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【北九州記念】3歳馬クラスペディア軽快!開業2年目河嶋厩舎初の重賞Vへ気合十分

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小崎綾也を背に坂路を単走で追い切るクラスペディア
 年長世代に真っ向勝負を挑む。サマースプリントシリーズ第2戦「第60回北九州記念」は3日、出走馬が確定した。唯一、木曜追いの3歳馬クラスペディアは小崎を背に栗東坂路で軽快なフットワーク。開業2年目の河嶋宏樹師(40)が管理し、葵S2着から6F続戦で中4週のここに狙いを定めた。葵S覇者アブキールベイ、昨年小倉2歳S覇者エイシンワンドを合わせた3歳馬3頭が古馬との初対戦を迎える。

 人馬の息をピタリと合わせ、力強く駆け上がった。クラスペディアは小崎を背に角馬場で体をほぐした後、坂路へ。内ラチ沿いから徐々にペースアップし、コーナーを回って直線に向くとダイナミックなフォームでギアチェンジ。手綱を持ったまま、4F53秒0〜1F12秒0と加速した。

 引き揚げてきた小崎は「今朝はリズム重視。(レース)当該週になるとスイッチが入るけど狙っていた時計で追い切りができました」と第一声。先週木曜の1週前追いも小崎がまたがり、CWコースの自己ベストをコンマ6秒更新する6F77秒8(1F11秒9)の超抜時計で動いた。「以前はコースで負荷をかけると苦しくなって右にもたれたけど、そこが改善し、先週は真っすぐ走れていました」と成長を実感している。

 昨年小倉2歳S(中京開催)で2着に入り、前走葵Sは5戦ぶりの芝1200メートル起用。8枠15番から果敢にハナを切って、内ラチ沿いをキープした。ゴール前、アブキールベイの強襲に屈したものの3/4馬身差2着としぶとさを発揮。河嶋師は「腹をくくって、あの戦法。ラチを頼ることができたのは大きかった」と振り返った上で「長所でもあるスピードを生かすには1200メートルが一番合っている」と適性を強調した。

 中4週となるこの中間は栗東近郊のキャニオンファーム土山に放牧へ。短期間ながら英気を養った。指揮官は「牧場とも連携しながら、もたれる癖の改善に取り組んでいます。その中で心身のケアもして、いい状態で戻してもらいました」と好調をアピールする。

 燃えやすい気性ゆえに安定感に欠けるが秘めるポテンシャルは相当。かつて中竹厩舎でダコール(15年新潟大賞典V)の担当スタッフを務め、開業2年目の夏を迎えたトレーナーの下、スタッフ、ジョッキーが一丸となって厩舎初の重賞Vを目指す。「ハンデ54キロ、舞台もいい。馬が気負い過ぎないように気をつけて鞍上に託したい」とデビューから8戦連続コンビの小崎に一任。持ち前のスピードをフルに生かし、初の小倉でも見せ場をつくる。

 《昨年Vピューロマジックに続け》06年に距離短縮で北九州記念が芝1200メートルになって以降、42頭の3歳馬が出走。別表のように勝率&連対率&複勝率全てトップの4歳馬との比較では劣勢でもハンデの恩恵もあり、経験豊富な古馬に交じって善戦している。21年は熊本産ヨカヨカが5番人気V、昨年はピューロマジックがスピードを生かし、3番人気Vを飾った。今年3歳馬はアブキールベイエイシンワンドクラスペディアの3頭。距離が1600〜2000メートルだった頃(66〜05年)を合わせ、勝てば11頭目の3歳Vとなる。
(C)スポーツニッポン