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今年、第25回を迎える真夏の越後スピード合戦。完全に定着した感があるが、過去の歴史でも出色の強さを見せた1頭、セイコーライコウを紹介したい。
14年のこの一戦は13頭立てから1頭(シャイニーホーク)除外の12頭立て。例年と比べて、やや少なめだったが、出走馬の質はそろっていた。
1番人気はセイコーライコウ。前々走で同じ新潟芝直線1000メートルの韋駄天Sを快勝。その前の中山・船橋Sも制しており、7歳にして完全に軌道に乗った感があった。単勝は3.5倍。
2番人気は4.5倍のフォーエバーマーク。その韋駄天Sで0秒2差2着。前年のアイビスサマーダッシュでハクサンムーンの2着。“千直名人”村田一誠(現調教師)騎乗で、こちらもチャンスはありそうだった。
3番人気アースソニックもすでに重賞勝ち(13年京阪杯)の実績あり。5番人気フクノドリームは門別のエーデルワイス賞を勝った3歳馬で51キロ。パドトロワは2桁着順続きで9番人気だったが12年のこのレースを制した実績は見逃せなかった。
ただ、客観的に見てもセイコーライコウは、もう少し離した人気になってもよさそうだった。前走・韋駄天Sが着差以上に楽な勝ちっぷりだったからだ。そこまで抜けた人気にならなかったのは、直線競馬としては歓迎ではない内枠(2番)だったからと思われた。
その2番ゲートから互角のスタートを切ったセイコーライコウ。1頭除外で結果的に大外枠となったアンバルブライベンが軽快にハナを切った。フクノドリーム、フォーエバーマークが2、3番手。セイコーライコウは中団8番手。鞍上・柴田善臣は全く慌てていなかった。
次第に全馬が横一線となっていく。セイコーライコウは絶好の手応えだった。柴田善は先団各馬の動きに目を凝らした。どの馬も鞍上の手が動いていることを確認すると、満を持して残り200メートルで相棒にゴーサインを出した。
あっという間に先頭に立つセイコーライコウ。その迫力に圧倒されたか、2番人気フォーエバーマークが力なく下がった。やや外からフクノドリームが抵抗するが勢いの差は明らかだった。セイコーライコウが半馬身差をつけて先頭でゴールを駆け抜けた。
「自信はあったよ。強かったね」。馬にとってはこれが重賞初制覇だったが、柴田善は涼しげな表情で語った。
気難しい面があり、ステッキを入れると競馬をやめてしまうこともあった。だが、自分のペースで走らせ、馬の気持ちを尊重した。鞍上の好騎乗だった。
それまで1200メートル戦を主戦場としてきたセイコーライコウ。「1000メートルが合いそうだ」と鈴木康弘師(引退)に進言したのが実は柴田善だった。「内枠でも全く心配していなかった。自信があった」(柴田善)。馬の絶対能力を信じている様子が伝わってきた。
一方、鈴木康弘師は安どの表情だった。「1頭になるとソラを使うところがあるからね。体重も減って(12キロ減)ギリギリだったと思うが、よく頑張ってくれたよ」。前走、函館(函館スプリントS4着)で使っており、長距離輸送があった上での新潟参戦。炎天下の環境にあって、7歳馬はよく耐えた。
セイコーライコウは8歳となった翌年のアイビスサマーダッシュでも4着(勝ち馬ベルカント)。9歳で迎えた韋駄天Sでも4着に奮闘し、直線競馬戦線を長く盛り上げ続けた。
14年のこの一戦は13頭立てから1頭(シャイニーホーク)除外の12頭立て。例年と比べて、やや少なめだったが、出走馬の質はそろっていた。
1番人気はセイコーライコウ。前々走で同じ新潟芝直線1000メートルの韋駄天Sを快勝。その前の中山・船橋Sも制しており、7歳にして完全に軌道に乗った感があった。単勝は3.5倍。
2番人気は4.5倍のフォーエバーマーク。その韋駄天Sで0秒2差2着。前年のアイビスサマーダッシュでハクサンムーンの2着。“千直名人”村田一誠(現調教師)騎乗で、こちらもチャンスはありそうだった。
3番人気アースソニックもすでに重賞勝ち(13年京阪杯)の実績あり。5番人気フクノドリームは門別のエーデルワイス賞を勝った3歳馬で51キロ。パドトロワは2桁着順続きで9番人気だったが12年のこのレースを制した実績は見逃せなかった。
ただ、客観的に見てもセイコーライコウは、もう少し離した人気になってもよさそうだった。前走・韋駄天Sが着差以上に楽な勝ちっぷりだったからだ。そこまで抜けた人気にならなかったのは、直線競馬としては歓迎ではない内枠(2番)だったからと思われた。
その2番ゲートから互角のスタートを切ったセイコーライコウ。1頭除外で結果的に大外枠となったアンバルブライベンが軽快にハナを切った。フクノドリーム、フォーエバーマークが2、3番手。セイコーライコウは中団8番手。鞍上・柴田善臣は全く慌てていなかった。
次第に全馬が横一線となっていく。セイコーライコウは絶好の手応えだった。柴田善は先団各馬の動きに目を凝らした。どの馬も鞍上の手が動いていることを確認すると、満を持して残り200メートルで相棒にゴーサインを出した。
あっという間に先頭に立つセイコーライコウ。その迫力に圧倒されたか、2番人気フォーエバーマークが力なく下がった。やや外からフクノドリームが抵抗するが勢いの差は明らかだった。セイコーライコウが半馬身差をつけて先頭でゴールを駆け抜けた。
「自信はあったよ。強かったね」。馬にとってはこれが重賞初制覇だったが、柴田善は涼しげな表情で語った。
気難しい面があり、ステッキを入れると競馬をやめてしまうこともあった。だが、自分のペースで走らせ、馬の気持ちを尊重した。鞍上の好騎乗だった。
それまで1200メートル戦を主戦場としてきたセイコーライコウ。「1000メートルが合いそうだ」と鈴木康弘師(引退)に進言したのが実は柴田善だった。「内枠でも全く心配していなかった。自信があった」(柴田善)。馬の絶対能力を信じている様子が伝わってきた。
一方、鈴木康弘師は安どの表情だった。「1頭になるとソラを使うところがあるからね。体重も減って(12キロ減)ギリギリだったと思うが、よく頑張ってくれたよ」。前走、函館(函館スプリントS4着)で使っており、長距離輸送があった上での新潟参戦。炎天下の環境にあって、7歳馬はよく耐えた。
セイコーライコウは8歳となった翌年のアイビスサマーダッシュでも4着(勝ち馬ベルカント)。9歳で迎えた韋駄天Sでも4着に奮闘し、直線競馬戦線を長く盛り上げ続けた。
(C)スポーツニッポン