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【アイビスSD】ピューロマジック貫禄V! 韋駄天カルストンライトオに並ぶ日本レコード53秒7

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<アイビスSD>内から2着のテイエムスパーダ(左奥)を差し切ったピューロマジック(左から2頭目・6番)。10番は3着のウイングレイテスト(撮影・郡司 修)
 サマースプリントシリーズ第3戦「第25回アイビスSD(G3)」はクリストフ・ルメール(46)騎乗の2番人気ピューロマジックが差し切りV。昨年北九州記念以来となる重賞3勝目を飾った。ルメールは当レース初騎乗V。勝ち時計53秒7は02年カルストンライトオに並ぶ芝1000メートルの日本レコードだった。札幌メインの「第73回クイーンS」は1番人気アルジーヌが重賞2勝目を飾った。

 23年の時を超え、“韋駄天(いだてん)”の記録に並んだ。名手に導かれたピューロマジックが、馬場のど真ん中をぶち抜き、復活V。電光掲示板に53秒7の文字が表示されると、新潟競馬場にどよめきが起こった。アイビスSD2勝、04年スプリンターズS優勝の「日本史上最速の馬」に肩を並べた。初コンビのルメールは「ラスト300メートルは凄くいい脚を使ってくれた」と、爆発的なスピードに興奮を隠せなかった。

 6番枠からゲートを出たピューロマジックは進路を右に取り、外ラチ沿いの馬込みの中でも馬場の真ん中寄りへ。前半は、昨年2着馬ウイングレイテストの後ろで脚をため、残り300メートルで長岡の花火のごとく一斉に点火。JRA史上最速となる上がり3F31秒3の末脚で外ラチ沿いのテイエムスパーダを首差差し切った。鞍上は「もっと外枠が欲しかったけど、まあしょうがない。スタートは良かったので、すぐ右の方へ行けました。壁も見つけたので彼女はリラックスできました」。ルメール自身、日本国内の千直騎乗は3年ぶり4回目だったが、セオリーに惑わされない大胆なエスコートが光った。

 天性のスピードによる逃げ一辺倒の競馬で昨年は重賞を2勝したものの同年スプリンターズS(8着)など上のレベルで壁にぶち当たった。そこで陣営はドバイに遠征した前走から控える競馬への脚質転換を実行。安田師から指示を受けていたルメールは「グッド・スチューデントでした。オレ!」と、ちゃめっ気たっぷり。中京競馬場でレースを見守った安田師は「エキサイト具合が最小限に抑えられていました。サマーシリーズにはこだわらず、スプリンターズS(9月28日、中山)直行になると思います」と次走を示唆。レベルアップした電撃娘が短距離女王へ突き進む。

 ◆ピューロマジック 父アジアエクスプレス 母メジェルダ(母の父ディープインパクト)21年2月18日生まれ 牝4歳 栗東・安田厩舎所属 馬主・スリーエイチレーシング 生産者・北海道新冠町の村田牧場 戦績14戦5勝(重賞3勝目) 総獲得賞金1億5910万6100円 馬名の意味は聖なる、純粋な(スペイン語)+可能にすること。
(C)スポーツニッポン