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【安田記念】ソウルラッシュ切れ絶品 楽々と自己最速タイ坂路ラスト1F11秒8「4枚刃が5枚刃に」

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坂路で追い切るソウルラッシュ(撮影・亀井 直樹)
 マイル王の座は譲らない。「第75回安田記念」の最終追い切りが4日、東西トレセンで行われた。ドバイターフで海外G1制覇を果たしたソウルラッシュは坂路でさらに進化した姿を披露。昨年3着の雪辱となる凱旋Vに弾みをつけた。2歳、3歳と世代のマイル王者に輝いたジャンタルマンタルも坂路で目を見張る動き。3年連続のG1勝利へ、万全の態勢を整えた。同レースは5日に出走馬が確定し、枠順が発表される。

 世界の頂に届いた末脚はますます研ぎ澄まされている。坂路中央を威風堂々と駆け上がったソウルラッシュ。「先週で結構仕上がった。輸送もあるので単走で」と池江師は最終追いの狙いを解説したが、ラスト1Fは楽な手応えのまま自己最速タイの11秒8。CWコースで1F10秒5を記録した前2週の追い切りに見劣りしない圧巻の動きで、帰国初戦の不安を一掃した。

 前走ドバイターフで昨年の安田記念勝ち馬ロマンチックウォリアーを撃破。指揮官は「芝の世界最強馬を破ったので感無量。長い間、国際G1に挑戦して高い壁にはね返されていたが、ようやく扉を開くことができた」と厩舎の悲願でもあった海外G1初制覇を振り返る。先に抜け出した王者をゴール寸前で強襲。「4枚刃が5枚刃になった」と切れ味の進化を表現する。

 その急峻(きゅうしゅん)な成長曲線に、師は調教助手時代に携わった名馬ステイゴールドの姿をダブらせる。「若い頃から奥があるという手応えはずっとあった。ステイもそうだった。7歳にグッと良くなった」。ソウルラッシュも成長を阻害しないよう、ゆとりあるローテを選択してきた。それが奏功し、7歳になった今季は「ロマンチックウォリアーのような迫力がある」馬体にパワーアップした。「種牡馬としての箔(はく)を付けるためには東京マイルを勝たせなければならない」と4年連続参戦の安田記念に懸ける思いは強い。

 鞍上は浜中。22年の安田記念(13着)以来3年ぶりのコンビ復活となる。池江師が「3年前はミスじゃないと思う。ずっともう一回乗ってもらいたかった。彼がマイラーとして覚醒させてくれたから」と喜べば、手綱を握る浜中は「乗っていないレースもいつも応援していた。一番充実している時期に依頼を頂いて、騎手としてここで結果を出さなければいけないと思っている」と口元を引き締めた。史上13頭目の春秋マイルG1制覇は通過点。国内統一を果たした先に、魂をゆさぶる旅路が待っている。
(C)スポーツニッポン