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【アイビスSD】ピューロマジック弾んだ!脚ためてCW1F11秒2 脚質転換継続への直線起用

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CWコースで安田翔伍調教師で追い切ったピューロマジック(奥)
 8月17日まで暑熱対策として競走時間帯を変更して開催される新潟サマーシリーズ。2週目のメインは、直線1000メートルで争われる名物競走「第25回アイビスサマーダッシュ」(8月3日、7R)だ。30日に東西トレセンで追い切りが行われ、ドバイ遠征帰りのピューロマジックがCWコースで帰国初戦の不安を全く感じさせない走りを披露した。

 現役屈指の俊足が新たな戦術を模索し、ものにしようとしている。ピューロマジックの最終追いはCWコースでの併せ馬。オメガナビゲーター(4歳1勝クラス)を3馬身前に見てスタートし、道中は直後であふれるスピードを封じて“我慢”に徹する。ラスト1Fだけ解放されると瞬時に僚馬を捉えて頭だけ前に出た。4F53秒6〜1F11秒2。

 騎乗した安田師がその狙いと手応えを伝える。「今日は馬の後ろでいい姿勢で精神面の乱れなく、気持ちがオンにならないように…というテーマ。エキサイトせず上手に走ってくれた」。対照的に「しっかり負荷をかけた」という23日の坂路追いでは自己ベストを1秒更新する4F50秒3をマーク。当日の1番時計でもあり、超S級の脚力も健在だ。「帰国してから疲労を取る時間を設けられて、海外帰りの影響なく調整できている」とコンディションに不安はない。

 ドバイに遠征したアルクオーツスプリント(5着)では意識的に天性のスタートダッシュを封印。「これまでの競馬だと、このクラスで安定した成績を求めるのは難しい。マーフィー騎手にリクエストした通りにレースを組み立ててくれた。馬の後ろに入れるために、出過ぎないよう、うまくごまかしてゲートを出してくれた」。逃げ一辺倒からの脱却を狙い、そのもくろみ通りに後方で脚をためる形に。ゴール前で猛然と追い上げた。

 2戦連続での直線競馬起用は脚質転換継続のための用兵。新コンビを組むルメールにも「しっかりと馬の後ろで、ゴールに向けて脚を使うリクエストをするつもり」と明言した上で、「学習しながら、その中で結果を求めていきたい」と越後名物の直線1000メートルを飛躍への滑走路とするつもりだ。希代の快速馬が輝かしい未来を見据えて電撃戦に臨む。

 《初コンビのルメール「楽しみ」》ピューロマジックと初コンビを組むルメールはアイビスSD初参戦。そもそも千直自体、22年8月以来3年ぶり4回目の騎乗だ。「フランスではたくさん乗ったが、日本に来てからはあまり乗っていない。スピードが凄いから楽しみにしています」と声を弾ませた。過去3戦は【1・0・0・2】で18年8月5日の10R驀進特別をレッドラウダで勝利。

 数少ない騎乗機会の中で実績を残しているのはさすが名手だ。「ほとんどずっと外ラチに行かないといけないから枠番は大事。外枠の方が楽だと思います。あとは1000メートルだからスタートも大事」とポイントを力説。ピューロマジックはいかにもマッチしそうな舞台設定で「これから彼女のレース(の映像)を見ないとね」と本番へ向け、イメージを膨らませていく。
(C)スポーツニッポン