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競馬の祭典「第92回ダービー」が1日、東京競馬場で行われ、昨年の最優秀2歳牡馬で1番人気に支持されたクロワデュノールが好位から抜け出し、3歳馬7950頭の頂点に立った。デビュー20年目の北村友一(38)はダービー3度目の騎乗で初V。管理する斉藤崇史師(42)も初制覇となった。
世代の頂点に立った直後、クロワデュノールの馬上で北村友は右手を突き上げ、人さし指を立てた。すぐさまその指をパートナーに向け、“馬が凄いんだ”と称える。何度も何度も…。馬ファーストの鞍上らしいウイニングランだった。
「僕がダービージョッキーというよりも、クロワデュノールがダービー馬になれたことが何よりうれしい。そこに最高のエスコートができたのが一番良かった」
パートナーを信じたレース運び。五分のスタートを決め、道中は4番手を追走。「馬のリズム、走るストライドを邪魔しないように。ポジションも気にせず、馬を信じて運んだ」。直線は馬場の真ん中に導き、右ステッキが入ると瞬時に加速。残り300メートルで堂々と先頭に立った。ゴール前で迫ってきたマスカレードボールを振り切ってV。「馬とずっと心中して、人馬一体になれていた気がして。直線は絶対、伸びると信じていた」と振り返った。
2着に敗れた皐月賞に続いて1番人気の支持。重圧はあった。それでも「負けるというイメージは全然なかった。今までで一番いい雰囲気だったし、またがった時に確信に変わった」。ぶれることのない自信とパートナーを信じる思いが最高の結果を生み出した。
逆境を乗り越えてつかんだダービー制覇。21年5月2日の阪神2Rで落馬、背骨を8本折る重傷を負った。ベッドから自分で起き上がれるまで約2カ月、ジョギングができるまで約8カ月。「(復帰の)原動力はやっぱり馬が好きだし、また馬に乗りたい。その気持ちだけを持ってリハビリに励んだ」。どんなにつらくても、心は折れなかった。復帰後に出合った最高のパートナー。「(デビューして)20年間、ここに至るまでの過程、全てに意味があったんだなと感じています。こうして巡り合わせで勝たせていただいて、縁があったことが全部つながっているんだなと思います」と言葉をかみ締めた。
斉藤崇師とはG1馬クロノジェネシスとのコンビで絆を深めた仲。指揮官は「追い切りやレースプランなどジェネシスの時にはなかったぐらい細かく話をできた」。昨年はダノンデサイルが勝ち、安田翔伍師がダービー最年少V(グレード制導入後)を達成。「同い年の安田翔伍さんが先に勝っちゃったので一歩遅れたなと思って。やっと追いつけた」と刺激を受けて臨んだ大一番でもあった。
今後は未定ながら、凱旋門賞(10月5日、パリロンシャン)にも登録済み。夢が広がる大きな勝利となった。北村友は「まだまだ伸びしろはある。もっともっと、クロワデュノールという名前が世の中に知れ渡ってほしいと思う」と期待を寄せる。ストーリーは始まったばかり、世界も視野にさらなる頂を求めて歴史に名を刻んでいく。
◆クロワデュノール 父キタサンブラック 母ライジングクロス(母の父ケープクロス)22年3月21日生まれ 牡3歳 栗東・斉藤崇厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績5戦4勝(重賞3勝目) 総獲得賞金5億3248万6000円 馬名の由来は北十字星(フランス語)。
世代の頂点に立った直後、クロワデュノールの馬上で北村友は右手を突き上げ、人さし指を立てた。すぐさまその指をパートナーに向け、“馬が凄いんだ”と称える。何度も何度も…。馬ファーストの鞍上らしいウイニングランだった。
「僕がダービージョッキーというよりも、クロワデュノールがダービー馬になれたことが何よりうれしい。そこに最高のエスコートができたのが一番良かった」
パートナーを信じたレース運び。五分のスタートを決め、道中は4番手を追走。「馬のリズム、走るストライドを邪魔しないように。ポジションも気にせず、馬を信じて運んだ」。直線は馬場の真ん中に導き、右ステッキが入ると瞬時に加速。残り300メートルで堂々と先頭に立った。ゴール前で迫ってきたマスカレードボールを振り切ってV。「馬とずっと心中して、人馬一体になれていた気がして。直線は絶対、伸びると信じていた」と振り返った。
2着に敗れた皐月賞に続いて1番人気の支持。重圧はあった。それでも「負けるというイメージは全然なかった。今までで一番いい雰囲気だったし、またがった時に確信に変わった」。ぶれることのない自信とパートナーを信じる思いが最高の結果を生み出した。
逆境を乗り越えてつかんだダービー制覇。21年5月2日の阪神2Rで落馬、背骨を8本折る重傷を負った。ベッドから自分で起き上がれるまで約2カ月、ジョギングができるまで約8カ月。「(復帰の)原動力はやっぱり馬が好きだし、また馬に乗りたい。その気持ちだけを持ってリハビリに励んだ」。どんなにつらくても、心は折れなかった。復帰後に出合った最高のパートナー。「(デビューして)20年間、ここに至るまでの過程、全てに意味があったんだなと感じています。こうして巡り合わせで勝たせていただいて、縁があったことが全部つながっているんだなと思います」と言葉をかみ締めた。
斉藤崇師とはG1馬クロノジェネシスとのコンビで絆を深めた仲。指揮官は「追い切りやレースプランなどジェネシスの時にはなかったぐらい細かく話をできた」。昨年はダノンデサイルが勝ち、安田翔伍師がダービー最年少V(グレード制導入後)を達成。「同い年の安田翔伍さんが先に勝っちゃったので一歩遅れたなと思って。やっと追いつけた」と刺激を受けて臨んだ大一番でもあった。
今後は未定ながら、凱旋門賞(10月5日、パリロンシャン)にも登録済み。夢が広がる大きな勝利となった。北村友は「まだまだ伸びしろはある。もっともっと、クロワデュノールという名前が世の中に知れ渡ってほしいと思う」と期待を寄せる。ストーリーは始まったばかり、世界も視野にさらなる頂を求めて歴史に名を刻んでいく。
◆クロワデュノール 父キタサンブラック 母ライジングクロス(母の父ケープクロス)22年3月21日生まれ 牡3歳 栗東・斉藤崇厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績5戦4勝(重賞3勝目) 総獲得賞金5億3248万6000円 馬名の由来は北十字星(フランス語)。
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