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【安田記念】ジャンタルマンタル 昨年の3歳マイル王復権へ 坂路パワフル駆けラスト1F11秒7

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坂路を単走で追い切るジャンタルマンタル
 パワフルに駆け上がった。ジャンタルマンタルは高野厩舎流の坂路2本目に追い切り。馬場入り前に高野師が「前半ゆったり入ってしまいを伸ばす」とイメージした通り、最初の2Fは14秒9、13秒9としっかり抑えが利いた。コーナーを回って直線に向くと、ためた力を解き放つように加速。3F目が13秒1、ラスト1Fは力強いアクションで11秒7を叩き出した。全体時計の4F53秒6も予定通り。高野師は「全く無理することなく、素晴らしい動き」と満面の笑みを浮かべた。

 積み重ねた稽古が線でつながった。川田が騎乗した1週前に坂路でいっぱいに追って4F50秒1(1F12秒2)で自己ベストを2秒3更新。指揮官は「エネルギッシュで推進力が素晴らしかった。時計を求めていなかったなかで、いい時計を出せた」と動きを評価する。あの日、しっかり負荷をかけたことで一段と素軽さがアップした。

 23年にデビュー3連勝で朝日杯FSを制し、昨年NHKマイルCで2度目のG1制覇。秋は富士Sで始動を予定していたが熱発で回避し、海外初遠征となった前走香港マイルは7カ月ぶりの実戦がこたえ、13着に敗れた。「調整はいい感じで進められて自信はあったんです。ただ(レースは)前に壁をつくれない状況になったし、それ以上に富士Sを使えなかった影響が大きかった」と振り返る。

 帰国後は検疫を経て宮城県の山元トレセンに放牧。英気を養い、先月16日に帰厩した。「いい体つきで帰ってきたし、日に日に状態が良くなっている」。現時点でデビュー以来、最高体重の前走から3キロ増えて506キロ。休養効果が数字に表れている。「NHKマイルCの頃より明らかに成長していますね。稽古の動きを見ると力強さが全身にみなぎっている」と目を細めた。「NHKマイルCを勝った後、川田ジョッキーが日本で一番強いマイラーになれると言ってくれたんです」と高野師。あの勝利から1年――。思い出の東京マイルで再び輝きを放つ。
(C)スポーツニッポン