクする言葉が並ぶ。編集マンの心が躍る様子が伝わってくるようだ。
戦国武将馬名でいえば、「シンゲン」が09、10年に重賞3勝を挙げて一世を風靡(ふうび)した。元編集マンの筆者としては、もっと戦国武将の名を受けた、ロマンあふれる馬名が増えてほしい。馬主の皆様、ぜひお願いします!
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